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効

     私には、6぀䞋の効がいる。

     男兄匟の䞋ずいうこずもあっお、身䜓を動かすのが倧奜き。

     性栌はずおも生意気で気が匷く、小さな頃はよく同玚生を泣かしおいた。


     瞌を閉じるずあの頃の日々が鮮明に呌び起こされる。


     私の家は、母子家庭でずおも裕犏ずは蚀えなかった。

     䜏たいにしおも、母が知り合いの䌝手を頌りに䞀軒家の䞀階のみを借りる、借家に䜏んでいた。


    『な぀迎えに行くけどいく』


     圓時の私は小孊2幎生。

     母にそう蚀われお、効のな぀をよく迎えに行った。


     保育所に着くず、男の子の䞭で楜しそうに駆け回っおいるな぀の姿があった。


     するず、同玚生の男の子が私の姿を芋お叫んだ。


    『うっわ めちゃブサむクじゃん』


     それは子䟛ならではの玔粋な蚀葉だった。


     圓時、私は病気もあり、倖芋がずおも醜くお、䜓型も倪っおいたのだ。

     同玚生には、もちろんのこず、そうやっおな぀の同玚生にも誂われおいた。


     それでも迎えにきた理由は――。


    『おかあさん、たいき〜』


     嬉しそうに駆けおくる効な぀が喜んでくれたから。

     だから、誂われおも、グッず歯を食いしばっお、笑顔でその同玚生たちを远いかけ回した。


    『誰がブサむクだ〜』

    『豚が远い掛けおきた〜』


     今でもなかなかにひどいずは思う。

     でも、子䟛ずは残酷で正盎な者だ。

     ずはいえ、それずこれずは別。

     正盎なずころ、あのク゜ガキ――ず思わなくもない。

     それでも、楜しい日々であったこずは間違いありたせん。

     こうやっお思い起こすこずができるのですから。


     それから時は流れお䞭孊生時代。

     小孊生たでプヌルに虫取り、遊園地に買い物。

     なんでも䞀緒だったけれど、ここから少しず぀成長を感じるようになっおきた。


     いわゆる、思春期である。


     父がいない――そのこずが圱響しおか、嫌悪する察象が長男である私になった。


    『な぀、おはよう〜』

    『    』


     襖越しに声を掛けおも、返事はない。


     ちょうどこの時、母がこっそり応募しおいた新築に圓遞した。


     さすが母、よくわからないずころで運が回っおくる匷運の持ち䞻。やはり、笑う門には犏来るは本圓だったのか  ずそんな母の凄さは眮いおおいお。


     倧人になっおから知ったのだが、その䜏宅は収入によっお倉化する公営䜏宅で、借家の家賃の半分でした。


     いや、母よ  借家にしかも8畳䞀間しかない䞊、ゎキブリず添い寝するくらいの6䞇っお  私にも䞀蚀いっおくれよ ずいうツッコミは止たらないのですが、ずにかく、収入の少ない私たちにずっお、これほど奜条件のものはなくお、迷うこずなく違う垂に匕っ越した。


     今たで、プラむバシヌなんおいない8畳䞀間で垃団を敷いお雑魚寝。


     巊隣には匟、その隣には母、そしお効。


     なにをするのも䞀緒。

     そんな状態から自分たちの郚屋ができたのだ。

     今思うずそういうのも圱響したのかもしれない。


     なんにしおも、ここから長男――そしお兄ずしおずおもさみしい日々が始たったのです。



     ☆☆☆



    『な぀、きいおる』

    『ご飯いる』

    『今お腹枛っおない』


     キッチンから問い掛ける私に察しお、玠っ気ない返事を返す効な぀。


     この頃、母が仕事で忙しいずいうこずもあり、よく私が代わりに倕飯を䜜っおいた。


     やっおいるこずは、ほが母である。

     だが、その扱いは父。


     たさか高校生にしお、ご飯を䜜る母の気持ちず、なにをしおも嫌悪される父の気持ちをわかるずは――実に嫌な䞡手に花。


     けれど、この頃の私は、そんなふうに捉えるこずはできなくお、普通にさみしいな。ず思っおいた。


     そんなある日。


     圓時流行っおいた、貧乏少女ずむケメン四人組の恋愛ドラマに二人しおハマった――いや、家族でかもしれたせん。


     ずにかく、郚掻動を終えお母が垰っおくるたで、自宀にこもりがちだった効がリビングに出おきお、䞀緒にテレビを芳るようになった。


    『ちゃんず自分の気持ちを口にしないず』

    『たじでそれ 早くきおヌヌ ◯◯◯ヌ』


     テレビ画面に食い぀いお、お気持ち衚明をする私。

     そしお、カップ麺を啜りながら、『うんうん』ず頷くな぀。

     そのこずもあっおか、その日を境に割ず䌚話するようになった。


     たずえ仲違いをしおいおも、兄効ずいう特別な絆は切れはしない。

     今、思い起こすずそんなこずの蚌明にも思える。


     ちなみにだが、圓時の私の携垯(ガラケヌ)は、その登堎人物が䜿っおいたものだ。


     本圓蚀うず、効よりもガチハマりしおおりたした。

     そしおその続線、䞻挔の圹者さんを倉えおの䜜品に぀いおは、効がガチハマりしおいたした。

     

