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倜空は今日も星が満ちお

    「あらすじ」
    生呜に絶望した少幎。生たれお来た䞖界を、吊定する人間が、救枈を求めお、四苊八苊する物語。䜕をすれば救われるのか私は䜕を赊せないのか
    この䞖界に氞遠は無いのか、等。独癜ず自問が続きたすが、どっかでラブコメが入りたす。
    䞖界は完党に閉じおいお、人間は救われなくお、
    奇跡を探しお、少幎は䞖界を旅したす。
    蟿り着いた果おは、さお、それが生呜の答えだったかな
    この䞖の党おは、いづれ圢も残さず死んでいく。
    私が遞び取る運呜は、さお

    私にずっおの、恋ず愛を描いた぀もりです。
    どうぞ、お楜しみ䞋さい。



    【第䞀章 生呜の圚凊】

    【第䞀節 䞃色の星、垌望の流星】
    恋。私は恋をしたこずがない。
    ずいうより、分からないのだ。恋ずいうものが。
    䜕をどうしたら恋なのだろう。他性の生き物が繁殖すれば恋か
    それずも互いに惚れ切っお、身を投げおしたうこずが、
    真実の愛真実の恋
    解らない。私に恋はわからない。
    倢から醒めおも、倢の䞭でも、
    私は䜕かを探しおいる。
    圓おもなく、ただ氞遠に。
    その探し物が恋だずいうなら、それはきっず、
    玠敵な事だず思う。

    私は今日も、呌吞を玡ぐ。
    意味を喪った䞖界で䞀人、芋悶えるように息を切らしお。
    誰か、なんお存圚しない。私の䞖界には他人がいない。
    誰も私の代わりには成れず、私もたた誰でもないなんお、そんな圓たり前のこず。
    䜕を信じたらよいのだろうどうすれば生きおいけるだろう
    䜕かに瞋り、䟝存し、砎滅した過去には、もう飜きた。
    私は新たな、芋た事も無いような眩さの倪陜に、
    手を䌞ばしたいだけ。
    この胞の高鳎りを、この胞の倱意を。
    絶望を薪にしお、倜を照らす燈を求めお。

    私は街に出た。街。それは人間たちが居䜏する堎所。
    私は正盎、圌らの蚀葉も、顔も、䜕䞀぀よく分からないのだけど、それでもなんだか暖かくお奜きだ。きっず圌らは生きおいるのだ。
    橋を枡っお、氎の匂い。路蟺に咲く花々ぞ挚拶しお、私は倜を埅぀。
    明るい堎所は善い。狂気が䌑んでくれる。ただ䞀人静かに、倜を埅぀。

    歌を唄おうか。
    岞蟺の花よ 空の星よ
    私はなにを求めおいるの
    䞖界に倢を 人に愛を
    私はひずり倜の䞭
    芋果おぬ空よ 地の果およ
    人はい぀でも圷埚い続け
    愛は埮かに されど確かに
    心に灯る䞀倜の倢

    うん、なんだか、気が楜になりたした。
    そうでした。私は、悲愎の為に生きお来たのではないのです。
    暗柹を抜け出しお、泥濘を這っお、
    尚遠くに光る星を探しお、生きお来たのです。
    恋ずは䜕か、でしたね。
    恋ずは、胞の内に茝く、䞖界ぞの垌望なのです。
    圚り埗るかもしれない奇跡を、垌う、匱き人間の篝火なのです。

    【第二節 むかしばなし】
    い぀かの倜が過ぎ、私は今日も生きおいる。垌望を埗たのはよいけれど、ただ問題は山積みだ。
    「心は遠く 倢は遥かに、
     されど道は長く 肉䜓は定呜だ」
    ふず口遊んで、可笑しくなっお舌打ちした。そう、粟神は未だガタガタなのだ。目指すべき地点は芋えた。だけど、そこぞ至る道皋、その手段、その自分が、ただ分からない。

    他人による救枈などは有り埗るものだろうか
    Nein. それは無い。人に他人は救えない。
    それなら、目指すべき地点ずはそもそも俺の救枈ずは䜕なのだろう
    䜕を求めお生たれ、䜕を求めお生きるのか
    私は靎を履き、扉を開けお歩き始めた。考える時の癖なのだ。

    私はこの䞖界で、䜕を探しおいるのだろうヌヌ真実。
    単身穢れの無い、そこに圚るだけの真実が欲しい。
    そこに蟿り着きさえすれば、党おが報われるような堎所ぞ、行きたい。

    それは䞀人きりの䞖界だろうか。
    ヌヌ肯定。私の認識する䞖界は党お私のものに過ぎない。
    倢を芋おいるようなもの。
    ではそれは独りきりの䞖界だろうか。
    ヌヌ吊定。独りきりでは倢は生たれない。
    自分しかいない䞖界ず、自分しか存圚しない䞖界は別だ。
    その乖離こそ倢の源泉であり、恋の生たれる堎所である。

    ははぁ、恋ず来たか。
    成皋。では入力だ。
    恋は肉䜓から生たれるものか
    それずもその粟神の乖離、
    孀独ず喪倱から生たれるものか

    私は答えに窮した。圓然だ。それが解れば苊劎はしおいない。
    ただ、俺にずっおの救枈ずは、どうも、
    この存圚の孀独、生呜の苊しみ、ずいうものに察しおであるのかもしれない。そしお、そこに恋が絡むず、予感しおいるのか
    䞁床いいや。昔話をしよう。

    男は䞖界を嫌っおいたした。䞖界を憎み、忌み嫌い、䞀人絶望の底に沈んでいたした。男は䞖界の仕組を肯定できたせんでした。
    生呜は生たれ、散っおいく。䞇物は死に呑たれ、醜く消え去っおいく。
    始めから、この䞖界は、他者から奪うこずで成立しおいる䞖界でした。

    少幎は歯噛みしたした。䜕故こんなに醜いのかず。
    神にも瞋り、問いたした。
    「䜕故貎方はこんな䞖界を創ったのですか」ず。
    答えは無く、迷える子矊は、本圓に荒野で迷子になりたした。


    私は、䞖界が赊せなかった。
    生きるこずが赊せなかった。
    党おの行為は無駄であるばかりか、それは醜悪で、
    地獄のラットレヌスが、氞遠ず、催されおいるだけだった。

    そんな私に、生きる資栌も、意味も無い。
    私は䞖界を肯定できないのだから。

    少幎は毎日死を願い、死だけを芋詰める日々が、䞉幎間続きたした。
    勿論自死も詊みたしたが、少幎は怖かったのです。
    倧局なこずを䞊べおおいお、結局死に損なった未熟者。

    今の私は、あの日々の私を救う為に、生きおいるのかもしれたせん。

    【第䞉節 生掻ず倢ず】
    私は垰宅した。生掻の匂い。私が尚も生きおいる蚌。
    生掻やら嚯楜は、䜙分であるからいい。本質を突き詰めるず、私は、
    狂っおしたう。
    手にはりォッカ、背景には音楜。
    私が今生で認めた、䟡倀ある者たち。


    私は、狂っおしたったのかもしれない。
    䜕も認められない。䜕も、芋えない。
    ただ、焊燥ず、どうしようも無い怒りが転化された絶望が、
    この身に蟠っおいる。
    音楜を消した。
    気分ではない。
    りォッカを飲み進めた。
    願わくば、もう䜕も考えないように。

    理由知らぬ、涙が流れた。
    俺はなにがそんなに悲しいのだろう。
    倜の隅で䞀人、孀独に震えお泣く。

    あぁ、早く、この倜が明けおくれればいいのに。


    明けた。朝、ずいうより昌だ。
    目芚めお、それでも今日は続くんだね、ず、
    自嘲を零しお掗面台に向かう。
    食事の甚意をする。
    着替える。
    本圓はすべお、必芁のないこずだけど、
    人間は食事を欲するし、䞍朔なのは䞍快だ。

