「私の肌タイプって何?」意外と自分ではわからないもの
化粧品売り場で「お客様の肌質は、どのタイプですか?」と聞かれて、言葉に詰まったことがある。乾燥しているような気もするし、夏はTゾーンがテカる。昔「敏感肌」と言われた気がして、自分でもずっとそう思ってきたけれど、根拠を聞かれると自信がない。
肌タイプはスキンケア選びの出発点のはずなのに、意外と自分ではわからない。この記事では、調査データをもとに「肌タイプのわからなさ」の正体と、自宅でできる簡単なチェック方法を整理していく。
1. 肌質は「なんとなく自己判断」が多数派

医療法人社団鉄結会が2025年10月に行った調査(全国の20〜50代300名、インターネット調査)では、肌質を「自己判断」で決めている人が78.3%、皮膚科・美容皮膚科の診断で決めた人は18.7%だった。スキンケアを自己診断で選んでいる人は82.0%で、専門的な肌診断を受けた経験がある人は19.3%にとどまった。
これはクリニックが自社で実施したインターネット調査なので、全体の傾向をそのまま表しているとは限らない。それでも、多くの人が自分の感覚で肌質を決め、そのままスキンケアを選んでいるという姿は、私自身にも思い当たる。自己判断が悪いわけではないけれど、感覚と実際の肌がずれていても、気づきにくいのが難しいところだ。
2. 「敏感肌」と思っている人は多い。でも根拠は?

肌質を「敏感肌」と自己診断した人は42.3%、「乾燥肌」は28.7%だった。「敏感肌」と答えた127名に理由を聞くと、「アレルギー反応を経験した」が37.8%、「なんとなくそう思っている」が43.3%、「診断はされていないが症状がある」が18.9%だった。
調査をしたクリニックは、アレルギー反応の経験がない残りの約6割を、「明確な根拠なく敏感肌と自己判断している可能性」としている。ただ、これは「敏感肌ではない」という意味ではない。診断を受けていなくても症状で困っている人はいるし、アレルギー反応の経験がなくても、肌が揺らぎやすい人はいる。
大切なのは、「敏感肌だから」と決めてしまう前に、本当にそうなのかを一度見つめ直してみることだと思う。思い込みでスキンケアの選択肢を狭めてしまうのは、もったいない。
3. 肌タイプは大きく5つ。そして「インナードライ」
では、そもそも肌タイプにはどんな種類があるのか。再春館製薬所の肌質診断のページでは、肌質を次の5つに分けている。
乾燥肌:皮脂と水分のバランスが乾燥寄り
脂性肌(オイリー肌):皮脂と水分のバランスが脂性寄り
混合肌:部位によって状態が異なる
普通肌:皮脂と水分が理想的なバランス
敏感肌:バリア機能が低下した状態
そして、見落としやすいのが「インナードライ」だ。これは、肌の表面は脂っぽいのに、内部は乾燥している状態を指す。表面の皮脂が多いせいで、内部の水分不足が隠れてしまい、気づきにくい。
「テカるから脂性肌」と思い込んでいたら、実は乾燥が隠れていた、ということも起こりうる。見た目の印象だけで判断しにくいのも、肌タイプのわかりにくさの理由の一つだ。
4. 肌タイプは固定ではない
もう一つ知っておきたいのは、肌タイプは一生同じとは限らない、ということだ。
前腕の角層水分量を夏季と冬季で比べた研究では、角層水分量と皮膚表面温度は、夏季に比べて冬季に有意に減少していた(P<0.01)。季節という長期の環境要因が、角層水分量に大きく影響する可能性が指摘されている。
この研究が測ったのは顔ではなく前腕なので、そのまま顔の肌に当てはめることはできない。ただ、季節によって肌の水分状態が変わりうることは、実感とも合う。
さらに、50代の肌では、20〜30代と比べて新しく作られる皮脂の量が減るとされている。「若い頃は脂性肌だった」という人が、いつのまにか乾燥寄りになっていることも珍しくない。昔の肌質のイメージを、そのまま今の自分に当てはめていないか、振り返ってみる価値はありそうだ。
5. 自宅でできる簡単セルフチェック

Step 1: 洗顔して、やさしく水気を拭く
洗顔後、タオルを押し当てるようにして水気をとる。こすらないのがポイント。
Step 2: 何もつけずに5〜10分そのまま過ごす
化粧水や乳液をつける前に、5〜10分ほど待つ。
Step 3: T字ゾーンの状態を観察する
額・鼻・あごのT字ゾーンを観察する。つっぱるか、テカるか、べたつくか。頬の状態と見比べてみると、部位による違いも分かりやすい。
このセルフチェックはあくまで目安で、季節や体調によっても結果は変わる。かゆみやヒリつき、赤みが続くときは、自己判断だけで済ませず、皮膚科に相談してほしい。
まとめ
「私の肌タイプ」を見つめ直すポイント
1. 肌質を自己判断している人は78.3%、皮膚科の診断で決めた人は18.7%
2. 「敏感肌」と思っていても、約6割は明確な根拠がない可能性がある
3. 肌タイプは5つに大別でき、表面と内部がずれる「インナードライ」もある
4. 肌タイプは季節や年齢で変わりうる。洗顔後5〜10分放置のセルフチェックで今の肌を確認する
「自分の肌タイプ」は、一度決めたら終わりではなく、時々見直していくものなのかもしれない。次にスキンケアを選ぶときは、「たぶん乾燥肌」という思い込みを一度脇に置いて、洗顔後の自分の肌をじっくり観察するところから始めてみてほしい。
参考
医療法人社団鉄結会「『自分は敏感肌』と思っている人の約6割が、実は誤診断!? 肌質の自己診断と実際の肌状態に関する実態調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000056499.html
再春館製薬所「肌質・肌タイプ診断!乾燥肌・オイリー肌それぞれの特徴と2つのセルフチェック方法」 https://www.saishunkan.co.jp/domo/column/skin-troubles/skin_diagnosis/
日本生気象学会雑誌「前腕角層水分量に影響する要因―冬季と夏季の比較―」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/52/2/52_131/_article/-char/ja
再春館製薬所「50代・乾燥肌の基本|スキンケアの選び方や乾燥の原因について」 https://www.saishunkan.co.jp/domo/column/skin-troubles/dry-skin-care-50th/
