
どうしても ぬりえ を買って欲しい保育園児のあっぱれな理屈【子育て奮闘シリーズ】
息子がまだ保育園に通っていた頃の話だ。
とにかく ぬりえ が好きだった。
戦隊シリーズにドラえもん、ワンピース……。
本屋へ行くたびに、新しいキャラクターの塗り絵をねだられた。
だが、親としては気になることが一つ。
息子の塗り絵は、いつも「未完成」なのだ。
数ページだけちょこちょこっと色を乗せ、塗り残しが山ほどある状態で、次の新しい一冊を欲しがる。
ある日、また息子が言ってきた。
「新しい ぬり絵 買って。新しいの」
私はここぞとばかりに教育的指導を入れることにした。
「どれ、今までのを見せてみろ。……ほら、塗ってない白いところばかりやん。ここをちゃんと全部塗ってからや」
正論である。ぐうの音も出ないはずだ。
息子は手に持った ぬりえ を見つめ、黙り込んだ。
小さな頭で、何やら必死に考えている。
反省しているのか、それとも「買ってもらうための作戦」を練っているのか。
しばらくして、息子が顔を上げた。
その表情は、どこか吹っ切れたように晴れやかだった。
「お父さん この塗ってない白いところ……」
「勿体無いやろ?」
「ここはな 白 でええと思うねん 塗らんでええやん」
え?💧
一瞬、思考が停止した。
白い紙に、あえて色を塗らない。それは「塗り残し」ではなく、彼なりの「白という選択」だと言い切ったのだ。
あなた、一休さん?
あまりにも見事な 返しに 私は思わず笑ってしまった。
あっぱれや!よし、買いに行こうか