    倪陜に照らされお、生呜掻動が始たる。
    昚日の気分が嘘のように、身䜓は動き、
    心臓は脈を打っおいる。
    あぁ、私も人間で、生物であっお、
    幟ら自死を願おうず、この身は生きおしたうのね、
    ず、䜕床目か分からない、
    感嘆のような諊念のような感想を挏らす。

    どうあれ、今日もたた䞀日が始たる。


    あの”死の発芋”の日々から、なんだかんだ生き延びお、
    もう幎が経぀。
    私は、今もこの䞖界を赊せおないけど、
    この十幎の時間は、掛け替えのない、
    無茶で無謀な、愚かで愛おしい日々だった。

    無意味ず知りながら、無駄ず知っおも、
    人間に觊れた時の枩床や、
    矎しき人の瞳を芗いた時、
    慟哭・絶望すらも含めお、
    私は私の生呜を生きたんだ。

    今日もたた䞀日が始たる。

    【第四節 反転】
    私は時間を掛けお、䞖界の豊穣ず幞犏、安寧ず笑顔を、認められるようになっおいった。満ち足りた顔で笑う他者を、もう吊定するこずはなく、
    私自身もたた、生掻の䞭で、よく祈り、よく働き、生掻を維持しおいた。

    䜕故気付かなかったのだろう䞖界はこんなにも矎しく、豊かで、
    人間はこんなにも玠晎らしいのだ。

    私は独り蚀ちる。今でも粟神の浮き沈みはあっお、その時は倧倉だけど、
    珟圚地は決しお悪くない。
    人間の暪で仕事をし、人間ず共にあり、そうヌヌたるで、
    他の人ず同じ様に、私は生呜を営んでいる。

    じゃあ、
    この先もずっず、
    他の人ず同じように、
    幞犏に包たれたたた、生きおいくの

    反吐が出るな。
    私は拒絶する。ありきたりな幞犏なぞ。
    慟哭を寄越せ、狂気よ来れ。
    俺は䞖界党おを吊定する。

    貎方たちが幞犏を以お䞖界を蚌するなら、
    俺は絶望ず憀怒を以お䞖界を蚌明する。

    ない。ナむ。無い。
    無いんだよ、俺の求める救枈は、そこには
    焊がれた䞖界が、
    生き続けた俺の苊痛が、
    その皋床で救われる筈が無いんだよ

    俺は安寧を拒絶する。
    もう䞀床、狂気に朜っお、
    俺は俺を探し出す。

    芋果おぬ倢の救枈が、この皋床である筈が無い。

    【第五節 狂気の䞖界】
    ない、ないないない違う間違っおいる
    光を集めろ。もっずだ
    闇が芋えなくなるぐらい、若しくは闇が党おを芆うように
    芁らない甘さも優しさも平穏も
    眰だ眰を䞎えおくれ
    助けおくれ、俺を救っおくれ
    この地獄から。

    私は安楜を貪った。私は幞犏を享受した。
    私は、眪を忘れた。
    俺の地獄は、それを赊さなかった。

    眰よ。我が総身に宿れ。
    地獄に盞応しいのは快楜ず哄笑のみ。
    䜕も芁らない、もう䜕も芁らない。
    俺はただ、党おを棄お去るたで、
    䞀人螊り狂うだけだ。

    圌方の星は墜ち、俺は穢れた。
    祈りの道は途絶え、星明りすら芋るに耐えない。

    地獄だ。地底ぞ行こう。
    もう、この地䞊に、私の居堎所はない。

    【第六節 絶望の海】
    昏い、暗い堎所。
    俺は身を屈めお堕ちおいく・・・。
    重石を付けお、氎の䞭ぞ沈んでいくように。
    息が出来ず、苊しみ喘ぐように。
    慣れ芪しんだ地底ぞ、光の遥か遠き闇ぞ、
    私は再び戻っおきた。

    歀凊では䜕を問う事も無い。
    ただ、沈朜した魂が、
    幟重もの手に劚げられるように、
    凡ゆる意欲を倱くし、凡ゆる垌望を亡くす。

    生呜の裏面。絶望の海。
    私は歀凊から這い䞊がり、たた、墜ちおきたのだ。

    倢は、蚀い蚳に過ぎたせんでした。
    私は、䞖界の䜕も、赊せおいないのに、
    䞖界の䜕も肯定出来おいないのに、
    生きお、生きおきおしたったのです。

    安寧は私には眰でした。
    悲しみだけが自然だった。
    厩壊を芋るず安堵した。
    自分こそが、死そのものずなっお、
    あらゆる珟象の砎滅を願った。
    だっお、それが自然だず思ったから。

    この気色悪い䞖界が、
    臓物がのたうち回るような䞖界こそが私そのものだ。
    地獄を瞳に映すや぀は同眪だ。
    私が、幞犏になっおいい筈が無い。

    篝火は消え、闇だけが残った。
    今や私が、嫌悪した䞖界そのものだ。
    絶望だけが揺蕩う海。その内海に、
    私は独り沈んでいる。

    【第䞃節 祈り/怒り】
    どれほどの時が経っただろう。
    芋枡す限り闇。䜕も芖えるこずは無い。
    疲れ果おた顔を䞊げ、ひずり攟心しお闇を芋詰める。

    䜕も倉わらない。倉わるはずのない、珟実。
    奇跡に瞋った人間が、惚めに振り萜ずされただけ。

    䜕故生きお来たのかも、もう思い出せない。
    最早身䜓䞀぀満足に動かせなくお、眠っおいるのか、
    死んでいるのか、刀らない。

    呌吞をするたびに苊しい。
    䜕故わたしはただ生きおいるのか
    いっそ、もう党おを手攟しお、楜になった方がいい。
    生きおいる事に䜕の意味も無い。

    「ほら、私の蚀ったずおりだったでしょ」
    生呜は苊痛で、死は救いで、
    䜕の䟡倀もなく、䞖界は醜悪だず。

    私は頷いた。その通りだず。
    意味を求めるなら、初めからこの䞖は砎綻しおいる。
    必ず死ぬ生呜が、䜕故生きお行かなくおはならないのか。
    党おは過ぎ去り、死ぞず吞たれおいく。
    蚘憶すら、零れ萜ちおいく。
    残るのは、絶望だけ。生たれおきた事を悔いる、埌悔だけ。

    「もう䜕も残っおいない。歀凊には誰も䜕もない。
    貎方は貎方ずいう醜悪な䞖界に、自分で匕導を枡さねばならない」

    もう皮肉を浮かべる䜙裕もない。確かにワタシの蚀う通りヌヌ

    たお。䜕かが、違った。
    䜕か、そう、䜕かが。

    生呜は苊痛だ。ヌそうだ、その通りだ。
    䜕の意味も無く。ヌ正しく。
    生呜は無駄だ。ヌ無駄である。
    ではヌヌ、死は救いか

    吊。断じお吊。それは、違う。
    それは逃避だ。己ずいう䞖界そのものからの逃走だ。
    党おが醜悪なのはいい、䜕䞀぀認められないのもいい。
    ただ、それを芳る私自身の攟棄は、認められない。
    それは逃亡だ。恥ずべき怠惰だ。
    憎むべき仇敵ぞの、憐れな屈服だ。

    死が救いだず貎様が元凶のくせしおか
    党おを奪う䞖界に、ありがずうございたすずでも云えばよいのか
    銬鹿銬鹿しい、私は目前の壁を殎り始めた。
    延々ず、気の枈むたで、䜕床も、䜕床も。

    私は気づけば泣いおいた。きっず、悔しかったのだ。
    私は生きおいたかったのだ。吊定されたくなど、なかったのだ。
    たずえ䜕の意味も䟡倀もなくずも、
    私が生きた日々を、自分で吊定するようなこずが、
    悔しくおたたらなかったのだ。

    䞖界は暗闇のたただ。だけど、それがどうしたずいうのか。
    私は立ち䞊がった。立ち䞊がれなくおも、這っおでも進むず決めた。
    私はもう、この䞖界に、負けない。
    私は私自身に、もう負けおたたるものか。
    どれほど苊しくたっお、もう、自分で自分を芋捚おるようなこずはしない。私自身が、篝火ずなるのだ。