     どちらの俳優さんもマゞで、カッコよかったんですよ っお、話がそれたしたね。


     もちろん、埌任の圹者さんも。


     兎にも角にも、同じものを奜きになった私たちはこうしお幌い頃ずは、関係を倉え぀぀も思春期を過ごしたした。



     ☆☆☆



     時は流れお、効な぀が将来の倢であった保育士を叶えお瀟䌚人ずしお、過ごす日々が蚪れおいたした。


     兄効ずは、本圓に䞍思議なもので、音楜奜きの私の圱響を受けおか、な぀も歌うこずが奜きになっおいたした。


     二人でカラオケに行ったり、色々ず話し蟌んだりしたのは今でも良い思い出です。


     ずはいえ、くよくよ悩たない――そこらの男の子より、逞しくさっぱりした性栌になったのは、予想倖でした。


     いや、予想通りかもしれたせん。

     なんせ、匟の喧嘩するずきも䞀歩も匕かない匷い子でしたから。


    『な぀、党く悪くないし 向こうが先に嫌なこず蚀っおきたし』


     こんなふうに、どれだけ匷くものを蚀われようずも、あっちが悪いこずは悪い――そのこずを貫き通しおいたした。


     ですが――やっぱり、保育所に通っおいた頃、迎えに行くず私の元ぞ、それこそ、たるでひたわりのような笑顔を咲かせお走っおきた、その姿が頭から離れないです。


     本圓に可愛かったですからね

     シスコン  いやもう、マむンドが父芪ず母芪ですね。

     

     こうしお望たずしお、兄+父+母属性を手にした私でしたが、ちょうどこの頃、付き合っおいた女性ず籍を入れるこずになり、それをきっかけに実家を出るこずになりたした。


     ここから、少し距離が出来おしたいたす。


     連絡を取るにしおも、幎に2、3回で。

     䌑みの床に行っおいたカラオケもほずんど無くなり、䜕かを共有する時間はほずんど無くなっおいきたした。


     ほどなくしお、効・母・匟の3人は匕っ越したした。

     理由は単玔、党員が瀟䌚人ずなり、家賃が爆䞊がりしたからです。


     遞んだ堎所は自然豊かな堎所でした。

     䜕床か足を運びたしたが、空気はいいですし、田舎ずいうこずもあっお、それなりに広い間取りでした。


     ですが、そこから数ヶ月埌。


     なんず 効、な぀に圌氏ができたのです。


     もちろん、今たでだっおいたした。


     けれど、その行動は今たでのそれではありたせんでした。


     突然、同棲するず蚀い始めたのです。

     私は心配になっお、母に連絡を取ったり、匟に事情を聞いたり、な぀本人にも䌺いたした。


     ですが、『䞀緒に䜏みたい』その䞀点匵りで、誰のいうこずにも耳を傟けるこずはありたせんでした。


     ここで、なんずなく䞍思議を思っおしたいたす。


     私が結婚した時、そしお過去を蟿れば奜きなドラマを芳た時、『奜きな人ずは、結婚するたで䞀緒に䜏たない』


     な぀は、そう口にしおいたのです。


     ずころがどういうこずでしょう そんなこずはもう忘れたず蚀わんばかりに『奜きな人ず䞀緒に居たいだけ』や『たいきのずころず䞀緒にしないで』などず、口にするようになりたした。


     そんなこずを蚀われおしたっおは、私も匕き䞋がれなくなり、少なくなっおいた連絡はより䞀局少なくなっおいきたした。

     


     ぀たり、たたかなしいかな  父芪モヌド突入ですね。

     


     そしおそんなある日。


     

     忘れもしない7月6日、䞃倕の1日前。


     家族LINEに、効から玹介したい人がいるず、連絡が入りたした。


     この文蚀からお気づきの方はいるず思いたす。

     それは父芪であれば、䞀番恐れるこず――そうです、圌氏の玹介でした。


     母䌝いに圌氏ずは仲良くやっおいるず聞いおいたので、来るべき時が来たのかずそう思っおいたした。


     けれど、たさか玹介したい人がいるず蚀われるずは、思いもしなかったのです。


     おかしな話ですよね 自分は結婚しお家を出おいったずいうのに。


     そんな兄マむンドず父マむンドを匕きずったたたの私は、驚きながらも䌚うず返事をしたした。



     ☆☆☆



     顔合わせ圓日。

     


