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私だけ、ソフトクリームを食べると妖怪になってた

    ソフトクリームを食べる時の擬音、それは年齢によって異なるのではないかと最近思った。

    子どもから30代前半までは「ペロペロ」。
    30代後半以降からは「ベロベロ」。

    ものすごい偏見なのはわかっている。

    でも、ガラス越しにソフトクリームを食べる自分を見て思ったのだ。コーンの横から溶けて落ちそうになるクリームを、必死に舌を伸ばして舐め回している自分の姿は、もはや妖怪だった。

    きっとこんな姿になってしまうのは、自分だけじゃないはずだ。

    想像してほしい。20代のギャルが彼氏とキャッキャしながらソフトクリームを食べている姿を。

    「ベロベロと舐め回している」
    とは言わないだろう。

    「ペロペロと舐めている」と表現するはずだ。

    人はいつしか、ペロペロが似合わなくなった時、おばさん、おじさんになっていくのだろう。

    少なくとも私はそうだった。
    でも私は抗いたい。
    いつまでも偏見なしにソフトクリームを味わいたい。

    舌を出さずに食べるには、やっぱりスプーンが欲しい。でもソフトクリームには、スプーンが付いてこないことが多い。

    だったら持ち歩く?

    いや、ソフトクリームを食べるかも分からない日のために、毎日スプーンを持ち歩くなんて面倒すぎる。

    私は考えた。
    食べられるスプーンにしたらいいじゃない。
    スプーンの形をしていなくても、すくえればそれはもうスプーンだ。

    代役はクッキーに決めた。
    クッキーなら持ち歩くのも苦じゃない。
    いつでも食べられるし。
    ゴミも残らない。


    さぁ、いざトライ!

    私は意気揚々とソフトクリームを買い、バッグからクッキーを取り出した。

    ……折れてた。
    しかも微妙に持ちづらい形に。

    その日も私は妖怪となってソフトクリームを完食した。

    クッキーの案は悪くなかった。ちゃんと美味しかったし、少しはすくえる。
    でも、すぐ水分を吸ってポロポロになってしまう。何度も使うには向いていない。

    もっと丈夫で、ソフトクリームにも合う食べ物はないだろうか。

     
     

    鳩子

     
     
    中年書店員。本と、マンガとスイーツ大好き。日常の小さな違和感や、更年期な日々を書いています。読んでいただいた方には笑ってほしいなー。 【火曜・土曜20時更新。】

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