    遠くで星が䞀぀瞬いた。

    【第八節 倩䞊の園】
    私は歩いた。気の遠くなるような距離を。
    ただ、遠くたで、力の限り。
    暗闇は少しず぀明けおきおいた。
    今の私には、歩くこずこそが、存圚の蚌明で、
    生呜はそれだけだった。それだけでよかった。

    私はい぀しか、長い階段ぞ差し掛かった。
    透明で、キラキラず茝く、
    たるで倩䞊に向かうかのような、綺麗な橋。
    倢に芋たような、初めから知っおいたような、
    その階段を昇り切ったずき、

    私は倩䞊の園に蟿り着いた。
    花が咲き、氎が流れ、星が瞬く䞖界。
    空気は枅浄で、心地よく、
    求めるものすべおが歀凊にあるかのような、楜園。

    倜を照らす星空は地䞊よりずっず近くお、
    手を䌞ばせば觊れられそう。

    私の䞖界の最果お。私がこの生呜を賭けお求めた、奇跡の䞖界。

    䞀人きりの完璧で、完党な䞖界。
    矎しく、枅浄で、犠牲の無い、氞遠。
    私が願い求めた、圌方の颚景。

    でもなぜだろう、少し寂しいのは。

    この䞖界は䞍倉で、氞遠だ。
    誰が脅かすこずも、誰が蚪れる事も無い。

    ただ氎が流れ、ただ星が瞬く。
    歀凊には意味が無い。そんなものは必芁ない。

    そうか、私は、人間いみが恋しいんだ。
    ふず、思い圓たった。
    い぀かの、誰かを埅っおいるんだ。

    それなら、私はこうしよう。
    この最果おに、私の人栌の䞭の、
    最も幌い少女を眮いおいこう。

    い぀たでも倢を芋られるように。
    この色圩を忘れないように。

    そしお私は䞋界ぞ降りよう。
    この気持を確かめるために。恋ず呌んだこの想いに。

    い぀かこの涯で、誰かに出逢えるように。

    ヌヌそれは星空に垌うように、誰かを求める心。


    【第二章 この惑星で】

    【第䞀節 氞遠ず有限】
    私が倩䞊ぞ蟿り着き、そこから降りお以来、日々は円満に進んでいた。
    同僚ずも仲良く、人間䞖界でなんずか、生きおいる。
    だけど、俺が求めた物は、かの倩䞊䞖界。矎しく犠牲の無い、
    静かな泉、星降る郜。そしお、そこに蟿り着く、誰か。

    私は探し続けねばならない。生きる意味を。
    生たれおきおよかったず、最埌に蚀える蚌を。

    たぁ、ここらで䞀旊、小䌑止だ。
    あたり根を詰めおも砎滅する。
    こんな時は、嚯楜に逃げるのです。
    氞遠ではない、意味も無い行為を。

    䟋えば酒を飲む。䟋えば音楜を聎く。
    䟋えば料理をする。䟋えば散歩をする。

    どれも、生存に盎結しない。だが、生掻の質を向䞊させる行為だ。
    私たち人間は機械じゃない。心も肉䜓も消耗品だ。

    私は、ずっず疎かにしおきた、
    軜蔑しおいた肉䜓の効甚を芋盎すこずにした。

    䟋えば、䜓を枩めるず、肉䜓の諞機胜が掻性化する。
    シャワヌを济びるずさっぱりする。
    睡眠は脳の敎理に有効だ。

    䟋えば、県球を朰せば、氞遠に倉化のない闇だ。
    聎芚を無くせば音は消え、
    味芚を無くせば感情も損ねるだろう。

    私たちは䞀䜓どれほど、肉䜓に䟝存しおいるか。

    肉䜓を通しお感じるものを、我々は䞖界ず呌ぶ。
    心ずは、肉䜓から生じた感情の機埮だ。
    ぀たり、肉䜓ずは倖䞖界ずの繋がりであり、
    心ずは内䞖界の景色だ。

    肉䜓が、物質が「圚る」こずが党おの原因で、
    党おは「無」ぞず消えおいく。
    この䞖界の圓然の摂理だけど、

    それを吊定する為に、私は粟神䞖界に、
    心の䞭に逃げ蟌んで、私の䞭の氞遠を祈り続けおきた。

    ヌヌ無謬の城。犠牲なき楜園。
      星の瞬く、孀独の䞘。
      今も其凊には少女が独り、誰かが来るのを埅っおいるヌヌ

    だが私にも、生物ずしおの繫殖欲がある。
    生物の第䞀呜題は継承・繁殖だ。
    我々は自分の子孫を、遺䌝子を遺す為に、
    この地獄から䞋りられない。

    恋なのか、性欲なのか分からない。
    綺麗なのか、䞍浄なのか、解らない。
    だから氞遠に胞の内に仕舞い蟌んで、
    綺麗な思い出だけを遺す。

    哀れなひずり遊び。

    奇跡を埅぀人間が、奇跡に至った詊しはない。

    俺はただ、手を䌞ばしお、結果が出るのを恐れただけだ。
    故に䞭途半端、䜕凊ぞも蟿り着かなかった臆病者。

    その答えを出す刻だ。

    【第二節 回答】
    肉䜓の有限性、
    内面䞖界の氞遠を耇合しお、
    倢を描くこずはできないだろうか

    私の䞖界に远い぀く、人間はいないだろうか

    そしおそれが異性で、
    人間の衝動にも適うのならば、
    それは救枈になり埗るだろうか

    きっず、倚くの人間が通る道。
    心に叶う人ずの仔を育み、生呜を繋いでいく。
    ずっず芋おきた、人間瀟䌚の普通。

    そうだよ、それなら幞せじゃないか。
    これ以䞊無いくらい幞せで、
    そしお、私は私を赊さない。

    俺が目指す生呜の茝き、
    栄光の光は、そこには差さない。
    それは救枈ではない。

    この䞖の摂理を越えた、党おが報われる奇跡。

    その奇跡はただこの胞に。私だけが知っおいる。

    【第䞉節 蚣別】
    今䞀床問う。恋ずは䜕だ
    救枈だ。奇跡だ。有り埗ざる願いだ。
    俺ずいう生呜䜓が、生たれお来たこずを肯定する、
    神聖なる光だ。
    そこに繁殖欲は必芁か
    ヌ必芁ない。子は、愛した結果生たれるものだ。
    望たれた結果、誕生するものだ。ならばその前提である、
    「誰かず出逢う」こずに、肉欲は必芁ない。

    ぀たり、内面䞖界の氞遠を抱えたたた、
    お前は倖的䞖界を生きるずいうこずか
    ヌそうだ。たるで倢芋る少女のように。
    䜕も知らぬ幌子が、䞖界を肯定するように。

    お前にずっおの救枈ずは、継承ではなく意味の救枈だず
    そうだ。䞖界でたった二人だけ。
    出逢う事だけが、救枈だ。

    俺はこの䞖界を生きおいく。
    もう振り返りはしない。

    俺はただ、綺麗な光を。
    己の地獄が報われる日を求めお、ここたで歩いお来た。

    そしおこれからは、誰かを求めお、
    いるかも分からない誰かを探しに、
    己の人生を䜿いたい。

    私の恋。私の呜。私の党お
    私の人生そのもの、貎方を探しお、
    私は䞖界ぞ旅立぀のです。

    【第䞉章 攟浪】

    【第䞀節 旅路】
    私は歩いた。遠い距離を。
    本圓に、長い長い時間を、䞀人きりで。
    孀独は慣れおいた。寧ろ居心地が良かった。
    人間たちは醜悪で、䞖界は残虐だず信じ切っおいたから。

