
2026.6.1 冷静
花屋だけでなく、道なりでも紫陽花に出会う時期になった。紫陽花はすこし思い入れのある花だ。
超絶手先が器用な大学時代の友人に、部活の同期たちと展示会をする際の作品のモデルを頼まれたことがある。四季折々の花の髪飾りをアクリル粘土で作りるだけではなく、それらを友人たちに着用してもらい撮影し写真でも展示するという、友人のクリエイティブ力が爆発した企画のオファーを私は二つ返事で了承した。ちなみに友人は某子ども写真館のアルバイトで磨かれた撮影技術を持っており、人を撮るのが非常にうまい。
その企画で、私が担当したのが紫陽花だ。意外だった。
「常に元気でそこらへんをアクティブに走り回っている」自分に、儚げでうつくしい紫陽花などつけて大丈夫なのか。てっきり向日葵のようなビタミンカラーの花をあてがわれると思っていたので、正直にその気持ちを友人に伝えると、こう返された。
「ギリギリまであきとさんは向日葵と迷ったんやけど、紫陽花も似合うなあと思って。元気いっぱいもいいけど、クールな雰囲気も”意外”じゃないと思って」
自分の魅力のようなものは他人の方がわかるとはよく聞くけれど、本人も気がついていないポテンシャルを惹き出してくれるのは近しい友人とは。まさに青天の霹靂。(一度使ってみたかったことば)
あおい紫陽花の花言葉は「冷静」。彼女の期待?と花言葉に見合うように振る舞った。
それ以来、紫陽花はずっと大切な花になっている。友人としてはモデルに起用したことにも話した内容にも、きっと深い意味はなかったのだはず。でも、私にとっては新たな自己表現の発見に繋がった貴重な体験だ。
凛と佇むかれらのようにしゃんとした美しい姿勢でありたい。