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Photo by_gobogobo

『こわがりのすん』8ストーブとホットケーキ🥞

    もうすぐ、冬が来る。

    ある日曜日、「おとさん」と「ようちゃん」は、物置きからストーブとアルミの煙突を運び出した。

    北国に住む「すん」の家の真ん中には、
    大きな集合煙突がある。

    各部屋の壁には大きい煙突に繋がる丸い穴があり、
    その穴にストーブから伸びたアルミの煙突を差し込んで
    煙を外に出す仕組みになっている。

    「おとさん」と「ようちゃん」は穴のフタを外し、
    運んで来たストーブと煙突を繋いでいく。

    二人は、直線の煙突と90度に曲がった煙突を組み合わせ、天井を這う様に一周させて集合煙突に繋いだ。

    やっとこさで準備が出来て、
    「おとさん」がストーブを点けた。

    「わーい、すとーぶ!すとーぶ!」

    「すん」は、ストーブの側で跳び跳ねる。

    あれっ?

    前はストーブの方が大きかったのに、
    いつの間にか「すん」の方が大きくなっている。

    「すん」は、ストーブを見下ろせるようになっていたので驚いた。
    そして嬉しかった。

    それに、なんと言ってもストーブはあったかいし、
    お餅だって焼ける。

    「おかさん」がお豆を煮たり、コトコト煮込んだスープも作ってくれる。

    あの美味しい匂いや音を思い浮かべるだけで、
    幸せな気持ちになる。

    そう思っていたら「おかさん」がホットケーキのタネを
    作って、ストーブの上で焼き始めた。

    フライパンにバターを敷くと、ホラもういい匂い。
    注がれたタネは、
    フライパンの中でピチピチ音を立てている。

    しばらくフタをして待つと、プツプツと穴が開いてきた。
    「おかさん」が上手にひっくり返すと、キツネ色の可愛いケーキが焼けた。

    次に「ぽみちゃん」が自分の分を焼き上げると、
    「ようちゃん」も焼きたいと言う。

    「ようちゃん」は、フライ返しを使わずに空中で
    ホットケーキを裏返そうとして、少し失敗した。
    でも食べれば、同じ味。

    「すん」のは「おかさん」が、焼いてくれる。

    「ちっちゃいの、やいて」

    「はいはい、ちっちゃいのね」

    小さなホットケーキは、
    くっついて雪だるまの形になった。

    「わぁ、ゆきだるま」

    焼きたてホカホカの雪だるまに、
    バターがじんわり溶ける。

    「ん〜、おいしぃ〜」

    そして、ホットミルクが合う。


    「すん」が雪だるまのホットケーキを食べる頃、
    窓の外では雪が降り出した。

    しんしんと雪が降るのを見ながら、
    あったかい部屋で美味しいものを食べる。

    あ〜、ふゆっていいなぁ!

     
     

    子葉

     
     
    日々の暮らしの中で心が震えたことや、湧き上がるとりとめのない感情を書き留めています。 九州男児の父と関西女の母に育てられ、北から南まで日本の各地に移り住んだので、 様々な土地の方言や文化が私の思い出に存在しています。

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