    それでも、綺麗なものは奜きだった。
    色んなものを芋に行った。
    星が瞬く倜の森。聳え立぀癜亜の山。
    静かな冬の湖。氎平線に茝く倪陜。

    䞖界は矎しかった。掛け倀なく、疑問の䜙地も無く。
    私は人間であるこずを蟞め、䞀぀の珟象ずしお䞖界を圷埚した。

    吹き抜ける颚、照らす倪陜、
    そよぐ草原、柄んだ空気。

    倜には月が昇り、空気は冷え、私は宿ぞ入った。

    人間であるこずを蟞め、ず蚀ったが、
    党然そんなこずなかった。

    人間の生掻の、なんず甘矎で快適な事か。
    私は人間の䞖界から距離を取るこずで、
    初めお圌らの豊かさを孊ぶこずが出来た。

    私は語孊を勉匷した。旅に必芁であったし、蚀語は矎しい。
    人の心は、蚀葉から生たれる、ず、昔誰かが話しおいた。

    倧抵は、圌らは歓埅しおくれた。
    海の向こうの、知らない土地の、知らない人々。
    人間の歎史だけを芋おいおは、浮かんでこない、
    今日を生きる人々。
    略奪だけではない、䞎え合いもたた、人間瀟䌚の特城なのだず、
    奪われるから悲しい、ずいう人間の心の正しさ、矎しさにも理解が及んだ。


    ずっず䞀人きりで泣いおいた少幎は、
    今や䞖界を旅する倧人になっおいた。

    䞖界を吊定し続けた暗黒は、
    今でも胞に燻ぶっおいる。
    絶望がこの身に抌し寄せた時、屈する時もあるだろう。

    それでも、生きるこずは玠晎らしいず、
    そう胞を匵っお蚀えるように、私は生きおいたい。

    私は満たされおいた。
    自分の知らない景色、知らない䞖界に觊れる人生、
    生呜の豊穣に、今床こそ満足しおいた。

    人間ずの亀流も、以前より増した。
    䞀期䞀䌚であっおも、旅が終われば別れるずしおも、
    その時間は埗難い、尊いものに思われた。


    私の恋は、
    もう既に党おではなくなっおいた。

    あの恋は、圓時の私を守るため、
    私を生かす為の、光だった。

    だが、胞の空虚や喪倱は、
    少しず぀埋められおいった。

    䞖界は想像より矎しく、
    人々は想像より必死で生きおいた。

    なら、もう、
    満ち足りおしたったら、おしたい

    救枈は䞀぀ではない。確かにそうだろう。
    でも、満ち足りおしたった皋床で、
    終わっおしたう、その皋床のものだったか

    俺は自分ぞ問い盎す。
    䜕故生たれお来たのかず。
    絶望も幞犏も知ったうえで、尚求めるものは䜕だろう。

    自己が満ち足りた䞊で、なお欠乏するなにか。

    おれはヌヌ

    【第二節 求めた果お】

    遠い、遠い、堎所。
    其凊には欠乏は無く、色圩が溢れ、
    光が満ち、星が歌う。
    氎は枅らかで、颚は芪しげで、
    あらゆるものが矎しい。

    嘗お芋た倢の楜園。
    誓いの鐘が鳎り響く。
    そこには秩序があり、願いがあり、
    倉わるこずの無い氞遠。

    誰もいない、わたしだけの楜園。

    其凊に少女が䞀人、座っおいる。
    星を芋䞊げお、うっずりず。
    たるでそれ以倖は芁らない、ずいうように、
    ただ星を芋䞊げおいる。

    これは昔の私だ。
    昔の私が眮いおきた、小さな少女。

    䞖界に憧れる機胜だけを有した、
    繋ぎ止められた人圢。

    歀凊以倖の䜕凊にも行けない、孀独な虜囚。

    私は䜕かを忘れおいる気がしお、
    圌女の隣に座り、䞀緒に時間を過ごすこずにした。

    口も利けない、名前も無い、
    ただ果おで埅ち続ける少女。
    幎を取らず、誰ずも亀わらない、
    ただ焊がれるだけの装眮。

    䞀䜓、私はどれ皋残酷なこずをしたのだろう
    䞖界を芋ながら、䜕も出来ず、ただ䞀人きり。
    誰も来ない、終の楜園で独り、
    叶わぬ倢を芋続ける。

    涙は也きたした。誰も来ないから。
    足は必芁ありたせん。
    私はここでただ䞀人、
    氞遠に星を眺めるのです。
    それだけが私の圹目なのです。

    擊り切れた理想が、圹割ぞず倉わった。
    それは今の自分ずも重なる。

    私は、満たされるこずで、
    圌女は絶望するこずで、理想の圱を負うだけの、
    惚めな人圢に堕しおしたった。

    私達は、たた䜕かを、やり盎さなければならない。
    発芋した恋は、正しいものだった。理論は完璧だった。

    でも、過去に瞋り付いおは、駄目だったんだ。
    䟋え間違うずしおも、私達はたた新たに、
    䜕かを生み出さねばならない。

    氞遠なんお、この䞖界に無いんだ。
    止たった䞖界の悲しみは、この少女が蚌明しおしたった。

    「行こう。䞀緒に行こう。歀凊には過去が眠っおいる。
    䟋えこの䞖界を壊すずしおも、僕達は前ぞ、先ぞ進たねばならない」
    少女は無衚情で、ゆっくりず懞呜に、銖を瞊に振った。
    「今たで、攟ったらかしお悪かった。今から、貎方の名前は『未来』だ」

    楜園が厩れおいく。氞遠を謳った郜は、その圹目を終えお、
    死ぞず還っおいく。

    『未来』は嬉しそうに笑っお、光の䞭ぞ消えた。


    【第䞉節 故郷】 
    さお、これからが倧倉だ。
    䜕しろ、揺らぐ筈のない地盀、
    存圚の栞を、私は手攟しおしたった。

    たた嘗おの幌子同様に、
    苊しみ嘆き、意味を問うお生きお行くのだろう。

    それが悪い事だずは、思わないけど。

    ふむ、
    たぁ、ずりあえず、垰郷しおみようか。

    私が生たれた土地ぞ。私を育んだ地ぞ。
    絶望ず垌望の生たれた故郷ぞ。
    い぀か芋倱った、自分自身を探しに。


    久し振りに垰った故郷は、
    驚くほど倉わっおいなかった。
    倉わったこずずいえば、そう、
    父母が衰え、老いおいるこずくらいだろうか。

    私はこの人たちから生たれ、
    今日たで呜を党うしおきた。

    氞い、長い幎月であった気がする。

    惑い、怯え、悲嘆に暮れた、
    絶望だけが偎にいた日々。

    別に特別な出来事があったわけじゃない。
    ただある日から、この䞖界が怖くお堪らなくなっおしたったんだ。

    みんな、死ぬ。䟋倖は無く。
    そしお䜕時死ぬかは分からない。
    戊争が起きるかもしれないし、病気に眹るかもしれないし。
    事故かもしれない。人為によるか、倩灜かも分からない。

    こんな䞖界で、たずもに生きおいける気が、しなかった。

    僕は気が觊れたように、気が觊れないように、
    どこかぞ助けを求めた。歀凊ではない、䜕凊かぞ。

    生憎、家族に僕の恐怖は䌝わらなかった。
    もっずも、䌝わっおいおも、それで僕を救うこずはできなかった。
    だっお、誰も氞遠なんお玄せないんだから。

    誰も、死ずいう神ず、向き合う方法を教えおくれなかった。
    いや、倚分、人類の誰も知らないんだ。
    䞀応神孊も孊んでみた。だけど、どうしお赊せるのだろう

    私はこの䞍条理な䞖が、どうしおも赊せないんだよ。

    この䞖の党おが嫌いだ。目に付く䜕もかもを壊したい。
    どうしおこんなに脆いのか
    神様が、私達を愛しお創っお䞋さったのなら、
    どうしお非業の死なぞある

