フクロウ賞|短歌|第5回 結果発表 "コーヒー" / 第7回 募集 "透明"
📌 第6回 "危うい" の〆切は本日23:59です
第5回 結果発表 "コーヒー"
ご応募誠にありがとうございました
一首一首大切に読ませていただきました
🥇 最優秀賞
バッタ屋で 見つけた 39円の 缶コーヒーの 凹みを撫でる
平末さくらさん
コーヒーって不思議な存在ですよね
好きな人は店を開くくらい好きだし、嫌いな人は「カッコつけて飲んでるだけでしょ?」とまで言ったりする
高級なものは「世界一のバリスタが〜」なんて仰々しい能書きがついていたりして、安価なものはこちらの短歌のようにバッタ屋で39円で売られていたりする
こういったコーヒーの多面性に気づいた観察力と、それを一首にした技量に脱帽です
🥈 優秀賞
地球には 苦い泥水 飲む変な 生き物いると 本に書いてる
ボ部さん
コーヒーを飲むという僕らにとって当たり前なことを、SF的ファンタジー的な視点から書いてみると、そこに奇妙さが浮かび上がってくる
題材をここまで大胆に捉え直してみる、その思い切りのよさが素晴らしいですね
陰口と マルチ勧誘と マウントを 来たコーヒーに 見せてあげてる
レンヅさん
ブラック……コーヒーだけに
特定の誰かを傷つけることのないブラックユーモアは、心底貴重であると思います
「コーヒーに見せてあげてる」の部分は対照的にちょっとコミカルで、全体を通して毒っ気の強さと愛嬌がうまく同居している一首ですね
全身で ノート見せてと 言った夏 アイスコーヒー 一杯の恋
和風|俳句とか短歌とかさん
とにかく爽やか
描写もさることながら、技法として変に着飾っていないからかもしれません
「全身で」から伝わる懸命さ、直截書かれていないのに「ノート」が間接的に表現している青春も鮮やかです
🥉 入選
だいじょうぶ 言えない朝は 珈琲の ひと口すすり それからにする
だいじょうぶ研究家さん
「それからにする」に余白があって素敵です
夏目漱石の『それから』もそうですが、ふとその後のことを想像して豊かな気持ちになります
目覚ましに 連勝気味は 年のせい コーヒーのせい そう思いたい
枝成統合力研究所さん
「連勝」という表現に思わず笑いました
「(目覚まし時計のベルの音に)気づかず寝過ごしてしまうのが何日も続いている」を2文字に圧縮するのは見事な表現力ですね
※コメントにて、「寝過ごしてしまった」のではなく「予定より早く起きてしまった」のではないか、とのご指摘をいただきました
ありがとうございます!
僕の方でも熟考してみました
確かにこちらの解釈も自然ですね
本文の「年のせい」の部分は加齢による早朝覚醒も想起させます
しかし加齢によって
・眠りが浅くなる
・夜中に目が覚める
という症状が出ることは多いようです
こうして睡眠が不安定になりがちなことを踏まえると、寝坊してしまうのも自然です
さらに「コーヒーのせい」の部分はどうでしょうか
僕はコーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用によって入眠が遅れ、睡眠の質も損なわれた
→結果として翌朝寝過ごしてしまった
と解釈しました
逆に〈早朝覚醒説〉の立場に立つと、「昨晩コーヒーを飲んだから今朝早く起きちゃったよ」というロジックになりますが、これはちょっと一般的にも医学的にも自然ではない気がします
「早起きしたいなら寝る前にコーヒーを飲め」なんて言いませんもんね
いろいろな解釈ができるって素晴らしいですね
重ね重ねコメントでのご指摘ありがとうございました!
朝マック 犬歯でストロー しがんでる 食後コーヒー ながらスマホで
中島ジーマさん
光景と感情がありありと浮かびます
特にストローを犬歯でしがむのは見過ごされてきた〈あるある〉かもしれません
映画のワンシーンのようです
ひとくちの 黒き苦みを のみくだし 言えないことの かたちを知りぬ
ちえべ(CB-K)さん
「苦み」「のみくだし」などコーヒーをネガティブなモチーフとした短歌ですが、こうした作品は今回全体を通してかなり少なかったです
コーヒーは香りや温かさ、くつろぎなどその魅力を入口に詠みやすい題材だからこそ、まったく違う表情を引き出したことそのものに価値がありますね
フィルターの 端は交互に 折るんだよ 記憶の中の 手が朧げに
稀央さん
実際にハンドドリップ(つまりフィルターを使って)コーヒーを淹れたことがある方だからこそ詠める短歌ですよね
自身の経験と接続した短歌は、確かな手触りがあっていいなと思います
出涸らしも 捨てられぬまま 七七日 深煎り好きの 君が消えちゃう
シユ┊︎【た-88】文学フリマ大阪14さん
「消えちゃう」というともすれば幼い言い方に感情が溢れていて胸を打ちます
三十一文字なのに余韻のある短編小説のようです
朝もやに 香りほのめく 一杯に 今日の天気を そっと占う
Shinta83さん
おそらく「天気」は晴れや雨といった空模様のみならず、今日のあるいは将来の吉凶や行方をも含んでいるのではないでしょうか
そのささやかな神秘性に惹かれました
父が飲む 微糖がとても 甘いこと 一人で生きる 最初の夜に
プライマーさん
「一人で生きる」の部分が、一人暮らしを始めたのか、お父様が亡くなられたのか、想像が膨らみました
小説のようには詳しく描写せずに済むのは短歌のいいところですね
珈琲を はじめてみよう さあ飲もう 購入したんだ 盆の終わりに
南凪大神(狼) MINAMINAGI (Lone Wolf & Solitary God)さん
エネルギーに満ち溢れた短歌で、読んでいて勇気をもらいました
「はじめてみよう さあ飲もう」と、意味と音を繰り返ししているところにグッときます
コーヒーの となりに紙の 本ひらく 今日だけ指で 頁をめくる
いそのさん
巷で話題の〈丁寧な暮らし〉が光る
それが穏やかにコーヒーを飲むだけでなく、本(しかも紙の)を読むところまで描かれており、〈丁寧な暮らし〉を象徴するものがこの一首にこれでもかというほど詰め込まれていますね
第7回 募集 "透明"
テーマ
"透明"
(このワードをそのまま短歌に用いなくても構いません)
応募方法
短歌をnoteで公開していただく方式です
・お1人様1首
・記事にこの記事を埋め込む
・ハッシュタグ #フクロウ賞 をつけて投稿
記事には他に制作メモやイラストなど何を掲載していただいても構いません
選考には影響しません
日程
〆切 8/29(土)23:59
結果発表 9/5(土)20:00
毎週開催する予定です
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賞
最優秀賞 1首
優秀賞 3首
入選 10首
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「人生に必要なのは勇気、想像力、それから少しばかりのお金だ」とチャップリンも『ライムライト』で述べていますのでひとつ