
脚本家への最短距離
脚本家は資格がいらないので、
実力は関係ありません。
実力がないとプロになれない、
とよく耳にしますが、
あれはそう信じたい人たちによる嘘だと思います。
大事なのは実力より運とコネ、
身に染みています。
でも、それをいったら、
身も蓋もないので、
正攻法(だとも思わないけど)、
そうした視点から、
プロになるための方法を探っていくと、
やはりコンクールに行き着きます。
名著「3年でプロになれる脚本術」の中に、
題材の取材に時間をかけるのであれば、
脚本術の勉強をしたほうがいい、
といった旨の記述があります。
例えば、
医療や警察など、
専門知識を要するストーリーを書くための取材に時間を費やすなら、
自分の知っている範囲内のことを取り上げ、
その出来事をいかにドラマにするか、
その技術を磨いたほうがいい、
というアドバイスです。
脚本的な視点から見れば、
その通りと思うのですが、
一方で、
僕が印象に残っているのは、
コンクール落選作を公開している脚本家志望者の方のブログに書き込まれていた、
あるコメントです。
記憶が確かならプロデューサーの方(ディレクターの方だったかもしれない)によるコメントで、
医療や刑事ものを書ける人は重宝されるので、
専門知識を身につけたらどうか?
といった旨のアドバイスでした。
まさに、
脚本家の方のアドバイスとは、
真逆のことをいっていて、
その理屈でいうと、
(極論かもしれませんが)
脚本の技術を学んだ脚本家志望者が書いた医療ドラマより、
医者が、
たとえばシナセンの8週間コースに通って、
脚本の簡単な基礎を身につけ、
書いた医療ドラマの方が、
プロデューサーに評価される、
ということになります。
仮にその医者がプロになったとして、
プロになると作品を作るさいに監修がつくわけですが、
医療に詳しい素人脚本家と、
医療に詳しい監修。
二人そろって何を作るんだろう、
と思わざるを得ません。
(話は弾むだろうけど)
その点に関しましては、
前述した著書の中においても、
コンクールでは題材が重視されるが、
プロになると(題材に関しては監修がつくので)技術が重視される、
そうしたねじれ構造の問題点を指摘されていることを、
付け加えておきます。
コンクールにおいては、
審査員の方たちが認識できるものしか、
評価されません。
たとえば、
構成(ストーリー構造と言い換えたほうがいいかもしれない)は、
別の記事でも書いていますが、
セリフやキャラと違って目に見えないので、
実際に脚本を書いたことがある人じゃないと、
そのすごさがわかりません。
したがって、
脚本を書いたことのない審査員の場合、
構成を評価することはほぼないので、
構成については腕を磨く必要はなく、
起承転結くらいを身につけておけばいい、
ということになります。
また、
審査員がプロデューサーの方の場合、
人生経験が豊富で、
いろんな人とかかわっていて、
人間というものに詳しいはずなので、
人間が書けていない脚本は、
たぶん目にとめません。
同様に、
物事にもくわしいはずなので、
先にあげた専門知識、
これもモノをいうと思います。
つまり、
コンクールでは、
・人間を書く力
・緻密な取材力
この二つこそ重要で、
シナリオセンターで学ぶような、
構成面に関しては、
8週間コースで十分なのでは、
と今更ながら思っています。
そこで、
話は飛躍して、
スクリプトドクターの出番かな、
と思うわけです。
自分が命がけでやってきた、
構成を極める、
新しい構成を生み出す、
ってプロになってからじゃないと、
何の役にも立たない。
この技術を活かすには、
脚本家ではなく、
もはやスクリプトドクター(脚本の医者)しかない。
人間と題材が書ける脚本家と、
構成を知悉したスクリプトドクター。
この組み合わせこそ、
日本の脚本業界の勃興の鍵を握るのではないか、
そんな妄想してるのですが、
今のところ、
妄想は妄想です。