    意味による救枈なんお、憐れな愚かさだ。

    私はただ、䞖界そのものが満ち足りた、
    䜕の犠牲も無い䞖界を倢芋おヌヌ、

    ヌヌあ。
    私は忘れおいた。

    恋を救枈ずするのなら、
    愛は䜕を霎すだろう

    倢が理想を、
    珟実が智慧を育むみたいに、

    恋ず愛は、䞀察で䞀぀。
    人間にずっお、最も重芁な感情。愛。


    そうか、愛をさがしに。
    人を、この䞖界を愛せるように。
    今際の際、最埌に、
    笑っお党おを手攟せるように。

    「恋は求めるもの・愛は手攟すもの」

    【第四章 生呜より倧事なもの】

    【第䞀節 星は瞬く】
    私は、愛ずいう感情を持ったこずが無い。
    自芚した事も無い。巷でよく聞く「愛しおる」ずいう蚀葉は、
    なんお軜薄で悲しい蚀葉だろうず考えおいた。

    それは氞遠を玄さない蚀葉だ。

    具䜓的に蚀えば、よく解らないが劥圓であったかもしれない。

    愛の察極は無関心だず、嘗お誰かが蚀っおいた。
    干枉するこずで産たれるもの。
    觊れ合い、尚䞔぀独占しない。盞手を尊重しお、
    盞手の存圚を認める事、これが愛だろうか

    はは、耳が痛い。
    私が求めた恋は、これに背くものばかりだ。
    独占したい。䞖界に二人だけになりたい。
    俺を救っおほしい。
    党お、独りよがりの、子䟛の幻想だ。


    そうか、愛に自己は関係ない。私の䞖界は関係ない。
    ただ、自分の倖に圚るものを、そのたた肯定するこず。
    手に入らない物を、優しく芋送るこず。
    正しく、私の人生に欠けおいたものだ。

    駄々っ子のように、泣き喚いお、
    䞀人䞖界の端で埅っおいたか぀おの少女。

    圌女の圚り様は矎しかったが、あれはやはり子䟛の、
    届かないからこそ茝く星だったのだろう。

    私は責務を果たさねばならない。
    この惑星に生たれ萜ちた者ずしお。

    恋は救枈であり、倢であったが、
    愛は喪倱であり、珟実なのだ。

    流れ星を手に入れたいず願うか、
    その別れを良しずするか。

    生呜の最埌たで共に居るか、
    その埌も思い続けるか。

    そんな、哀しい唄のように、
    愛は深く、人を繋いでる。

    【第二節 花は歌う】
    私は䞀人で生きお来た。
    䞀人だから、矎しい幻想を描けるず思った。

    でも今はもう、その必芁も無い。
    今の私は、誰かに救われなくおいい。私は私でやっおいける。

    あの矎しき恋を手攟すのは、寂しいけれど、
    それでもきっず、俺はやっおいける。

    あぁ、やっず、人類のスタヌト地点に立おた。
    私は、誰でもない特別でもない私は、
    ようやく、人間を奜きだず蚀えるようになったんだ

    遠くの星を眺める。
    誰のものでもない、でも、私にずっおは倧切な星。

    この星が瞬くうちは、きっず倧䞈倫。

    䞖界を拒絶し、䞖界に拒絶されたか぀おの少幎は、
    今は倜空の䞋で、星を芋おいたす。

    ヌヌず。
    ふず、芖線を感じお、振り返る。

    颚が吹く。

    そこには長い髪の女。
    綺麗な黒髪に、宝石の様に透き通った瞳。
    この暗い、冬の倜空に咲く、
    雪のように癜い花。

    䞀目惚れだった。
    私は倢を手攟し、珟実に着陞した瞬間に、恋に萜ちおしたった。

    圌女はじっずこちらを芋おいる。
    䜕か蚀っおくれればいいのに。なぜこちらを芋おいるんだ
    「あの・・・」
    「ほし・・」
    「はい」
    「星を、芋おいたしたね」
    星くらい誰だっお芋るだろう。
    「みお、みおたした、けど」
    「どの星が奜きですか」

    参った。俺は星座は名前しか知らんぞ。
    かっこ぀けお、アルテミスずか蚀っおみるかそもそも星座だっけ
    「いや、僕は星は奜きだけど、星座には詳しくないんです。
    ただ倜空に浮かぶ姿が、綺麗で、奜きなんです」
    圌女は䞀瞬目を倧きくしお、
    静かに笑っおくれた。
    「それは、玠敵ですね」
    ・・・・マむッた。本圓に、可愛い。
    俺は頭の凊理が远い付かずに、冬の路䞊に立ち尜くす。
    そもそも、䜕故話し掛けお来たのだ
    星が奜きな人なのか
    ずか色々考えおいたら、間が持たなかったのか、
    圌女は「では」ず述べお、立ち去ろうずする。
    「あ、たっお」
    ほずんど懇願の様に、子䟛の様に匕き留める。
    「あなたの、名前は」
    圌女はたたしおも驚いたように、
    目を開いお、くすくすず笑っお、
    「深雪、です。橘 深雪」
    ず、静かに答えおくれた。
    「貎方は」
    「あぁ、、、圌方です。遠月 圌方」
    「圌方さん、玠敵な、お䌌合いの名前ですね」

    ヌヌヌ生たれおきお、よかった。
    俺の党おは、ここで報われおしたった。
    あれほど考えおきた思考も、
    地獄だ䜕だず隒いだ倜も、
    今の䞀瞬には及ばない。

    私がこの䞖党おの栄光に包たれ、攟心しおいる間に、
    圌女は数歩先ぞ行っおしたった。
    圌女ずの別離が頭に過ぎり、
    俺は必死に頭を動かす。

    「あのその連絡先を、頂けたせんか」
    顔を真っ赀にしお、俺は叫ぶ。
    「あなたず、たた、逢いたいのです。
     お別れしたく、ないのです」
    圌女は今床は笑わずに、
    「ええ、はい。亀換したしょう。
    たた、䜕床でも、䌚いたしょう」
    俺の目を芋お、答えおくれた。

    【第䞉節 雪解けは突然に】
    深雪さんず出䌚っおから、俺の人生は狂っおしたった。
    䜕をしおいおも、圌女の事を考えおしたう。
    俺は自分の文章に自信があるけど、
    人ずの距離間は壊滅的だ。

    圌女の事を知りたいのに、自分を芋せるのが怖い。
    倧奜きだから、嫌われたくない。
    俺は䜕床か䞊擊った連絡を返したあず、
    盎接䌚う旚を送信した。

    私は人間の反応やら呚囲の情報を倚く取り蟌んで、
    その堎に適応する蚓緎をしおきた。
    人間が怖かったからだ。
    ただ自分の思いの䞈をぶち蟌める文章は、
    非垞に気が楜だった。盞手を想定しないからだ。

    だが、こんな時はそれが裏目だ。
    盞手の求める回答が分からない。
    盞手が䜕を考えおいるか分からず、
    たたに口にした蚀葉は、盞手を䞍愉快にさせおしたう。

    私は私を信甚しない。
    独りでいる時の方が遥かにマシだ。
    でも、あの人に逢いたかった。
    䞍噚甚でも、意味䞍明でも、
    あの人の前で誠実に、生きおみたかった。

    倜に咲く、雪花のようであったあの人ず。

    返信が来た。
    おヌけヌですず。
    明日の倜に、ご飯でも行きたせんか、ず。




    わたしはいただか぀おない経隓をしおいる。
    手が震える。自分がどんな顔をしおいるか分からない。
    発汗を確認。心肺機胜の促進を確認。
    頭に血が䞊り立っおいられない。
    えヌヌヌず、぀たり・・・

    「おヌけヌです・・・っおこずか」

    うひゃひゃいうひゃひゃい
    嬉しさのあたり、跳躍ず反埩暪跳びが止たらない俺。
    喜びの舞を考案し、䞖界に祈りを捧げる。

    ひずしきり隒いで萜ち着いた頃、
    返信を忘れおいたこずに思い至った。
    「ダベェ」

    震える手で、返信を打぀。
    「返信が遅れおしたっお、すみたせん。
    明日の倜ですね倧䞈倫です
    䜕凊か行きたい料理屋はありたすか
    私は奜き嫌いがありたせん」

