
💀魔王失格💀
ーーーーーあらすじーーーーー
魔王は「ふしぎ」に思っていた。
「なんで魔王って勇者を「待って」るの?」
「待ってないで自分で攻めてけばいいのに。」
魔王は「勇者」を滅ぼす旅に出る。
「勇者」を滅ぼしたあと「魔王」を待ち受けるものとはいったい………。
登場人物:①魔王
②側近
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ぼくは魔王
ぼくにはわからないことがある。
だから、側近に聞いてみた。
ねぇ、なんで「魔王」って勇者を「待って」るの?
…………。
側近は、答えない。
「いろんな世界」の「魔王」を見てきたけど、みんな勇者を「待って」るよね?
なんで?
………。
まるでみんな殺されるのを「待って」るみたいだよ?
………。
あとさあ、みんな「歳」食いすぎじゃない?何百歳とか何千歳とかさあ。
………。
何百年も何千年もなんで誰ひとり「世界征服」できないの?
………。
「無能」なの?あいつらは。
………。
あとさあ、なんで「勇者」が強くなってから戦おうとするの?
………。
見てるとみんな余裕かましてるよね?
………。
「勇者」をナメてるの?
………。
強くなる前に殺しちゃえばいいのに。
………。
みんなワザと「勇者」に殺されてるようにしか見えないんだけど?
………。
ぼくら「魔王」は、まるで「勇者」に殺されるためだけに存在する生きものなんじゃないかって思えてくるよ。
………。
ぼくは嫌だよ。
なんでこんなバカでかい城で「勇者」を「待って」ないといけないの?
ぼくは行くよ。
「勇者」を滅ぼす「旅」に出る。
「勇者」を滅ぼしたあとは、人間界に「魔王軍」をよこせよ。
それで人間を滅ぼしてめでたく「世界」ゲットだよ。
魔王は側近に自らの行動方針とその後の指示をした。
魔王さま………。
ここまで沈黙を守っていた側近がはじめてことばを発した。
承知致しました。
魔王さまが「勇者」を滅ぼした後、速やかに人間界に軍を差し向けましょう。
魔王さま、ひとつ進言致します。
魔王さまは、「魔王」という存在の意義、役割を理解されておりません。
「理由」があるのです。
なぜ「魔王」がみな城で「勇者」を待つのか。
なぜ絶大な力を持ちながら、誰も世界を征服しないのか。
なぜ「勇者」が強くなってから戦うのか。
魔王さまは絶大な力をお持ちです。
あらゆる世界の「魔王」と比較しても遜色ないレベルに御座います。
恐らく魔王さまが旅に出て、「勇者」を滅ぼすのにそう時間はかからないでしょう。
「勇者」を滅ぼした暁には、魔王さまの疑問にわたくしがすべてお答え致しましょう。
道中お気をつけて……。
お帰りを、お待ち致しております。
(なに言ってんだコイツ………。)
魔王は、ひとり城を飛び出し、人間界へ向かった。
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殺しまくった。
人間界についてから「勇者」がいる場所へ行き、片っ端から殺して回った。
ぼくは、人間界へ行く前に「魔族の占い師」に「勇者」の居場所、外見、強さなどを確認させ脳みそにインプットしていた。
さらに、修行中の者や、将来「勇者」になる子ども、これから「勇者」を産む者など、女子ども関係なく容赦無く殺した。
ついでに「戦士」や「魔法使い」など、ぼくの邪魔をしてきそうなやつらも「勇者」ごと殺していった。
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7日後
ぼくは、「勇者」を滅ぼした。
ぼくの指示どおり、「側近」は即座に人間界に「魔王軍」を差し向けてきた。
さて、当初の目標は達成した。
城に帰り、人間が滅ぶ様を高見の見物と洒落込もっと。
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おかえりなさいませ、魔王さま。
うん、ただいま。
人間界への旅はいかがでしたか?
