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​【祖母の台所から、今の私の暮らしへつなぐ味】③ 深夜の台所で仕込む、鳴門オレンジと玉ねぎ麹のアジ南蛮

    この前作ったイサキがきれいになくなったので、今度は昨日もらったアジで南蛮漬けを作ることにした。

    ​ただ、今日はなかなか「魚をさばくぞ」という気分になれない。アジは鮮度が大事だと分かっているし、早く下処理をした方がいいことも分かっている。それなのに体はなかなか動かず、気づけば時計は深夜を回っていた。

    ​このままではいけないと、ようやく重い腰を上げてまな板を出す。静かな台所でアジを3枚におろしながら、ふと祖母のことを思い出した。

    ​静かな夜、魚屋さんのようだった祖母の手元

    ​祖母は料理がとても上手な人だった。魚をもらってくると、まるで魚屋さんのような手際でアジやサバをさばいていた。その様子を見るのが好きで、子どもの頃は隣でじっと眺めていた記憶がある。

    ​祖父がお酒のあてに魚料理を楽しそうに食べていた姿も、今では懐かしい思い出だ。

    ​まずは塩を振して余分な水分を引き出し、酢で塩を洗い流してから骨を取る。今回は揚げずに、そのまま南蛮漬け用の調味料へ漬け込むことにした。

    ​自家製麹と地元の果実。未来の自分への贈り物

    ​自家製「玉ねぎ麹」を塩代わりに少し加えてみた。玉ねぎの甘い香りと旨みが調味料に溶け込み、揚げない南蛮漬けでも十分満足感がある。

    ​さらに「鳴門オレンジ」の果汁を合わせると、酢の酸味がやわらぎ、酢があまり得意ではない私でも食べやすい味になった。

    ​冷蔵庫に入れておけば、何もない時でもさっと一口つまめる。深夜の台所で仕込んだ小さな保存食は、未来の自分への贈り物のようでもある。

    ​形を変えて、確かに受け継がれていくもの

    ​南蛮漬けを作るたびに、魚をさばいていた祖母の姿を思い出す。少しだけ懐かしく、少しだけ寂しい。それでも料理を通して記憶に触れられることが、今の私にはうれしい。

    ​冷蔵庫の中には、2〜3日分のタンパク源。 そして心の中には、祖母との思い出がひとつ残った。

    ​祖母が作っていたのは南蛮漬けではなく、アジやサバの酢の物だった。それでも魚をさばき、酢を使った料理を作るたびに、あの頃の台所を思い出す。

    ​同じ料理ではなくても、料理をする手や味の好み、食べる人を思う気持ちは、確かに受け継がれている気がする。

    ​魚をさばくたびに思い出す祖母の姿は、今も私の台所の原点になっている。

     
     

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    なんとなく、いい方へ(自分の”好き”を大事にしながら) 居心地のいい空間や唯一無二の味に出会えるカフェ巡りを楽しんでいます。 このnoteでは、紹介というよりも「こんな場所に行ったな」「こんな事あったな」と後でふと思い返せるような記録として残していきたいです。

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