【令和7年最新データ】転職で給料は増える?経験談と国の統計から見る「年収の伸びしろ」とデータ分析
はじめに:今の給料、本当に自分の相場通りですか?
「今の自分の給料って、世間の相場と比べてどうなんだろう?」
「転職したら、本当に年収は上がるのだろうか?」
キャリアの節目で「転職」を考えたとき、誰もが一番気になるのが「お金(収入)」の話ですよね。ネット上には「転職で年収100万円アップ!」といった華やかな成功談が溢れていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、まず私自身のリアルな転職体験談をお話しした上で、厚生労働省が発表した最新データ「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに、年齢・学歴・業界・地域ごとに「転職で収入がどう変わるのか」の客観的なデータ分析をお伝えします。
【筆者コラム】転職してみて。
データ分析に入る前に、少しだけ私自身の話をさせてください。
実は私自身も、異業界・異職種からの転職経験者です。
転職した結果、年収は120万円ほどアップしました(その分、しっかり残業も増えましたが笑)
実体験を通して痛感したのは、「どの業界に身を置くかで、年収のベースラインは本当に変わる」ということです。
個人のスキルや努力はもちろん大切ですが、業界選びの重要性を身をもって知りました。
実は転職活動中、働き方の自由度が高い「IT業界」への転職も本気で考えたんです。
今後のデジタル化は止まりませんし、魅力的に見えますよね。
でも、探してみると「未経験OK」で「大企業」、しかも「地方勤務」という条件に当てはまる求人が見つからなかったんです……。未経験からITに飛び込む場合、どうしても都市部や規模の小さな企業からスタートするケースが多いという現実の壁にぶつかりました。
というのも、私自身は「生活のしやすさは圧倒的に地方のほうが上だな」と感じているからです。都心は給料が高い反面、激しい満員電車や家賃・物価の高さを考えると、住むなら断然地方がいい。
だからこそ、IT系の仕事で「都心の大企業水準の給料」をもらいながら「地方でフルリモートで暮らす」というスタイルを実現できている人を見ると、心底「羨ましい限りだなあ」と思います。
ちなみに、今回のデータにも出てくる「大企業と中小企業の給与格差」についても個人的に思うことがあります。もし新卒で入れるチャンスがあるなら、大企業に入っておくほうが有利な気がしています。中途採用だと「中小企業から大企業」への転職は、書類選考などのフィルターで弾かれやすい印象があるからです。なんとなくですが。
もちろん「中小企業のほうが若いうちから幅広い業務を経験できて、成長スピードが速いのでは?」という見方もありますよね(私自身は中小企業での勤務経験がないので、あくまで推測ですが…!)。
いろいろとお話ししてきましたが、転職の目的は人それぞれです。 少しでも年収を伸ばしたいなら「高収入が狙える業界」を選ぶのも一つの手ですし、給料よりも「ワークライフバランス」を最優先にするのも素晴らしい選択だと思います。
「幸せ=お金の多さ」だけではないことは、きっと誰もが分かっているはず。それでも、自分のキャリアや働き方について、私自身も含めて今一度イチから考えてみるのも悪くないのではないでしょうか。
自分の今の立ち位置と「年収の天井」を知る重要性
私個人の感覚や体験談をお伝えしましたが、ここからは感覚値ではなく「客観的な国の統計データ」を見ていきましょう。
給料が上がるか・上がらないかの原因は人それぞれですが、個人の能力や成果だけでなく、所属している業界や企業の給料体系(テーブル)が影響している場合もあります。
自分がいまいる業界・企業の平均賃金は全国でどの位置にあるのか?
年齢・学歴ごとの「給料の伸びしろ(ピーク)」はどこにあるのか?
どんな「条件(業界・規模・役職・地域)」で給料に格差が生じているのか?