うん。楽勝だったよ。まぁまぁ強いヤツもいたけれど、まだレベル低かったから瞬殺だった。
左様で御座いますか。それは何よりで御座います。
あとは、人間が滅ぶ様をゆっくり見物するよ。
あっ‼️そうだ‼️
今回のぼくの活躍を「記録」に残さないと‼️
なんたってぼくは「勇者」を討ち取り、「世界征服」を達成する史上初の「魔王」になるんだから‼️
記録映像撮ってるでしょ?見せて‼️
御意に。
側近は魔王に7日間の「旅」の記録映像を見せた。
あ〜‼️こんなやついたなぁ‼️懐かし‼️たった数日前のことだけど‼️
魔王は映像に魅入っている。
あっ‼️この糞餓鬼‼️めっちゃナメた態度の糞生意気なヤツ‼️腹立ったからソッコー首チョンパしたっけ‼️
あっ‼️このオンナ‼️後に「伝説の勇者」を産む予定だったヤツ‼️妊娠中だったけど、産まれたらウザいから母親ごと殺したんだった‼️
それから‼️
それから❗️
それから………。
あれ?なんか、飽きて来ちゃったな……。
どれもこれも変わり映えしない映像ばっかだし……。
ふわぁああ〜
なんだか眠くなってきたなぁ………zzz
魔王は眠りについた。
ーーーーー💀ーーーーー
……ま。………さま。…………魔王さま。
側近は、ソファでよだれを垂らし、爆睡する魔王をゆすって起こす。
う〜ん……、もぅころせないよぉ〜……むにゃ。
側近は、魔法で魔王に火を点けた。
うぎゃああああああああああああ‼️
燃え上がる魔王のからだ。
側近は、魔法で火を消した。
何すんだてめぇ‼️殺す気か⁉️
おはようございます、魔王さま。
ん?あれ?ぼく寝てた?
それはもう「7日間」ほどグッスリと。
え?そんなに?
旅の疲れが出たのでしょう。「お食事」などいかがでしょう。
ぐうぅぅ〜……。
そういえばお腹すいたなあ。うん食べる。
こちらへ……。
魔王は、側近に手を引かれ食堂へ向かった。
ーーーーー💀ーーーーー
くちゃくちゃグチャグチャボリボリッ……。
くちゃくちゃグチャグチャボリボリッ……。
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ…………。
静かな食堂に魔王の下品な咀嚼音がこだまする。
ちなみにメニューは、彼の大好物「人間の指ソテー」盛り合わせ。人間約1,000人分の指が巨大な皿の上に山盛りになっている。
魔王さま、いかがでしたか?「冒険の旅」の記録は。
くちゃくちゃくちゃくちゃ…………う〜ん……なんてゆうか………くちゃくちゃ……最初は楽しかったんだけどね……くちゃくちゃ…………。
ほう。最初は、と申しますと?
くちゃくちゃ…………なんか……見れば見るほど、「単調」てゆうか、最後の方なんてぼく飽きて来ちゃっててさぁ。めんどいから村とか街とか国ごと魔法で消しちゃってたんだよ……。
ほう。ほう。して、魔王さま「冒険の旅」の感想をひとことでおっしゃられるならば?
つまんない。

バンッ‼️
ズガンッ‼️
ドンッ‼️
パリンッ‼️
ばらばらばらばら……。
側近はテーブルを力強く叩いた。
テーブルは真っ二つに割れ、「人間の指ソテー」盛り合わせは吹き飛び、床に散らばった。
うわっ‼️びっくりした‼️イキナリ何⁉️あー‼️ぼくの「指」が‼️
そうなのです‼️
魔王さまっ‼️
なんだよ⁉️イキナリ‼️ぼくの「指」どうしてくれんの⁉️
魔王さまの冒険は‼️
つまらないのです‼️
うるさいなあ‼️わかってるよ‼️
なんだよ‼️いつもはボソボソ喋るクセに‼️
魔王さまの冒険がつまらないことを実感いただけたところで、わたくしが「魔王の存在意義、役割」について講義致します‼️
居眠りなどしようものなら容赦無く燃やします‼️
心して聞くのですよっ‼️
(コイツ、キャラ変わってね?)
