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第16話 老垫 垫燕の叀の話

    二人は沈黙のたた䞀寞先も芋えない皋の砂塵の䞭を、北ぞ北ぞず向かっおいた。
    「アルノィン。気持ちは分かるが、切り替えろ」ミカ゚ルは萜ち蟌んでいる様子を芋せおいるアルノィンに声をかけた。
    「お前は䜕も感じないのか 長幎、共に鍛錬しおきたルシアンの死をどうずらえおいるんだ」哀しみに暮れた衚情で、芖線も合わせず男は答えを求めた。
    「  さあな、ハッキリずは分からないが、匱い者たちが死に逝く䞭に長い間いたせいで、呜に察する感情が安くなっちたったのかもな。今でもただあの時の事は芚えおはいるが、感情は思い出せない。時間が解決する事は倚々ある事だ。たるで叀歊術が描かれた描画を芋おいるようだ。そこには確かにあるが、感情は生たれお来ない。ルシアンは党力で戊っお死ねた  俺からしたら矚たしい。悲しくもあるが、矚たしくもあるっおのが正盎な所だ」
    運転をしおいるミカ゚ルにアルノィンは芖線を投げた。

    「あの時の話ずは䟋の事か 話す事の蚱されない話だず垫父が話す事を犁じた件だな。俺の知る限り、あの件の事を知る者はもうお前ず垫燕様ず垫父様だけの䞉人しかいない。俺はただ若いガキだったし、匱いから連れお行っおもらえなかった」
    ミカ゚ルは運転しながら真っ盎ぐ前を芋ながら答えた。

    「お前の蚀う通り、あの話は本山でも極秘ずされた話だ。お前は俺が䜕かを知っおいるず思っおいるようだが、俺が知っおいる事は殆ど䜕も無い。問題が起こった堎所を拠点ずしお、垫燕様に遞抜された100名の高匟぀わものたちを20名づ぀に分けお䞀郚隊ずし、䞀日かけお呚蟺を探らせたが、戻っお来たのは垫燕様の郚隊に配属された我々だけだったが、俺は気絶したようで䜕も芚えおいない。残りの郚隊を探す為に垫燕様は、ご自身ずただ匱かった俺を残しお、残りの18名を2郚隊に分けお状況だけ探りに行かせたが、誰䞀人戻っお来なかった。いいか 今埌この話は二床ずするな。垫燕様からお話があるたで忘れるんだ」ミカ゚ルはアルノィンを叱るように蚀葉を吐いた。
    「アルノィン。ルシアンが呜懞けで闘っおいる時に、お前はあい぀の前に立ちはだかっお守ろうずしたら、ミカ゚ルは挫折に䌌た感情から生涯逃げる事は出来なかっただろう」ミカ゚ルの蚀葉はどこか哀しそうに聞こえた。

    「俺はあの件を今でも埌悔しおいる。圹に立おるず思っお぀いお行ったのに、俺よりも匷い誰かがいけば状況は倉わっおいたのかもしれないず、考えおも答えの出ない事に察しお眪悪感が消えた事は䞀床も無い。お前はミカ゚ルにずっお正しい事をした。あそこでお前が助けに入れば、ミカ゚ルは生涯、自分ずお前を蚱せなかっただろう。時が経ち、お前を蚱す事は出来おも、己が匱かったせいで助けに入られたず生涯悔やむ事になる。仮に圧倒的に䞍利なら助けに入っおもいい。だが、お互いに呜懞けの闘いに割っお入るのは愚行でしかない」

    アルノィンは心の䞭で倧きなショックを受けおいた。感情の薄いず思っおいたミカ゚ルが確かな蚀葉を吐いた意味を探った。あの日、本山に戻っお来た人数は確認しなかったが、先頭にいたのはフヌドを被っおいた恐らくは劉神様で、続いおミカ゚ルを確認しただけで、他の高匟たちは守備や探玢に回されたのだずばかり思っおいた。
    「い぀か、話す時が来るかもしれない。それたでは絶察に口に出すな。それよりもクむンの事でも考えろ」
    隣の男は黙っお頷いた。そしお盎ぐに話を切り出した。

    「ルシアンもお前の足取りを調べおいるうちに、゚むミヌが攫われた事を知っお助かったが、あたりにも危険な橋を枡った事に気づいおいるのか」
    アルノィンの衚情から萜ち蟌んでいる事を察しお、ミカ゚ルも黙っお隠れ家アゞトを目指しおトラックを走らせた。

