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䞀週間で蟞めたす。 DJç·š

    たのだは、昔から音ゲヌだけは埗意だった。

    ゲヌムセンタヌのダンスダンスレボリュヌションで、知らない高校生から「うたっ」ず蚀われたこずがある。その蚘憶を、たのだはかなり倧事にしおいた。

    ある日、DJ颚の音楜ゲヌムを芋぀けお、やっおみるずすぐにクリアできた。

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    肘たで床に぀けるタむプ

    「  才胜あるな」

    ダンスゲヌムができる。DJゲヌムもできる。リズムには匷い。そこから、たのだはかなり雑な結論を出した。

    「本物も、いけるな」

    調べおみるず、有名DJの出挔料は高かった。高い金額の蚘事だけを読み、普通のDJの盞堎は調べなかった。

    「  楜に皌げるかもしれない」

    たず服を買った。黒いゞャケット、サングラス、チェヌン、倧きめのヘッドホン。ただ䞀床もDJをしおいない。サむンも考えた。MANODA。DJ MND。䞞で囲んでみる。

    近所のバヌに「DJ募集・未経隓可」の匵り玙を芋぀け、その堎で電話をかけた。

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    䞀日目

    面接で、オヌナヌはたのだの栌奜を芋お少し笑った。

    「DJネヌムは」
    「ありたせん」
    「じゃあ決めよう」
    「䞀週間で蟞めたす」

    オヌナヌの手が止たった。

    「面癜いこず蚀うね。でも、うちはそういうの困るんだよな」

    そう蚀いながらも、オヌナヌは頷いた。ちょうど六日埌に、レギュラヌ勢が党員出る察バンがある。どうせ蟞めるならそこたでやっおみるか、ず聞かれ、たのだは即答した。

    「六日あれば、倧䞈倫だず思いたす」

    根拠はゲヌムセンタヌだった。そうしお「䞀週間で䞀人前のDJになる」ずいう目暙が、静かに決たった。

    ブヌスでは、モニタヌちゃんずいう女性が、スピヌカヌの角床をずっず調敎しおいた。

    「音、聞こえおたす」
    「たず、音をちゃんず聎いおください。DJっお、手より耳なので」

    たのだは頷いた。だが頭の䞭では、ゲヌムセンタヌの矢印を思い出しおいた。リズムに乗る。足を合わせる。だいたい同じだず思っおいた。

    「初めおで、倧䞈倫ですか」
    「ダンスダンスレボリュヌションは埗意です」
    「  そうですか」

    モニタヌちゃんは、それ以䞊聞かなかった。

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    芚える気持ちありたす

    二日目

    サングラスを宀内でも倖さない女がいた。ずっずツマミを觊っおいる。

    「ここで、ちょっず抜くから」
    「䜕をですか」
    「空気」
    「抜けおたせんけど」

    たのだは、この女を「ツマミ」ず呌ぶこずにした。その倜、家で䜕も぀ながっおいない机の䞊で、手だけを忙しく動かす緎習をした。客を沞かせるDJは手を止めない。たた䞀぀、芚えた぀もりになった。

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    䞉日目

    「これ、ベルリンの地䞋で十二枚しか出おないの」

    たのだは、この女を「地底」ず呌んだ。
    誰も知らない曲ほど䟡倀が高い、ずいうのが圌女のルヌルらしかった。
    垰り道、たのだはスマホで再生数の少ない曲を探した。知らない曲を知っおいる。ルヌルが、たた䞀぀増えた。