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側近による「地獄の講義」がはじまった。
講義に要した時間は24時間を超えた。
魔王は、講義中何度も気絶したがその都度、側近の魔法によりからだを焼かれ、叩き起こされた。
講義内容を要約すると以下のとおりとなる。
💀存在意義について💀
「勇者の冒険」における最終目標
魔王を打倒した後、世界に平和が訪れる。
スタンダードな「勇者の冒険」のエンディング
おわかりですか⁉️
魔王とは「勇者」に「打倒」される使命を負っているのです‼️
その「宿命」は過酷であり儚いものなのです‼️
魔王さまのように、自ら「勇者」を殺して回るなどもっての外‼️
論外です‼️
💀役割について💀
世界を滅びない程度の「危機」に陥れる。
乱世の象徴として城で「勇者」を待ち受ける。
主役は「勇者」であり、「魔王」は脇役
魔王さまは何を勘違いなされたのか、まるで物語の「主役」かのごとく立ち振る舞われた‼️
全くもって言語道断‼️
恥を知りなさい‼️
だんだん魔王の眼に「涙」が浮かんできた。
そして魔王さまは、「世界征服」を達成しようとしておられる‼️
魔王さまは、
「魔王失格」です‼️

とどめのひとことだった。
ついに、魔王の眼から「涙」が溢れ出した。
しかし側近は許さない。
「歳」の話をしましたね⁉️
何百年、何千年も誰ひとり「世界征服」できていないと‼️
他の世界の「魔王さま」たちを「無能なのか?」と口汚く罵りましたね⁉️
若干12歳の「糞餓鬼」の魔王さまにご理解頂けるか甚だ疑問ですが、敢えて言います‼️
他の世界の「魔王さま」たちは、待ち望んでおられたのです‼️
自分たちを打倒し得る「真の勇者」があらわれる日を、今か今かと‼️‼️‼️

魔王は背筋に稲妻が走ったかのような衝撃を受けた。
魔王さま‼️
いい加減目覚めるのです‼️
御自身の「宿命」に‼️
魔王は、何も言い返すことができずにいる。
……ふぅ……少し講義に熱が入りすぎましたが、わたくしからは以上になります。
何か質問は御座いますか?
?あら、魔王さま。
泣いておいでですか?
まだ、「幼い」魔王さまには刺激が強すぎましたか?
側近は、ワザとらしく挑発めいた物言いをする。
魔王は、だんだん怒りが込み上げてきた。
「涙」に、「血」が混じり始めている。
思えばお食事の途中で御座いましたね……。
今代わりをお出し致します。
側近は、魔法で先ほどと同じ盛り合わせを出して魔王の目の前に置いた。
食べ終えたらさっそく「魔王の修行」を開始致します。年齢的にも頃合いだとわたくしは思っておりました。
魔王の存在意義、役割を実感していただけた今がベストなタイミングであると思慮致します。
さっ魔王さま……お召し上がりください。
ガシャン‼️
魔王は盛り合わせを手で弾き飛ばした。
皿が割れ、「指」がそこら中に散らばった次の瞬間

側近の強烈な「右の拳」が魔王の顔面にダイレクトヒットした‼️
「食べ物」を粗末にするとは何事です‼️
側近は、先ほどの自己の行いを棚に上げて言った。
この一撃で、魔王は絶命したが、側近によって即座に蘇生させられた。
もはや、めちゃくちゃだった。
側近によって無理矢理食事を詰め込まれる魔王
「血の涙」を流しながら魔王は思った。
見てろよ糞ババア‼️強くなって、必ずおまえをぶっ殺してやるからな‼️
かくして、側近による「魔王の修行」がはじまった。
それは、魔王にとって自ら「死」を願うほど過酷なものであった。
果たして、魔王は修行を終え、「合格」することができるのか?