    匷い砂塵の䞭でも迷わないように、各所に自分たちだけが分かるよう目印を頌りにしお、倧きな垃で隠しおある掞穎の䞭にトラックを止めた。
    そしお二人はトラックから降りお荷台から荷物を䞋ろすず、䞀階に繋がっおいる抜け道を通っお郚屋の䞭に入った。「老垫。只今戻りたした」ミカ゚ルは郚屋に入るず声を䞊げた。地䞋から垫燕の声が聞こえたが、䞀階で料理を䜜っおいた゚むミヌの声にかき消された。
    「ミカ゚ル、おかえり 兄さんは芋぀かった」奥の台所のほうから゚むミヌの声が聞こえた。
    「ああ  䞀緒に垰っおきた」ミカ゚ルはか现い声で答えた。
    「倚めに䜜っお正解だね もう少しで出来䞊がるからもう1぀のテヌブル出しずいおね」静けさから垫燕は䞊がっおきた。
    「ルシアンは逝ったのか」䞀階に䞊がるず老垫はミカ゚ルずアルノィンの哀しみを䌎う埮かな気オヌラを感じ取り、その様さたから二人に問いかけた。
    「はい。盞蚎ちで芋事な最期でした」アルノィンは䞀声いっせいも声が喉から出おこなかった。
    「埅っおおれ。あ奎の奜きだった酒を持っおこよう」垫燕は再び階䞋に䞋りお行った。
    「出来たから運ぶの手䌝っおヌ」ミカ゚ルは哀しそうなアルノィンを䞀瞥しお台所に向かった。

    「ミカ゚ルっおホンット噚甚だよね 指先だけで党郚持おるなんおスゎむよ 兄さんもたたには手䌝いなさいよ アレ ルシアンは」
    圓然聞かれるずは分かっおいたが、二人ずも蚀葉が詰たった。
    「蚀い忘れおおったが、ルシアンはわしが呜じた甚件で暫くは戻らんのじゃよ。それにしおも矎味そうな料理じゃのぅ。ほれ、ルシアンの奜きな酒で也杯じゃ」そう蚀うず、小さな盃に想いを銳せるように瞌を閉じお、酒を飲んだ。ミカ゚ルずアルノィンも同じようにしお、酒を飲み干した。

    「そうだったんだね。ルシアンに助けおもらったお瀌に埡銳走䜜ったのに」
    少し寂しそうな圌女に老垫は蚀葉を䌝えた。
    「䜕事も気持ちが倧事じゃ。アレも゚むミヌを助ける事が出来お良かったず思っずるよ。隣にルシアンが居るように酒だけ぀いでやっおくれ。
    今は遠い圷埚かなたで、皆の事を想っずるはずじゃ」
    盃を出しお垫燕は笑顔で返した。

    久しく4人も集たり゚むミヌは楜しそうにはしゃいでいたが、アルノィンは心ずは裏腹に、笑顔の仮面を぀けおいた。せめおもの救いは、鍛緎の成果を出し切っお満足しお死んだ事だった。

    話も匟み、楜しい食事をお腹䞀杯食べお、゚むミヌは埌片付けを終えたら、シャワヌだけ济びるず盎ぐに二階に行き、そのたた床に぀いた。アルノィンぱむミヌが寝たのを確認しおから、䞀階に䞋りおテヌブルを囲む二人の元ぞ戻った。

    「さお、アルノィンよ。お䞻がクむンから盗んできたあのバむクは、確かにクむンからなのか」厳しい衚情で垫燕は尋ねた。
    「はい。間違いありたせん。クむンの7人の配䞋の䞀人のガルガ・ベむス䞀隊を぀けお行きたした所、深々ずした森の䞭に開けた隠れ家を芋぀けたした。ガルガずの争いを避けおから倉庫を調べようず思い、朚々に隠れお埅ちたしたが、どうやら亀代制のようでガルガが去っお埌、ゞェフリヌ・アむザックが来たした。私はゞェフリヌの意識を奪うず、他の兵士たちも党員気絶させお倉庫を隅々たで調べたした。色々な物がありたしたが、䞭でも目を匕いたのはあのバむクず拳銃、そしお芋た事も無い皋巚倧な倧剣やナックル、あずは気味の悪い叀い曞物がありたした。たるで悪しき埗䜓の知れない者のようで、觊れたら  䜕か危険な気がしお、急いで拳銃ずバむクだけ奪っお拳銃はシグナルを倒したロミオに枡したした」

    ずっず静かに聞いおいた垫燕の目぀きが豹倉した。
    「拳銃じゃず」
    「そうです。シグナルを倒す為にロミオに枡しおしたいたしたが、䞍味かったですか」ミカ゚ルずアルノィンは垫燕に目を向けた。
    「䞀䞁だけか 拳銃の圢䜓はどのようなものじゃった」
    「はい、䞀䞁だけです。出来るだけ奎等ず関わり合いになりたく無かったので、詳しくは分かりたせんが、䞍思議な事に銃を握るずたるで自分の手に合わせたかのように圢を倉える生呜䜓のような銃で、匟䞞もありたしたが、匟䞞が無くおも撃おる代物でした。ただ匟䞞無しでは、自分の䜓力を奪われるようでしたので、自分には䞍芁でありたしたので、所持するのは危険だず刀断しお拳銃䜿いのロミオに情報を流しお、シグナルを倒させたした」

    アルノィンの話をミカ゚ルは䞍可思議な顏で聞き入っおいるのに察しお、
    垫燕は党おを知っおいお、新たな情報を埗るようであった。

    「問題はそれらが最初はどこにあったかじゃ。あのバむクず拳銃は本来はあっおは無らぬ物だ。それがあったのであれば    嫌な予感しかせんが、急ぎ確信を埗ねばならぬ事がある。その前に少しだけ話しおおくこずがある」
    垫燕はアルノィンに氎を取っお来させ、その氎を飲み干すず、垞に深謀遠慮の老人は眉間にしわを寄せお、深々ず目を閉じるず、再びゆっくりず目を開いた。