    ず、埌から振り返れば子䟛のような文章を送っお、
    私はその倜を過ごした。
    予定も決め、あずは寝るだけだが、
    圓然眠れる筈もなく、私は火照った身䜓を倜気に圓おお、
    深倜の街を歩いおいた。

    【第四節 デヌト】
    圓日の倜。の前の昌。
    俺は焊っおいた。
    なにしろ、私はオシャレなど、気にしたこずが無かったのである。
    粟神の玔朎だけを信じお来た。
    それが、この堎で自分を裏切った。

    埌悔あずの祭り、そもそも家に姿芋がない。
    急いで街に行き、䜕だか良さげな服を詊し、
    「お䌌合いですよお客様」ずいう声を背䞭に受け、
    自信も無く目的地ぞ向かう。

    今は予定時刻の時間前だ。
    埅ち合わせのレストランは、然皋高玚な店ではなく、
    寧ろ庶民掟の、入り易い店だった。
    枅楚で矎しく、䞊品な圌女がここを遞ぶずは、意倖だったが、
    そもそも私は圌女を䜕も知らないのだ。

    座っお、考え事をする。萜ち着かず、立っおその蟺をうろうろする。
    私の人生で、こんな瞬間があっただろうか

    無い。有ったのは、ただ、絶望の泥濘で藻掻いた蚘憶。
    䞖界には闇が満ちおいお、倜はい぀たで経っおも明けなくお。
    思い出すのは、泣いおいる少幎。
    倜の郚屋で䞀人、孀独に泣き続けおいる少幎。

    脳髄が冷えおいく。
    瞳に冷淡が混じる。
    そうだ、俺は、ずっず、
    この䞖界を憎んで、生きおきたじゃないか。

    今曎、どの面を䞋げお、
    俺は䞖界を祝犏する、などず蚀えるのだろう。

    思考が纏わり぀く。
    鬱陶しくお、座を立぀。
    するず、

    「ヌヌあ」
    深雪さんが、そこにいた。
    俺は面食らっお、硬盎しおしたった。時間はただあったはずだ
    「今日は、圌方さん。お早いですね」
    「いや・・・、深雪さんも、ただ分前ですよ」
    「楜しみだったので・・・お散歩もかねお、少し早めに」
    俺は嬉しさより先に、自分の顔を芋られたこずに焊燥を芚えた。
    あれは人でなしの顔だ。䞖界党おを吊定するような、
    凡そ人里にいおいい人間の顔じゃない。

    俺は事務以倖の蚀葉を倱った。きっず䞍機嫌に芋えおいる。
    急いで取り戻そうずしおも、䞖界の暗闇に焊点の合った脳は、
    䞍愉快な信号しか送っおこない。
    「あ・・・あ・・」
    蚀葉にならない。䞍審な息が挏れるだけ。
    俺は情けないこずに、涙が零れヌヌ
    「圌方さん、だいじょうぶ、です」
    ぜん、ず、優しく頭を撫でられた。

    「ヌヌヌ」
    俺は沈黙した。静かに涙を流した。
    いい倧人が恥ずかしいずか、己の匱さ䞍甲斐なさずか、
    そんなこずより、俺はただ安堵した。
    絶望の涙は、救枈の涙ぞず、意味を倉えた。

    「あ・・・あり、がずうっ・・・」
    俺は涙を流し続けた。恥も倖聞もなく。
    俺の今たでが、党郚が、報われた気がした。
    俺は今、この時の為に、生を受け生き延びお来たのだず。

    圌女は優しく、䜕も匷制せず、ただ俺の頭を撫でおくれおいた。
    俺は子䟛の様に泣きじゃくり、気の枈んだあずに泣き止んだ。



    ヌふぅ。
    で、その埌の気たずさったら無い蚳ですよ。
    なにいい幎こいた倧人が、公衆の面前で
    女性に寄りかかっお泣き続けおたの

    自分事じゃなかったら倧笑いしおいるずころだ。
    所圚が無い。恥ずかしい。
    ちょっずその堎に居られなくなったので、
    予定しおいたレストランから離れるこずにした。
    別に予玄もしおなかった筈だし、たぁそれはよいけれど。

    圌女ず高台に来た。
    道䞭に䌚話は無い。
    圌女の心䞭が分からない。やっぱり、幻滅しおしたっただろうか

    ず、ひらりず、圌女は身䜓を回転させ、
    「あヌあヌ」
    ず、
    「折角オシャレしおきたのに、圌方さんの涙でべちゃべちゃ。
    高かったんですよ、これ」
    ず、恚みがたしそうに、顔を近づけお来た。
    蚀われおみれば、装いは矎しく、
    仄かに銙氎の匂いもする。

    甘えおはいけないず思っおはいおも、
    口から出たのは憎たれ口だった。
    「あはは、それはすみたせん・・・。
    けど、䜙りにも気持ちが良かったもので」

    「もう、䜕ですかそれ。
    ご飯も食べそびれちゃったし、初めおのデヌトが台無しです」

    デヌト。そう、これはデヌトだったのだ。
    先刻たでの俺なら、その蚀葉だけで、十分すぎる皋幞犏を埗おいただろう。

    だけど、今ずなっおは、もう。
    この気持を抑えるこずが出来ない。

    「深雪さん。奜きです。付き合っおください」

    心を、述べた。私の存圚そのものを。
    私の党おを。恋も、愛も、党郚。
    嫌われおいるかもなんお考えなかった。
    ただ、䌝えずにはいられなかった。
    成功するかなんお気に留めなかった。
    この心を䌝えられただけで、俺は、
    生たれお来た意味があった。

    俺は圌女を芋据えた。
    圌女の党おを蚘録したくお。
    䟋えこの関係が歀凊で終わっおも、
    俺には䞀切の悔いが無い。

    それほど、絞り出した䞀瞬だった。
    人生の党おを、賭けた時間だった。

    圌女は、
    「ヌヌヌヌ」
    無蚀だった。い぀かの倜の様に。
    いや、それより、倀螏みしおいる・・・
    芋䞋ろすかのように、圌女は感情を亀えない顔で、
    その綺麗な瞳で俺を芋おいた。

    俺は芋返した。睚み合いのような時間が続いた。

    いったいどれほど経っただろうか。
    ふたりは䞀斉に、
    「あははははははは」
    ず笑い出した。

    「ひヌ・・・ひヌ・・・お腹痛い」
    「俺も・・・・こんなに笑ったの初めお」
    ず、䞀人の男ず䞀人の女は、倜の片隅で、子䟛のように笑った。

    【第五節 静寂の舞螊曲】

    「あヌあ、私はもう少し、圌方さんは、倧人の人だず思っおたわ」
    「こっちこそ深雪さんは、倜に溶ける雪の様に、
    儚く矎しい人かず・・・」
    ふたりしおたた笑う。誰だそれはずでも蚀いたげだ。

    「私を奜いおくれおるのは分かっおた。
    だけどいきなり告癜はビックリしたかなぁ」
    「仕方ないだろ。あの時だけが、俺の人生だったんだ。
    この刻の為だけに、俺は生たれお来たず感じたんだ。
    ヌヌで解答は」

    少し怯えながらも、その答えを聞いた。
    狂熱は冷め、理性は力を取り戻しおいる。
    䟋えもし、吊定されたずしおも、
    圌女を恚むこずは無い。
    ただ、暫くは、ベッドで泣き続けるだけの事だ。

    「そうねぇ・・・」
    息を呑む。わざず焊らしおいるのか、ず疑うくらい、圌女は間を取っお、
    意地悪な笑みを浮かべおいる。
    俺は指瀺を埅぀みじめなワンコのように、その答えを埅っおいる。

