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どうしても ぬりえ を買って欲しい保育園児のあっぱれな理屈【子育て奮闘シリーズ】

    息子がまだ保育園に通っていた頃の話だ。

    とにかく ぬりえ が好きだった。

    戦隊シリーズにドラえもん、ワンピース……。
    本屋へ行くたびに、新しいキャラクターの塗り絵をねだられた。

    だが、親としては気になることが一つ。 

    息子の塗り絵は、いつも「未完成」なのだ。
    数ページだけちょこちょこっと色を乗せ、塗り残しが山ほどある状態で、次の新しい一冊を欲しがる。


    ある日、また息子が言ってきた。

    「新しい ぬり絵 買って。新しいの」

    私はここぞとばかりに教育的指導を入れることにした。

    「どれ、今までのを見せてみろ。……ほら、塗ってない白いところばかりやん。ここをちゃんと全部塗ってからや」

    正論である。ぐうの音も出ないはずだ。

    息子は手に持った ぬりえ を見つめ、黙り込んだ。
    小さな頭で、何やら必死に考えている。
    反省しているのか、それとも「買ってもらうための作戦」を練っているのか。

    しばらくして、息子が顔を上げた。
    その表情は、どこか吹っ切れたように晴れやかだった。 

    「お父さん この塗ってない白いところ……」

    「勿体無いやろ?」

    「ここはな 白 でええと思うねん 塗らんでええやん」

    え?💧


    一瞬、思考が停止した。

    白い紙に、あえて色を塗らない。それは「塗り残し」ではなく、彼なりの「白という選択」だと言い切ったのだ。 

    あなた、一休さん?




    あまりにも見事な 返しに 私は思わず笑ってしまった。 

    あっぱれや!よし、買いに行こうか


       * #創作大賞2026
       * #エッセイ部門

     
     
    51歳。 好きなことは人間観察。 日常の「なんかおかしい」を、全部実話で書いています。 家族、仕事、外食、変な人観察多めです。 読んでクスッとしたら、サポートしていただけると励みになります。

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