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丁寧な暮らしに失敗

日々に少しだけ余裕が生まれた私の、最近始めた趣味がある。それは「編み物」だ。
幼いころから母が編むのをずっとそばで見ていて、私もやってみたかった。そして大きな行事の終わった今、手を出してみることにしたのだ。最近ちいかわにはまったのもあり、編むのは主にマスコットのお洋服である。

私が編み物に抱いていた印象は「時間を贅沢に使える趣味」というものだ。ゆとりのある生活にお花を添えるようなイメージ。

ところが、私は好きを止めることのできない人間で、編み物は私の感性にぴったりはまってしまった。
編み出すとなかなか止められず、夜に編み始めてしまうと編むのをやめても興奮で寝付けなかった。毎日学校終わりに、かわいい毛糸を探しに歩いた。
こうして編み物に狂うようになった生活は、ゆとりのある暮らしとは正反対になってしまった。

そして編むことしか考えられなくなったころ、研究室では怒涛の現地観測が始まった。まだまだ暑い日の続く中、長そで長ズボンで何時間も、自然の中で作業する。運動習慣のある人でもへとへとになってしまうようなものだ。
なんと私は、その前日にも編み物で夜更かしをした。結局睡眠時間は4時間もなくて、そのまま汗だくになりながら河川敷で作業。我ながらよく倒れなかったなと思う。

久しぶりの疲労でくたくたになって帰宅した。お風呂に入ればすぐに眠れると思った。
しかし、その夜も編み物をした。さすがに疲れていたからかミスが多くなったけれど。次の日はもちろん、研究に集中できなかった。

こうして私はよく新しいことを始めては熱中し、他を犠牲にするようになってしまう。過集中というやつだろうか。直したいけれど直せないことの一つだ。

もっとこう、優雅に編み物を楽しむ姿を想像していたのになぁ。



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