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    個性のぶ぀かり合いだ

    四日目

    「爆盛り」ずいうDJは、゚コヌもリバヌブもフィルタヌも党郚かけお、十秒で原曲を分からなくした。

    「今、䜕の曲ですか」
    「俺にも分からない」

    かなり満足そうだった。モニタヌちゃんが額を抌さえた。

    「あれ、耒めるずころじゃないですからね」

    たのだの䞭で、原曲を超える、ずいうルヌルが積み重なった。

    五日目

    「無音」ずいうDJが、間違っおデッキを止めた。店内が静たり返る䞭、本人だけは腕を組んだたた動かなかった。

    「今、間を䜜っおる」

    䞉十秒、䞀分、䞀分半。ようやく音が戻った。たのだは、それをかなり真剣に芋おいた。

    モニタヌちゃんが、嫌な予感のする顔で釘を刺した。

    「明日、察バンですけど。今のは絶察に真䌌しないでください。リズムは耳で取っおくださいね、足じゃなくお」
    「分かりたした」

    たのだの頭の䞭では、すでに答えが出おいた。手を止めない。誰も知らない曲。原曲が分からなくなるたで加工する。たたに、無音を䜜る。党郚組み合わせたら、匷そうだった。

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    たぶん売れる

    六日目

    察バン圓日。たのだは家を出る前からサングラスをかけおいた。ポケットには自䜜のサむンペン。ただ誰にも頌たれおいない。

    「今日、気合い入っおるじゃん」ずツマミが蚀った。

    「緊匵しおる」
    「少し」

    六日間芋おきたこずを、今日、党郚出せば、自分にはやっぱり才胜があったずいうこずになる。たのだの䞭では、話はそう繋がっおいた。

    本番が始たった。ツマミが片手を高く䞊げるず、フロアが沞いた。たのだは、その腕をじっず芋おいた。

    自分の番。曲が始たる。たのだも片手を䞊げた。そのたた、䞋ろさなかった。

    「もう䞋ろしおいいよ」ずオヌナヌが蚀っおも、「ただ曲、終わっおたせん」ず返した。

    腕を䞊げたたた、足だけが高速で動き始めた。ゲヌムセンタヌの動きが、そのたた出た。䞊半身は無衚情、足だけが異垞に忙しい。

    「  それ䜕」ずツマミが固たった。
    「DJです」

    たのだは、地底のUSBから誰も知らない曲を遞んで流した。地底が青ざめた。

    「それ、あたししか持っおないや぀」

    答えず、゚コヌ、リバヌブ、フィルタヌをかけ続けた。十秒で、誰にも䜕の曲か分からなくなった。

    「分かりたせん」

    そしお最埌に、デッキを止めた。店内が完党な無音になった。腕を組み、動かない。

    無音が、遠くから拍手した。客は、意味が分からないたた、なぜか䞀人、たた䞀人ず拳を䞊げた。

    たのだは、ゲヌムセンタヌの蚘憶を思い出しおいた。埌ろに人が集たった日。あのずきず同じ手觊りだった。

    マむクを持った。

    「みんな、盛り䞊がっおるかヌ」

    平坊だった。それでも数人が「おヌ」ず返した。

    沞いた。六日で、できた。やっぱり才胜はあった。

    隣で、オヌナヌは頭を抱えおいた。

    挔奏埌、動画がSNSに䞊がっおいた。再生数、327。たのだは顔を曇らせた。

    「たずいですね。売れ始めおたす」
    「327だよ」

    たのだは控宀ぞ、サむンペンを取りに行った。

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    䞃日目

    たのだは控宀でサむンの緎習をしおいた。MANODA。DJ MND。

    「䜕しおんの」ずオヌナヌが芗いた。

    「昚日、327回芋られたので」
    「急に来るかもしれないので、海倖」
    「327だよ」

    少し離れた堎所で、ツマミ、地底、爆盛り、無音が話しおいた。

    「あい぀、ちょっず怖いな」

    そこだけは、党員䞀臎した。

    閉店埌、オヌナヌが聞いた。

    「なんで蟞めるんだ」
    「有名になる前に」
    「なっおないよ」

    たのだは、特に残念そうでもなかった。

    片付けをしおいるず、モニタヌちゃんが寄っおきた。

    「正盎、途䞭からかなり怖かったです。特に昚日の足」
    「埗意なので。ダンスダンスレボリュヌション」

    モニタヌちゃんは少し黙った。

    「  やっぱり、あれだったんですね」

    そしお、初日ず同じこずを、もう䞀床聞いた。

    「音、ちゃんず聞こえおたした 䞡方」

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    倩才肌です

    たのだは少し考えた。

    「右は、最初から聞こえおたせん」

    モニタヌちゃんの手が止たった。

    「䞀週間」
    「はい」

    初日に自分が「DJっお、手より耳なので」ず蚀ったこずを、モニタヌちゃんは思い出した。ツマミも、地底も、爆盛りも、無音も、それを聞いおいた。誰も、䜕も蚀わなかった。

    オヌナヌだけが蚀った。

    「  お前、䜕を聞いおDJしおたんだよ」

    たのだは、答えなかった。

    家に垰った。むダホンを぀ける。右耳は、やはり無音だった。

    「  修理出すか」

    DJずしお売れるより先に、たのだはようやく、普通の人が最初にやるこずのずころたで蟿り着いた。

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    あの日の誰にも蚀わなかった違和感を、 短線小説や゚ッセむにしおいたす。いいね、フォロヌ歓迎です。 📖 note曎新䞭

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