僕は
海の中を
ゆらゆら漂うクラゲ
強く泳ぐことはできないし
流れに逆らうのも
あまり得意じゃない
波に押されて
思わぬ場所へ流されたり
冷たい潮に揉まれて
傷ついた日もあった
信じた魚に離れられて
自分が嫌になった夜もある
それでも僕は
沈まなかった
揺れながら
迷いながら
少しずつ
自分の流れを知っていったから
誰かに認められなくても
急いで強くならなくてもいい
海の流れに揉まれるたびに
僕の芯は
静かに強くなっていく
ゆらゆらしているようで
ちゃんと前へ進んでいる
だから今日も僕は
焦らずに漂う
辿り着く場所は
きっと
無理に探さなくてもいいのだと思う
野原 冬