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futen_seisuke
3行日記〜「みっともない」の記憶〜
みっともない
こどもの頃、よく、母から「みっともない」と言われた。
「みっともない」というのは、今、思えば、「世間が基準」の言葉だ。
世間の人の目にうつる、自分のかっこうが悪い。
だけど、他の家とは、いろいろなことが違っていて、
「他所は他所、うちはうち」と言われていたのに。
武士は食わねど、高楊枝
「武士はたとえ生活に窮しても、気位は高くもち恥ずべきことをしてはならないというたとえ」
実際に、口に出すことはなかったが、幾度となく、私の頭の中に浮かんでいた言葉だ。

私は、当時、6畳と4.5畳の2Kの市営住宅に、家族5人で暮らしていた。
自分の部屋がある子たちとは違う。
家族が眠る中、音を立てないように、台所の床で
柱に寄りかかって体育座りで、
多くの子が進学塾に通う中、家庭学習教材を使って勉強をしていた。
そういう状況で、それなりの高校に合格できた。
いろんな制限や苦難に、1人で立ち向かいながら、滅多には漏らさない弱音に対して
そんなことで騒ぐなんて、泣くなんて…
「みっともない。」
私が、本当の自分を出せなくなったのは、この言葉の影響が大きいのではないか?
あの頃の私へ。
あなたは、みっともなくなんて、なかった。
自分の品位を誇り、それを保とうとする、立派な「武士」だったと思うよ。