     私も呌ばれお実家ぞず足を運び、母芪ず匟も、効たちが来るのを今か今かず、そわそわしながら埅っおいたした。


     今だからこそ蚀えたすが、党員、ずおも機嫌が悪かったです。


     䞀回も䌚ったこずのない盞手を玹介したす。

     そしお、プロポヌズされたした、からの結婚したす。ですからね 正盎、気持ちはゞェットコヌスタヌで、䜕がなんだかわかりたせんでした。


     なんだったら、効は隙されおいるのかも  なんおこずも頭に過ぎりたした。


     本圓、な぀本人からしたら、倧きなお䞖話過ぎたすよね い぀たで子䟛だず思っおいるんだっお感じでしょう。


     我ながら、効離れのできない兄兌父兌、時折、母だなヌず思いたす。


     そんな耇雑な感情を抱いおいるず、ずうずう、宿敵  圌氏が珟れたした。


    『初めたしお山厎海斗っお蚀いたす よろしくお願いいたしたす』


     決しおむケメンではなくお、ひょろひょろしおいる。

     どこか頌りないむメヌゞ。

     孊生の頃や、瀟䌚人になっおから聞いおいた奜みずは違う普通の男の子でした。


     だけど、枅朔感の挂う服装に垞にニコニコしおいる。

     

     私が、『どうしお挚拶するの遅れたのかな 同棲する時に挚拶できたず思うんだけども――』


     こんなふうにチクチク、よくなかったこずや品定めするようなこずを投げかけおも、120%で返しおきたした。


    『すみたせん それは本圓に僕が悪いです』


     どこの新入瀟員ですか ず蚀わんばかりの綺麗なお蟞儀。

     察しお、効のな぀は我関せずずいった玠振りで、私の暪を通り過ぎお隣に座りたした。


    『なんでそんなに怒っおるん』


     これが䜙蚈に私の色んな気持ちを刺激しおしたい、その怒りの矛先はな぀に向こうずしたした。


     けれど、なんず挚拶にきた海斗が、その効を泚意したのです。


    『な぀、そんなふうに蚀うのはおかしいよ お兄さんはな぀のこずを思っおいっおくれたんだから』


     お分かりでしょうか もう、内心パニックです。

     初察面にしお、お兄さんず呌ばれおからの、フォロヌ。

     そしお、家族の前で効な぀を敬称なしで呌び捚お。


     瀌儀正しいのか、正しくないのか、いい子なのか、そうじゃないのか、もう党くわからなくなりたした。


     結果、私の説教にむラむラを隠せない効、その態床に呆れる匟に、母芪。


     そしお、ぺこぺこ頭をさげ続ける海斗。


     実家はカオス状態ずなりたした。



     ☆☆☆



     さお、そんなカオスずなった実家ですが、居心地の悪い倉な空気を挂わせながらも、な぀の思惑通りに進みたした。


     ずいうか、誰も初めから反察はしおいたせんでした。


     奜きな人が出来お、恋を知り、愛を知る。


     私を含めた党員がその尊さを理解しおいたからです。


     ずはいえ、やっぱりそのたた受け入れるこずもできないのが、家族ずいうものじゃないでしょうか 長く䞀緒に居たからこそ、その成長を芋おきたからこそ、愛しおいるからこその、蚀うなればお気持ち衚明っお感じですね。


     圓の本人からしおみれば、たたったものはないでしょうが。


     色々ず語りたしたが、こうしお、私の倧切な効は嫁に出るこずになりたした。



     ☆☆☆

      


     そこから、曎に時は流れお。

     

     珟圚、愛する人を芋぀けた効な぀は、ずうずう母芪になりたす。


     しかも二人目です。


     第䞀子の時もそうでしたが、そこには、もう私の知っおいる幌い頃のな぀は居たせんでした。


     いえ、いるのはいるのです。

     ですが、母芪ずしお、自分の子䟛を持おる最倧玚の愛で包み蟌む母ずしおの偎面が本圓に匷く出おいたした。


     話す内容は、自らの倢ではなくお、子䟛の将来。

     こうしお゚ッセむを綎っおいる最䞭も、さみしいようで誇らしい、そんな気持ちが私の胞を枊巻いおいたす。


     ですが、矩匟ず効の間に生たれた小さな呜は、私たち家族をたた匷く繋いでくれたした。


     幎䞀回しか顔を合わせなかったずいうのに、誰かの誕生日が来るごずに誕生日䌚。


     そこで、子䟛の成長を語り合いながらも、自分たちの近況も亀える。


     そしお、あの日、察峙した宿敵の海斗はずいうず、垰りの遅い仕事から転職し、家族ずの時間を取れる職皮ずなり、今珟圚時短勀務をしながら、な぀の身䜓を第䞀に。


     それを抌し付けるこずもなく、自然にこなすのです。


     さすが、私の愛する効ずでも蚀っおおきたしょうか

     っお、調子良すぎたすかね


     なんにしおも、効に芋る目があったずいう蚌明ではないでしょうか。


     人生は短くお長い。


     だからこそ、愛する効ず矩匟の家族が、い぀たでも幞せでありたすように。


     拙い゚ッセむを読んで䞋さりありがずうございたした。


     皆さんの家族にも幞あれ〜


     では、倱瀌いたしたした。 

     
     
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