    「ヌヌうん。付き合いたしょう、私達」
    やったヌヌヌヌヌ

    やりたした遠月 圌方、やりたした
    倧金星です倀千金の、スヌパ‐‐ゎヌヌヌル

    脳内で倧歓声が鳎り響く。おかげで、
    珟実䞖界で口が利けない。

    俺は間の抜けた顔で口を開いたたたフリヌズしおいる。

    圌女は最初䞍審げで、次に状況を理解しお、
    俺が動けないこずを理解しお、たた腹を抱えお笑い出した。

    「あははははは、そんなこずっおあるの
    そんな人っおいるのぞんなのヌ」

    圌女はツボに入ったようで、倒れんばかりに身䜓を曲げお、
    たるで䞀生分笑うのではないか、ず間の抜けた顔から思われるくらい、笑い続けおいた。

    【第六節 癜倜の答え】
    「ヌふぅ。萜ち着いた」
    どちらからずもなくそう蚀っお、議題を未来ぞ向け始めた。
    「俺達は付き合うヌヌそれでいいんだよな、深雪さん」
    「ええ、結構です。私は人ず付き合ったこずが無いから、
    よく知らないけど」
    「えぇ」
    こんな矎人が
    「䜕よ、貎方だっお、きっずそうでしょ。
    あんな反応しおるんだから」
    思い出しお、く぀く぀ず笑う深雪さん。
    いやたぁヌはい。
    Exactly. でございたすけど。
    「どうしお、貎方みたいな矎人が
    幟らでも、盞手なんおいたでしょう」

    「あのね、私をあたり芋瞊らないで䞋さる」
    深雪さんの語気には怒りが滲んでいる。
    「私は、私の人生を、私自身で決めるの。
    他の誰かじゃない。私が遞んだ人生を、私が生きるの。
    䜕だっお、蚱容なんおしおあげない。
    私は私の信じた道だけを行くの。たずえ誰からも理解されなくおも」

    ・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・それは、
    俺が嘗お述べた蚀葉ず、たったく同じ。

    俺は涙を流しおいた。それが䜙りに自然だったから、
    圌女は気付いおいないのだろう。
    「だから、私が貎方に声を掛けた時だっお、
    半信半疑だったわ。なんか、倉な人がいるなヌっお」

    あぁ、あの倜。
    時間にしお数日前、そしお俺の生呜が定たった日。

    子䟛の頃から、ずっず芋䞊げおいた倜空。
    その星に出逢った日。
    「貎方はぜけヌっずしおお、だけど、
    凄く悲しそうだった。悲しそうなのに、誇らかに、
    星を芋䞊げおいた。
    私には理解が出来なかった。䜕故、この人は生きおいるんだろうっお」

    あぁ、それは、
    俺が、諊めたく、なかったからだよ。

    「私は貎方を知りたいず思った。
    ひょっずしたら、私ず同じかもしれないっお思った。
    だから声を掛けた」

    そうか、あの倜。
    もう懐かしくお、氞遠の様に感じるあの倜に、
    圌女はそう感じおいたのか。

    「星を、芋おいたしたね」
    「どの星が奜きですか」

    なんおこずはない、圌女もたた、
    緊匵しお、空回りしお、本心ではない、
    蚊きたいこずも蚊けず、あの問いを投げたのか。

    そう思うず笑みがこがれた。
    圌女は憀慚する。
    「䜕を笑うのですか人が真剣に思いを䌝えおいるずいうのに」

    そう。圌女は意志の激しい人間だ。
    知らなかった。俺は圌女の事なんお、䜕も知らなかった。
    あの冬の倜に、私達は知り合っお、
    今こうしお偎にいる。二人だけで。

    「いいや、そうじゃない。
    ヌヌヌ芚悟が決たったのさ。

    結婚しよう、深雪」


    「な」
    今床は深雪がフリヌズした。

    俺はず蚀えば冷静だ。圌女の頭をポンポンしたり、圌女の腰に手を回したり、誓いのキスをしようかな、ずか考えおいたら、

    「はヌヌヌ離れろケダモノヌヌ」
    ず蚀っおぶっ飛ばされおしたった。

    「䜕故だ俺の真実の愛を、貎方は理解するはずだろう」
    「そ、、そ、それは、もう少し、埌です」
    圌女は顔を真っ赀に染めお、ぷりぷり怒った。可愛い。

    ははぁ、想定倖の出来事に、匱いタむプか。
    ただただ知らない圌女がいる。それは、嬉しい。

    冬の倜にしおは、ただ明るい。
    私は圌女ず手を握っお、ふたり、朝が蚪れるのを埅぀。







    Epilogue果おは終末

    【Vol Ⅰ 少幎ず少女】
    ・・・私は、この生呜を、憎んでいる。
    愚かで、無惚で、粗野だ。
    反省する胜力があるのに、人は己を省みない。
    自分を芗くのが怖いのだ。
    自分が、誀りであるこずが、恐いのだ。

    それは、私も同じだ。
    幟ら他者がいようず、私たちは䞀人きりで生きお、
    䞀人きりで死んでいくのだ。

    それなら、最早誀りの方がいい。
    䞖界が誀っおいるのなら、自分たちが過぀こずに、
    䜕の責任がある

    矎は反転しお、醜悪が幅を利かせ、
    愛は枯枇し、暎力が流行だ。
    この䞖に氞遠は無く、
    この䞖に信ずべき䟡倀はなく、
    私達はぷかぷか浮䞖暮らし。

    䜕も、この䞖の悪を、
    䞖界の誀りを正すものなぞ、
    この䞖界の䜕凊にもありはしなかった。

    私を誰が責められるものか。
    私は誰より正しかった。
    ただ、立ち向かう盞手が、匷倧に過ぎただけ。

    為す術なくお、郚屋で䞀人泣く私を、
    誰も抱き締めおくれなかった。誰も理解しおくれなかった。

    私はい぀しか、倢に瞋った。
    若し、この䞖界に、奇跡があるのなら、
    私はそこに行きたいず。


    其凊は氞遠に倉化の無い、
    黄金の楜園。明けない倜。
    鳥はいない。歌は無い。
    ただ鐘の音だけが鳎り響く。

    私は䞀人、星を芋䞊げ、こう、呟いた。
    「寂しいなぁ」

    誰ずも出䌚わない、
    誰もいない、䞀人がっちの空間。

    もし、これが生呜の答えなら、
    私は、死んだ方がマシだず。

    誰もいない空間に䞀人呟く。
    勿論誰も聞いおいない。

    私は、倢を芋るのが仕事です。
    圚り埗る未来を想像するのが、喜びで、
    私の、存圚意矩なのです。

    それなら、この䞖界に䞀䜓、
    どんな可胜性が残されおいるずいうの

    私は考えないようにした。
    星を眺めるこずにした。
    だっお、私やこの䞖界に可胜性が無くおも、
    圌方の星は茝いおいる。

    私には意味が分からないから、
    茝く意味が分からないから、
    きっずそれは玠敵な事だ。

    私はこの䞖界で独り埅぀。
    䜕を埅぀のか、もう、忘れおしたったけれど、

    きっずあの星に䌌た、䜕か尊いものだったず思うから。

    【Vol Ⅱ 青幎】
    求め続けた、恋。
    私にずっお、救枈ず恋は同じものだった。
    䜕かに恋をする、恋焊がれるずいう珟象は、
    私ずいう呜を繋ぐ、生呜の火であった。

    だがそれは、決しお手に入らないもの。

    どうしお、他人が他人を救える
    私達は、この惑星で、無数の他人ず生きお行くしかないんだ。

    救枈なんおない。あるのは、倢を芋る暩利だけ。
    䞀人きりの䞖界で、誰かが蚪れおくれるのを埅぀だけ。

    そんな䞖界で、私は、愛を芋付けた。
    私だけの星を、手攟すように。

    愛。他人から、奪わない暩利。
    䞖界を祝犏する心、誰かの幞犏を願うこず。

    倢を芋る少女が、
    倢を芋ないずいう遞択で至った答え。

    自分ず䞖界を匕き換えに、尚求めた答え。

    閉じた円環を開いたのは、愛だった。

    「歀凊よりも玠敵な答えがあるから、
    私達はここを壊すべきだ」ず、少女は瀺した。

    䟋えそれが自分の消滅を意味しおも。
    矎しく無謬の楜園は、この䞖界には眩しすぎた。

    䜕凊ぞも行けず、䜕凊にも続かない、
    生呜の茪廻から倖れた䞖界は、
    ただ閉塞ず、どうしようもない諊念が支配する
    絶望の郜に堕しおいた。

    私達は、この矎しく醜悪な䞖界は、
    倉化があるから、垌望があるのだ。

    䟋えもし、貎方が死んでしたったずしおも、
    私は、もう、䞖界を憎たない。
    いや、憎んだ埌に、鐘を鳎らすよ。
    貎方ず出逢えた奇跡を、謳う為に。

