
しょっぱい友情
小学校低学年の頃、痛い目にあったことがある。
近くの廃屋に一抱えもあるスズメバチの巣があった。
いつもの悪ガキ5人で、その巣に向かって石を投げては逃げ隠れしていた。
石が巣に当たる度に、バウムクーヘンが歪んだような模様が崩れスズメバチがいきり立つ。ついに石は巣の根元に命中して、ドサッコロコロッとボクらの目の前に転がってきた。
度胸のある奴が、わーっと叫びながらサッカーボールのように蹴り上げる。そして、皆で一目散だ。
大人から刺されたら死ぬと聞いていたボクらは必死で逃げた。が、ボクは何かに蹴躓いて転倒する。
直後、背中に3匹のスズメバチが針を刺した。
グギエ~、未曾有の痛さに悲鳴を上げてもだえる。
友達らがわーっと言って棒を振り回しながら戻ってきた。
ボクは半泣きで死ぬのだと痛みに耐えて突っ伏していた。
誰かが泣きながらボクのシャツをめくる。
「早よう! みんなアンモニアや~」
の後、背中に冷たいものが一斉に降り注いだ。
えっとボクが首を回して見上げた光景は何とも惨めだったが、命が助かるのならと泣きながら堪えた。
全員から「死ぬな~死ぬな~」と泣きむせんで小便をかけらた。
ボクは「ありがとう。ありがとう」と連呼し泣き叫んだ。
物心つくまでボクはその小便で死ななかったと思っていたし、かけたみんなもボクの命を救ったのはあの小便のアンモニアだと思っていた。
みんなアホだったけど、しょっぱい友情で結ばれていたよなあの頃……。