若い世代のシェアアパート・ドイツ編
長男は機械工学を勉強した。
大学はそれこそインターナショナルな環境で、様々な国の友達が出来た。
最初の頃のシェアアパートは日本人Yとイタリア人Vとの3人住まいだった。
Vは、一旦就職してお金を貯めてから大学に入った。
ドイツでは学費はかからないので生活費だけで済む。
息子は、最初の2年こそ学業が忙しくバイトも出来なかったため仕送りで生活していたが、3年目からはWerkstudent(勤労学生)として自活するようになった。
Werkstudentとは、講義期間中の就労は週20時間以内と決められていて、各種保険は企業側が負担してくれる。
講義のない休暇中はフルタイムも可能だ。
のちのキャリアやコネにもつながる学生に人気の高い就労形態だ。
長男は、働き出してからは親からの金銭援助を一切受けなかった。
「足りてる?」
「大丈夫だから。」
「私たちは親からしてもらったことは子供にしようと思ってるよ?教育もその一環だから。」
「俺はそれが普通とは思わない。」
誰の子や⁉️
と思いましたよ!
* *
さて、日本人学生Y君である…。
彼は、東京都心の某クリニックの外科医を親に持つボンボンだった。
潤沢な仕送りを受けているY君は、ナンも考えずに欲しいものを買う。
3人は仲が良く、料理好きなVか息子が料理して一緒に食事をしていたらしい。
しかしYの買う調味料や肉は高い…。
日用品なども3人で使うものは3人で割り勘にしていたようだが、どうも金銭感覚が合わない。
何度か話し合ったようだが、身についてしまっている感覚を変えるのは難しい。
一度、息子とVが遊びに行ってみると、Yの親の家は、ホテル・オークラそばの超高級マンションだったそうだ。
Yのお嬢様のようなお母さんが、息子とVに聞いて来た。
「あの、お二人は月にどのくらいの生活費で暮らしてらっしゃるの?」
息子とVは目交ぜした。
Yの仕送りは、2人の稼ぐ生活費の倍は余裕で超えていた。
でも、正直に話してYの仕送りが減らされてしまうのも可哀想だ…
で、少々水増しして誤魔化したそうだ。
「へえ、親切だね。」
と私が言うと、
「Yは悪い奴じゃないし、ま、ちょっとアホな弟がいると思えば腹も立たないし。」
とのことだった。
* *
その後も息子はいくつかのシェアアパートを体験した。
学生時代最後のシェアアパートは、
「歴代最高」
だったそうだ。
ベトナム人の学生とドイツ人美大生との3人シェア。
3人とも適度に緩く、それこそ毎晩一緒に食事をする(料理人は息子)仲の良さだったそうだ。
アパートは適度に広く、それぞれの部屋に加え、共同の居間があった。
息子の部屋にはバルコニーまで付いていた。
* *
今、息子はドイツ人の彼女と2人住まい。
さして広くもない新築アパートに目玉が飛び出るほどの家賃を払っている。
この先どうなるのかな?
家にいた頃は色々心配したものだが、姿が見えないと気が楽だ。
何が起ころうと、我々親が永遠に助けてあげることはできない。
「普通に行ったら私らが先にオサラバするけど、兄弟仲良く助け合って暮らして行きなさい。」
ということだ。
