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Photo byokanokura

高校野球怪談【毎週ショートショートnote】

    おでんの大根

     とある都立公園の野球場。

     夏の時期の深夜、誰もいないマウンドに黒い人影が出るという噂がある。
     将来を期待される高校生投手だったが、事故で早逝してしまった。以来、よく練習をしていたこの場所に霊として残り、強打者との対戦を待っている。

     あいつは、俺の幼馴染だ。

     今日こそあいつからホームランを打って、成仏させてやる。

     右打席に入る。黒い影しか見えないが、あいつは笑った気がした。
     バットを構えると、大きな振りかぶりから胸の高さまで左足を上げる。豪快な上手投げはあいつのトレードマークだった。
     
     一球目はシュート。内角を抉るような球筋にバットが空を切る。
     二球目はカーブ。大きな落差と緩急になす術なく空振り。
     三球目、あいつは遊び球が好きじゃなかった。
     鋭く落ちるフォークを掬い上げるように打つ。打球は大きく逸れファールゾーンへ。
     
     次が最後だろう。

     四球目、投じたのは渾身のストレート。

     内角高めに入った球にフルスイングで答える。

     真芯で捉えた打球は、レフト後方の柵を大きく越え、雑木林の向こうへ消えた。

     はは、やったぞ。完璧なホームランだ。

     今回は、俺の勝ちだ。


     とある都立公園の野球場。
     
     夏の時期の深夜、誰もいない球場に二つの人影が出るという噂がある。
     将来を期待される高校生投手と強打者だったが、事故で早逝してしまった。以来、二人でよく練習していたこの場所に霊として残り、

    今も勝負をしている。

    (599文字)


     田原にか様の、【毎週ショートショートnote】に参加させて頂きました。素敵なお題をありがとうございます。

    いつもホラーを書いてるのに、「怪談」がテーマになるとあまりホラーにならないのが不思議なところです。

    お読み頂きありがとうございます。

     
     
     
    怪奇ホラーナンセンス多め。 いつも心に最悪の読後感を。そんなものばっかり書いてます。

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