
そぼ降る雨に歌手の湿度を想う/玉置浩二は湿度100%
本州は梅雨本番。毎日、降り続く雨。カッサカサの乾燥肌には嬉しいが、洗濯物は乾かず、部屋の床はぺたぺたして、湿気を含んで日に日に重くなる布団の上げ下ろしはしんどい。
「じっとり」「ジメジメ」と言ってしまうと不快で陰気、いいイメージではない。しかし「しっとり」「潤いのある」と表現すれば、ちょっといい感じにとらえられるのは、なんとも不思議だ。
湿度のある声というものがあるとしたら、その代表は彼しかいないだろう。そう、玉置浩二(安全地帯)である。
吐息混じりの熱く、少し粘度のある声。とにかくウェット。耳元で囁かれたら、腰が砕けて崩れ落ちる自信がある。梅雨の時期に聞けば、体中、上から下まで濡れること請け合いである。いや、請け合ってどうする。乾燥する冬場には、加湿器的な役割も果たしてくれそうである。
一方、玉置浩二の湿度の高い歌声に対し、湿度0%のカラッとした声の持ち主は誰だろうか? 思い浮かぶのは杉山清貴(杉山清貴&オメガトライブ)だ。
真っ青な青空、洗い立ての白いシャツ、海風を思い起こさせる爽やかで透明感のある伸びやかな声。湿度ゼロ。カラリと爽快。梅雨時には一家に一人、杉山清貴。もはや除湿器はいらない。
歌手としては対照的な二人かもしれないけれど、年齢を重ねて深み、渋みを増しながらも、自由にのびのびと、今ここを楽しみながら歌っている姿を見ると、改めて「すっげぇなー」と感嘆する。
窓ガラスを雨粒がゆっくりと滴っていく。二人の歌に耳を傾けながら梅雨明けを待つことにしよう。