
1%の人しか知らない欧州ブランドがゴミを作り始めた理由
欧州高級ブランドが「ゴミ」を作り始めた本当の理由
かつてエルメスのバーキンは職人が手縫いで仕上げた一生モノだった。グッチのレザーは10年使えば味が出た。しかし今、同じロゴが貼られた製品の縫い目は数ヶ月で綻び、素材はプラスチックに限りなく近い合成皮革だ。なぜ「品質の殿堂」が意図的に粗悪品を量産し始めたのか。
答えは一つ——「夢を売る」から「依存を売る」に商売の本質が変わったからだ。
90年代まで高級ブランドの顧客は富裕層のみだった。しかしコンサルタントたちが発見した「アスピレーショナル消費者」という金脈——憧れのブランドのために無理をして買う中間層——が業界の構造を根本から変えた。彼らを取り込むには価格を下げる必要があった。しかし価格を下げれば利益が消える。解決策は「コストを下げながら価格は維持する」こと、つまり品質の密かな劣化だ。
さらに深刻な理由がある。高品質な製品は長持ちするため、リピート購入が生まれない。意図的に耐久性を落とせば、2〜3年で買い替えが必要になる。これをビジネスモデルとして確立したのが現代の欧州ブランドだ。
LVMHのベルナール・アルノーは株主に対して「感情的価値」と「ブランド資産」を語るが、決算報告で最も重視するのは「リピート購入率」と「客単価の向上」だ。品質はコストであり、ロゴは資産——この冷酷な方程式が、かつての職人の聖地を巨大な製造工場に変えた。
消費者が買っているのはバッグではない。劣化するように設計された夢の、レンタル料だ。