
Episode 4 ― 古文書の迷路と裏切りの微笑
銃声が地下室に響き渡った。
一瞬、全員の時間が止まったように感じた。

「イヴァン!!」
アキラが叫ぶ。
イヴァンはかろうじて身をかわしていたが、肩をかすった弾丸で血が滲んでいた。
「くそっ……!」
ケンタがタクヤを後ろに引き寄せ、壁の陰に身を潜める。
「秩序の番人」と名乗る男は、冷たい笑みを浮かべたまま近づいてくる。
「君たちはここで引き返すべきだった。
禁断のレシピは、この世界に二度と姿を現してはならないものだ」
「ふざけるな!」
アキラが叫ぶ。
「僕たちは、佐伯さんの意志を継いでここまで来たんだ。真実を、この目で確かめる!」
男は銃口を向け直し、静かに引き金に指をかけた。
そのとき――。
「待て」
地下室の奥から、もう一人の影が現れた。
「……誰だ?」
ケンタが息を呑む。
現れたのは、漆黒のスーツを纏った中年の男だった。
その顔を見た瞬間、イヴァンの表情が凍りつく。
「父さん……」
「えっ!?」
全員が驚きの声を上げる。
「イヴァン、なぜここにいる」
「それはこっちの台詞だ、父さん!
あなたはずっと、祖父の研究を否定してきたじゃないか!」
中年男――イヴァンの父は、深い溜め息をつく。
「私は秩序の番人の一員だ。お前をこれ以上、危険に巻き込むわけにはいかない。今すぐ帰れ、イヴァン」
「いやだ!
僕は真実を知りたいんだ!祖父が命をかけたものを!」
アキラは緊張の中で、静かに前に出た。
「イヴァンさん……僕らはあなたと一緒に進む。
たとえ、どんな敵が立ちはだかろうとも」
ケンタとタクヤもうなずく。
「……覚悟はできているようだな」
イヴァンの父は、ゆっくりと手を掲げ、番人の男に銃を下ろすよう命じた。
「次の扉を開けろ、イヴァン。お前が何を選ぶのか、見届けよう」
緊張が一気に解け、地下室の奥の扉に注目が集まる。
「……行こう」
イヴァンは震える手で古びた鍵を取り出し、扉に差し込んだ。
ギィィィ……。
扉の奥には、封印された古文書と、一冊の革張りのノートがあった。
「これが……禁断のレシピ……?」
アキラがそっと手を伸ばす。
しかし、その瞬間――。
「触れるな!!」
再び銃声が轟き、ノートのすぐ脇の石壁が砕けた。
「ここからが本番だ。
禁断のレシピを手にできるのは、この秩序を超えた者のみ」
イヴァンの父が冷たく告げた。
アキラたちの最終決戦が、幕を開ける――。
――次回へ続く。
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次回予告
ついに姿を現した「禁断のレシピ」。
それを巡る親子の対立、そして秩序の番人との全面対決。
勝つのは正義か、秩序か、それとも――。
次回、Episode 5―錬金術師の塔と封印された部屋』
選べ、未来を。
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