ここからは、厚生労働省の最新データ(令和元年〜令和7年の推移)をもとに、業界・企業規模・役職・地域別の賃金データを整理してまとめました。「現実的なデータ分析結果」として参考にしてみてください。
本記事末尾に、業界別賃金とその推移(3年)を乗せて置きましたのでご参考までに。
1. 【業界・企業規模】「どこに身を置くか」で月給が16.6万円変わる
「本人の努力以上に、どの業界・会社規模にいるかで年収が決まる」というのは、統計データが顕著に示している現実です。
業界による圧倒的な金額差
最も平均月給が高い業界と低い業界では、月額で約16.6万円(年換算で200万円以上)の開きがあります。
高賃金業界(トップクラス)
電気・ガス・熱供給・水道業:444.0千円
学術研究,専門・技術サービス業:440.3千円
情報通信業(IT系):高水準を維持
低賃金業界(ボトムクラス)
宿泊業,飲食サービス業:277.2千円
同じ事務職やエンジニア、営業職などのスキルを持っていても、利益率や付加価値が高い業界に「軸ずらし転職」をするだけで、ベースの給与が一気にアップする可能性があります。
企業規模による格差の再拡大
令和7年のデータでは、大企業の賃金伸び率(前年比+5.7%)が非常に高く、規模間格差が広がっています。
大企業(1,000人以上): 385.1千円(100.0)
中企業(100〜999人): 326.2千円(84.7)
小企業(10〜99人): 305.6千円(79.4)
大企業と小企業では月給で約8万円(年間100万円相当)の差が生じており、手厚い賞与や手当を考慮すると年収差はさらに広がります。
2. 日本の平均月給は「約34.1万円」へ。賃金は本格的な上昇トレンドに!
最新のデータ(令和7年)によると、日本の働く人(一般労働者)の平均月給は340.6千円(約34.1万円)となっています。
※本記事で扱う「賃金」は、基本給に近い「所定内給与額(月給)」(残業代やボーナスを除く、税引前の決まった給与)を指します。
過去の推移を見ると、令和元年から3年ごろまでは横ばいが続いていましたが、令和4年頃から上昇が加速し、令和6年(前年比+3.8%)、令和7年(前年比+3.1%)と、日本全体の賃金水準は明確な上昇局面に入っています。
男性平均: 373.4千円(約37.3万円)
女性平均: 285.9千円(約28.6万円)
男女間格差: 男性=100に対して女性は76.6(令和元年の74.3から着実に改善)
「世の中全体の給与ベースが底上げされている時期」だからこそ、適切な場所へ転職することで、その波に乗って年収を引き上げやすい環境が整ってきています。
3. 【年齢×学歴】年収のピークと「給料の伸びしろ」
転職を考える上で理解しておきたいのが、年齢とともに給与がどう伸びるかを示す「賃金カーブ」です。
ピークの年齢と金額
男性のピーク: 55〜59歳で 445.6千円(約44.6万円)(20代前半の約1.8倍)
女性のピーク: 45〜49歳・55〜59歳で 305.7千円(約30.6万円)(20代前半の約1.3倍)
男性は勤続年数や役職昇進に伴って給与が伸びやすい一方、女性はカーブが比較的緩やかであるという構造的特徴があります。
学歴で広がる「伸びしろ」の差
20代前半のスタートラインでは学歴による差は大きくありませんが、年齢を重ねるにつれて学歴別の給与差が広がります。
高校卒: 平均297.2千円(ピーク:50〜54歳・371.7千円)
専門学校卒: 平均313.7千円
高専・短大卒: 平均321.2千円
大学卒: 平均396.3千円
大学院卒: 平均517.4千円(ピーク:55〜59歳・691.9千円 ※男性)
注目すべきは、高校卒の賃金伸び率(前年比+2.9%)が現場の人手不足を背景に底上げされている点です。しかし、中長期的な給与の「上限(天井)」という観点では、やはり高学歴層・専門性の高い層ほど高くなる傾向が維持されています。
【筆者の思うところ】データには表れない「学歴による差」の正体
統計データを見ると学歴によって給与に開きがありますが、新卒入社時のスタートラインでは、学歴による基本給の差は確かに存在します。
私自身が大学生の頃も、「学部卒と院卒では生涯年収が5,000万円違う」なんて噂を聞いた記憶があります。
私は学部卒で就職しましたが、実際に社会に出てみて感じるのは、収入に差が生まれる理由は大きく2つあるということです。
1つ目は、「企業が設定している学歴ごとの給与体系(テーブル)」。
2つ目は、**「個人の仕事上の能力(成果)」**です。
そして個人的には、後者の**「個人の能力」のほうが、結果的に生涯年収へ大きな影響を与えるのではないか**と感じています。
私の経験上、学部卒の方と比べて、大学院を修了された方のほうが「論理的な思考力」や「問題解決のプロセス」に長けている方が多い印象があります。(もちろん、学部卒でも優秀な人はたくさんいますし、院卒だからといって全員がそうとは言い切れませんが…!)
