
探し物は充電器だったのに、見つけたのは思い出だった
昔使ってたガラケーの裏に貼ってあるプリクラとか、引き出しの奥底で埃をかぶっていたアルバムとか。
なんかちょっと恥ずかしいけど懐かしい、そんな思い出はあなたの部屋にもきっとあるよね。
「よっしゃ、絶対今日中に見つけるぞ!」
その日、私はDSの充電器を求めてチャリをかっ飛ばしていた。
実家の引き出しから出てきたDS。思い出にふけりがてら久々にゲームでも、と思って開いたが充電がない。そしてなぜか、充電器もない。
「お母さん、なんか充電器ないんだけどさ、どこにあるか知ってる?」
「んー?なんのー?」
「DS!昔使ってたDSの充電器だよ。」
「……売っちゃったかも?てへぺろ。」
お母さん……。かわい子ぶってもダメですよ……。
リサイクルショップで充電器を手に入れた私は、家に帰るやいなやDSにそれを挿す。
ドキドキ、ドキドキ。
「おっ、ついた!」
ピカリと光った小さな画面。
んー、当時はめちゃくちゃ画面大きく感じてたんだけど。
カチ、カチ、カチ……。
次から次へとスクロールして、私はふと手を止める。
「写真……。」
そう、このDSにはカメラがあって、SDカードに過去の写真が保存されている。
「そういえば、昔なんか撮ったかも。」
あいまいな記憶のまま、写真アルバムを開く。
目に飛び込んできたのは、カラフルな大量の写真たちだった。
今より少し若い母の笑顔。
お気に入りのパジャマを着た兄。
真っ黒な髪のおじいちゃん。
今より少し太っている父。
着飾られたぬいぐるみ。
落書きだらけの写真もあれば、同じ場所を何枚も撮ったものもある。
なんでこんなの撮ったんだろう、って思うのに、
その全部がちゃんと楽しかったことだけはわかる。
あの頃は、何もない場所でも、ただパシャパシャ撮っているだけで楽しかった。
理由なんてなかった。
ただ、大好きな人たちを残しておきたかっただけだった。
今ではもう名前も思い出せない子と、
今でも会うたび笑い合う子と、
あの頃はたくさん写真を撮っていた。
画面を閉じたあとも、しばらくそのまま動けなかった。
なんとなく、今は写真を撮るのが少し恥ずかしくなっている気がする。
でも、あの頃の私は、そんなこと何も気にしていなかった。
また、撮ってもいいのかもしれない。
今のこの時間も、
今一緒にいる人たちも、
いつかきっと、同じように懐かしくなるから。