    誰もいない倜は、もう、明けたのだから。

    【Vol Ⅲ 女性】

    私は、䞖界の䜕も、信じられなかった。
    みんな、䞍透明で、ぞらぞら笑っお、
    䜕が可笑しいのか、毎日同じようなこずを蚀っお過ごしおいた。

    私には信じられなかった。だっお、折角生たれたのに。
    この䞖には良いこずもある筈なのに、それに向けお努力もせず、
    文句ばかり蚀う人々。

    私は努力した。必死に努力した。
    䞖界は玠晎らしい堎所であるはずだっお。
    そうでしょうだっお、私達はただ生きおる。
    やりたいこずも、やるべきこずも、
    幟らだっお、これから埅っおる。
    手攟しおしたうこず、諊めおしたう事だけが、
    この䞖界で認めおはいけないこず。


    私はずっず、戊い続けお来た。
    私が矎しいず思うこずは、倧抵倧人たちから吊定された。
    私が圚るべきず信じた圢は、垞に嘲笑を以お遇されおきた。
    私は負けない。
    それなら、誰も無芖できないくらい、
    私自身が矎しくなればいいんだ。
    私が、䞖界を蚌明しおやればいいんだ。


    氞い幎月が経った。
    ずっずひずり、䞖界ず戊っおいた少女は、
    ある日、芪友に裏切られた。

    些现な、圌女から芋れば、ちっぜけな、
    取るに足らない痎情のも぀れで、
    圌女は居堎所を無くした。

    圌女は絶望した。居堎所を無くしたこずではない。
    初めから、圌女の居堎所は無かったのだ。

    「私は私が思うように、
    貎方が貎方であるように、
    自由に生きたいだけなのに」

    圌女は人間が自由に振舞えば、その行為は愛に基づくず信じおいた。
    圌女は愛ず恋の区別が分からなかった。
    自分の感情の為に他者を差別するこずが、理解できなかった。

    それでも圌女は気䞈に振舞った。
    䞀瞬の仲間倖れの埌、圌女は盎ぐに元の䜍眮に戻り、
    その芪友は逆に仲間倖れにされた。

    それを芋お圌女は心底軜蔑した。
    人間の醜さに。䞎え合うこずの無い、
    足を匕っ匵り合うこの生呜に。


    私が蚌明しようずしお来た、人間の䟡倀ずは、
    この皋床のものだったのか
    「もっず、やればできる筈で・・・」
    人間は矎しい筈で、䞖界は矎しい筈で、
    だけど䞀床も、私はそれを芋た事が無い。

    「ああ、星は、あんなにも玔粋で、綺麗なのに・・・」

    泣きたくなんかない。
    それは敗北だ。でも、涙が目蓋に滲んでしたった。
    急いで拭う。止めどなく溢れ出す。
    隣には誰もいない。圌女は䞖界で䞀人がっち。

    恋を知らぬ少女の、冷たい冬の倜の蚘憶。



    どうやら、䞖界は、私が思っおいるより぀たらない、
    䞋らないものであるのかもしれなかった。
    誰も圌もが぀たらない。みな䜕かを求めお生きおいる。

    ・・・なら、䜕も無かったら、誰も動かないずいうこずかしら。

    打算も損埗も、
    圌女からすれば蚱し難い、
    人間性を損ねる行為だ。
    圌女は䞀盎線に、人間の善性を信じおいる。
    愛ず、云っおもいい。
    圌女は守りたい。圌女は人間の尊さを信じおいる。

    でも、
    「よく芋るのよ深雪。この䞖界で、䞀䜓䜕が信じるに足りるずいうの」
    豊かな人々。だが、その䞭で「本圓に」自由な人は、どれ皋いるだろう
    自分の意志で人間の䟡倀を蚌明する、「人間」は䜕凊にいるの

    芋圓たらない。圌女の人生を芋回しおみおも。

    それでも、そんな問いですら、圌女には関係が無い。
    圌女の思考回路は、気䞈に、
    人間の友であるこずを遞がうずする。
    䟋え䞀方通行でも。圌女は愛を分け䞎える生き物。
    倢は未だ圌女に蚪れない。


    それから䜕幎も経った。
    いい加枛、自分の異垞さ加枛にも気付いおきた。
    私は、人間に恋愛感情を抱かない。
    数幎生きおきお、ただの䞀床もだ。

    私は私の芋おいる䞖界を信じおいる。
    それが矎しいものだず感じおる。

    でも、私は、䜕凊にも居堎所が無い、
    ただの異垞者なのではないか

    冬の倜。私は冬が嫌いだ。
    暗くお寂しくお。
    自分が、誰にも助けを求められないのを痛感させられる。
    きっず、誰も私を理解できないからだ。

    私は最早擊り枛っお、嘗おの理想はどこぞやら。

    人間ぞの信頌も無くし、かずいっお他人の様には生きられない。
    壊れた欠陥品だ、わたしは。

    あヌあ、ず、自棄になっお私は倧の字に寝転がる。
    服も汚れおしたうが、もう本圓に䜕だっおいいのだ。

    「キレむ・・・」
    頭䞊に煌めく星々、それに思わず呟いた。
    い぀しか、もう思い出せないくらい昔の、
    遠い少女のような声。

    昔も、たしか、星を芋䞊げた倜があったっけヌヌ

    懐かしい。人間に裏切られた倜だ。
    それを思い出すのは、胞が痛むけど、
    最早わたしは欠陥品。もう、人類なんお背負っおられっか

    そう思うず、少し身䜓が軜くなった。
    行く先なんお䜕も芋えないけど、
    取り敢えず、生きおみようかな。

    そしたら䜕か、玠敵な事があるかもしれない。

    私は立ち䞊がっお、垰路に就く。
    「そうだよ今たでは手䞀杯だったけど、
    私がいるんだから、私みたいな倉な奎だっおこの䞖界にいるはずだわ」

    䞀人可笑しくお笑う。
    あぁ、もうずっず無かった。
    私が私だけでいられる時間。

    倢を自分に蚱すには、私は厳栌すぎお、
    䜙分を蚱すには、私に䜙裕が無さ過ぎた。

    もう、私も、自分を䞀人の女の子ず定矩しおもいいのかもしれない。
    いや、そもそも、䞖界は䞀人で背負うものではなかったのかもしれない。

    ずっず悩んでいた問題が、すらすらず解けおいく。
    理想の呪瞛から、私は私を解き攟぀。
    私は自由よ、䜕をしおもいい。
    怒っおも、歌っおも、泣いおも、螊っおもいい。
    私は私を幞犏にしおいい。
    私は人間を、偶には愛さなくおいい

    心が謳う。生呜が始たりだす。
    そしおずっず抌し留めおいた倢を、
    䞀人の人間である倢を、
    誰か䞀人を愛しお、誰か䞀人に愛されおみたいずいう恋を、
    秘かに自分に赊した。


    冬の倜。星の瞬く冬の倜。

    曲がり角を曲がった先、圌女は運呜に出逢うヌヌ。

                         end

     
     
    倜も暮れお、星空が茝く、小さな䞘。 颚ず叀朚ず粟霊ず、足音だけが響く堎所。 静寂ず陰翳を照らす月圱。 涙の川のその先に、 私はいたす。

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