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第7話結婚と希望

高校の卒業証書を手にした時、私はようやく長いトンネルを抜けたような気がしていた。
人より少し遠回りした。
いや、かなり遠回りだったかもしれない。
それでも諦めずにここまで来ることができた。
19歳で難病になり、治療と向き合いながら過ごした日々。
不安もあった。
苦しい日もあった。
明日は朝、目が覚めることができるだろうか?

それでも支えてくれる人がいた。
当時付き合っていた彼だった。
彼といると安心できた。
未来の話をすることもできた。
私にはそれが何より嬉しかった。
幼い頃から、私には「帰りたい家」がなかった。
安心できる場所がなかった。
だからこそ、私はずっと憧れていた。
温かい家庭に。
笑い声のある食卓に。
誰かが「おかえり」と言ってくれる毎日に。
そして私は結婚した。
これでようやく幸せになれる。
そう思った。
本気でそう信じていた。
大好きな人と家族になる。
自分の家庭を持つ。
私が子どもの頃から欲しかったものを、ようやく手に入れられる。
そんな希望で胸がいっぱいだった。
やがて子どもにも恵まれた。
初めて我が子を抱いた時のことは今でも覚えている。
小さな命。
守るべき存在。
その温もりを感じながら、私は心の中で誓った。
この子だけは守ろう。
どんなことがあっても。
私が経験したような思いはさせない。
安心できる家庭を作ろう。
愛されていると感じられる場所を作ろう。
母になった私は、初めて生きる意味を見つけたような気がした。
子どもの笑顔を見るだけで幸せだった。
眠れない夜もあった。
大変なこともたくさんあった。
それでも幸せだった。
少なくとも最初は。
これまでの苦しみが報われたような気がしていた。
「やっと普通になれた。」
そう思っていた。
けれど人生は、そう簡単には穏やかになってはくれなかった。
結婚生活が始まってしばらくすると、少しずつ違和感が生まれ始める。
最初は小さなものだった。
でも、その小さな違和感はやがて大きな現実へと変わっていく。
そして私は再び、「家族とは何か」を問い続けることになる。

To be continued…
Next Chapter: The Family I Dreamed Of Began to Crumble
(次回「幸せなはずの家庭に忍び寄る影」)


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