大学院で過ごす2年間が個人の成長にどれほど大きな影響を与えているのか、学部卒の私には知る由もありません。
ただ言えるのは、「院卒」という肩書きそのものよりも、その期間にどんな経験を積み、どう思考を深めてきたかという「過ごし方」こそが、その後のキャリアに大きく影響するのではないかということです。
4. 【役職・地域】収入を引き上げる「2つの強力なレバー」
年収を劇的に変える要素として、「役職」と「勤務地域」の選択が挙げられます。
役職別の賃金ピラミッド:部長級は非役職者の「2倍以上」
部長級: 635.8千円(約63.6万円)[非役職者比 204.8%]
課長級: 529.2千円(約52.9万円)[非役職者比 170.4%]
係長級: 399.2千円(約39.9万円)[非役職者比 128.6%]
非役職者: 310.5千円(約31.1万円)[100.0%]
マネジメント層へ昇進することが、いかにインパクトのある年収アップにつながるかが分かります。現職でポストが空いていない場合、「係長や課長クラス候補」として他社へ転職することが近道になります。
地域の壁:全国平均を超えるのは「たったの4都府県」
全国平均(340.6千円)を超える地域は、極めて限られています。
東京都: 418.3千円(全国平均より約7.7万円高い)
神奈川県: 368.6千円
大阪府: 348.9千円
愛知県: 341.6千円
地方と東京都の間には月給で数万〜十数万円の差が存在します。筆者のコラムでも触れましたが、最近では「地方に暮らしながら、東京の企業でフルリモート勤務する」といった働き方も増えており、地域の格差を有利に活用する転職戦略も非常に有効です。
5. 統計データから見えた「転職で収入を伸ばす3つのポイント」
最新データが明かす現実を踏まえると、転職で年収を伸ばすためのアクションは以下の3点に集約されます。
① 「高賃金業界(IT、専門サービス、インフラ等)」へ職種スキルを持ち込む
職種を変えずに、業界全体の平均賃金が高い領域へ「スライド転職」する。これが最もリスクが少なく、年収ベースを上げる可能性が高いパターンです。
② 「大企業」または「役職ポスト」を狙う
大企業の賃金上昇率(+5.7%)が著しい今、より大規模な企業へチャレンジするか、中堅企業であっても「課長・係長候補」などの役職付きで転職を狙うのが効果的です。
③ リモートワークを活用して「都市部相場の企業」で働く
勤務地の制限を解除し、東京都など高水準な賃金テーブルを持つ企業の案件に応募することで、地域格差による年収の伸び悩みから脱却できます。
おわりに
転職は単に「働く場所を変える」だけでなく、自分の市場価値を正しく理解し、「より給料テーブルが高い場所(業界・企業規模・役職・地域)」へ自分を再配置する選択肢の一つです。
冒頭でお話しした通り、「幸せはお金だけではない」ですが、自分や家族を守り、納得のいくキャリアを歩むための「判断材料」として、お金や相場のデータを知っておくことは間違いなくプラスになります。
まずは国の最新統計データをひとつのベンチマークとして、自分の今の給料が「市場相場と比べてどうなのか」を客観的に見つめ直すことから始めてみませんか?
付録
賃金構造基本統計調査における**業界別(主要産業別)の給料(月額所定内給与額および短時間労働者の1時間当たり賃金)**の比較データをまとめました。
1. 一般労働者の業界別賃金推移(男女計・月額所定内給与額
)
直近の令和7年調査から令和4年調査までの主要業界における平均賃金(千円)の推移は以下の通りです。

データ出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
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