
かめといたしましては 4
第三章 深夜のコンビニエンスストア
かめは歩いて歩いて歩き続けるとついに夜になった。
住宅や街灯の光がかめの進べき道を弱々しく照らしている。
コンクリートの道を踏み締める、踏み締める・・・あ
深夜のコンビニバイトは楽ではない。
まず、夕方の高校生バイトが残していった品出し、掃除、レジの金額の訂正を済ませる。
スナックを揚げている油を交換して掃除、
かと思えば深夜に来た酔っぱらいにチキンを10個注文され、片方のフライヤーでチキンを揚げて、
揚げている間にまた酔っぱらいの相手をする。
飲み物が届いて、深夜なのに客が来て、また品出しをして、、
あなたとファミリーにコンビマート深夜バイトの浦島はなんとか今日もタスクを終えた。客もいないし、しばらく誰も来ないだろう。
彼は酔っぱらいが結局買わなかったチキンを廃棄登録して、喫煙者ではないけど、店前の喫煙所のベンチに座ってヤニ咥える代わりにチキンかじる。
かじろうとした時、金属がガタつく「ガシャン…ガシャ…」みたいな、虚しめの音が聞こえた。
視線を送った先には
多分、困っているかめがいる。
道にある、水が流れてる、アミアミの蓋に前足を両方突っ込んで、足でそれをなんとかしようとジタバタするたび歪んだその「蓋」が気まずそうに音を立てている。
浦島は入店音と共に店内に戻ってもう一つチキンを廃棄登録してまた出てきた。
「…あ、、かめってチキン食わないっけ」
また入店音と共に店内に戻った浦島は棚から野菜スティックを取ってきてレジに通すとなけなしの278円を入金してまた外にでてきた。
「ガシャン…ガシャン…」と音立てるかめを垂直に持ち上げると自分の横にかめをおいて、野菜スティックを設置し、彼もチキンを食べ始めた。
それを見て、かめもシャクシャクと音を立てて食事を始めた。
甲羅の紙をつまんで浦島は「家出…?笑」と尋ねた。
かめは喋らないのでなにも答えなかった。
「かめに家出できるなら俺にもできんのかな」
「できんじゃないかな」とかめは言わなかった。
夜の静けさに2人の咀嚼音が響いた。
かめが食べ終わると浦島はかめをまた持ち上げ、コンクリートの歩道の上にかめを返した。
かめは振り返ることなくずんずん歩いた。
かめの冒険はこの甲羅で示すのだ。
「バイトやめよ」と浦島は伸びをして店内へ消えた。
浦島は後日、大きなリュックサックを買ったらしい。
つづく