メインコンテンツへスキップ
見出し画像

《ショートショート》夢

    隼(ハヤブサ)

    「眠れないのかい?」

    耳元でそう囁かれ、仰天して飛び上がった。
    電気をつけると、そこには何とバクがいた。

    「確かに明日仕事なのに、色々考えちゃって眠れないの」

    「それは大変。僕が助けてあげるよ」

    バクはそう言って、甲斐甲斐しく働いた。
    ホットミルクを入れ、アロマキャンドルを焚き、仕事からプライベートに至るまで、私の悩み事を聞いてくれる。

    徐々に神経が落ち着き、心地よい眠気がやってきた。

    最後に私は尋ねる。


    「ねえ、どうしてこんなに助けてくれるの?」

    「そりゃ、君たちが夢を見てくれないと、僕らが困るからだよ。バクの食糧不足は深刻な問題なんだ」

    「夢が足りない時、あなたたちはどうしてるの?」

    「仕方がないから、子供たちの夢を食べてるよ」


    ああ、だから最近の子供たちは、あまり大きな夢を語らなくなったのか。







    あなたへのおすすめ