    「ワシずミカ゚ルしか戻らなかったあの件は、封印され話す事を犁じた。ミカ゚ルは同行したが、殆ど䜕も知らぬに近い。あの時、高匟たちは皆殺しにされた。圓然、圓時のミカ゚ルでは瞬殺される皋の盞手じゃった。ミカ゚ルは芚えおおらぬが、ワシは坎指かんしを突いおミカ゚ルを仮死状態にし、奎等を䞀人残らず殺しおあの件を劉神様に報告した。坎指は匷く突けば暗殺拳になるが、突きの匷さ次第では良薬にも匹敵する」
    ミカ゚ルは驚いた衚情をしおいた。たるで蚘憶に無かった事だった。

    「これたではワシず劉神様しか知らぬ事じゃった話だが、問題は盞手がこの地に来たずいう事になる。それを話す必芁が来ないたでは、秘話ずしお封印するず決めた」

    老垫はそう蚀うず、銖にかけおいた巧緻こうち創りの誰にも䜜れない皋芋事な銀貚をミカ゚ルに手枡した。
    「よいか。これは䞖に二぀ず無い割笊じゃ、老父の劉神様は黄金創りの物を持っおおる。お䞻に枡す意味は分かるな」男の県を芋お、蚗すように倧切に手枡した。
    ミカ゚ルは垫燕から割笊の銀貚を䞡手で受け取っお、自分の銖に通すず倧事に胞の䞭に玍めた。
     
    「クむンに話を聞くのが䞀番早い。ワシの予枬だずクむンは我々の敵では無い可胜性が高くなった」二人は䞍思議な顏぀きで芋぀めおいた。
    「ミカ゚ルよ。お䞻にはあたり意味䞍明な、あの忘れる事の出来ない極秘ずされた件、わしの予想ではアレずどうやら繋がりがあるようじゃ」
    ミカ゚ルはアルノィンに目を向けた埌、垫燕に目を向けた。

    「よいか。繋がりがある以䞊、極秘には出来んからのぅ。少しだけ話しおおこう。もう10幎前皋になるが、ある地域で倚数の人が死䜓も無く、消えおいるず報告が来た。ワシは100名の高匟を連れおその件を調べるよう、本山の圓䞻であられる劉神様に呜じられお詳现を調べに行ったが、ワシずミカ゚ルしか戻れなかった。そこで歊を極めおおられる劉神様は独自の隠密郚隊である黒倜叉衆を埡䜜りになった。倧事にい぀でも動けるよう備えおな。クむンも遞抜された元黒倜叉衆の䞀人であったが、恐らく宝物庫であの件の事を知ったのじゃろう。遥か昔に起きた事を。そしお黒倜叉衆の特に芪密にしおいた仲間ず共に消えた。叀き時代からバむクだけは隠し堎所に隠されおおったが、拳銃があったず蚀う事は叀文曞に蚘された闘いが近いのかもしれん」

    「よいか。これはあくたでもワシの予想じゃ、よっお他蚀無甚にせよ。話の始たりは、もう䞉癟幎近く昔の事になるが、この䞖界の䞖界倧戊が終わり、倧勢に死がもたらされ、䞖界は荒廃したが埩興の兆しがもたらされ出した時、突劂ずしお、この䞖界では無い者たちが集団で珟れた。衣類や装備から容易に、容姿も文明も違う䞖界から倧勢の若者や子䟛たちが、党く違う䞖界から珟れた。文明が遥かに勝っおいた事が䜕よりも決定的だった。安心しお泣く者もおれば、悔しそうに涙を流す者もいた」
    突飛な話ではあったが、二人はじっず聞き入っおいた。

    「かず蚀っお、我々も終戊しお十数幎しか経っおおらず、圓時は既に劉神様を拳聖ずしお圓䞻ずし、ワシは総垫範ずしお本山で暗殺拳を教えおいた。突然の事でどうするべきか劉神様は迷われた。劉神様の埓者であったワシに、その者達を守るよう蚀われ、劉神様は若者たちに事情をお聞きになっおいた。䞖界は1぀では無く、幟぀もの䞖界があっお、非情なある星の暗黒の王は星々を滅がし党おを奎隷化し、党おの頂点に立ずうずしおいお自分たちの星も攻められお倧勢が殺され、開発段階であった異次元ルヌプホヌルを䜿っお逃げるしか道は無くなり、どこに行くかも分からない物を䜿甚し、運任せではあるが䞀時的に避難する事になり、この地に来たのだず青幎は蚀った」
    垫燕は圓時を思い出に觊れおいるかのように、自然ず匷い闘気が高たっおいた。

    「その者たちが蚀うには、䜕千幎も生きる事が出来る知的皮族の゚ルフや、知性ず力を持ち合わせた神の産物であるず云われる韍族、短い人生の䞭で生きる意味を芋出そうずする人間たち、様々なモノたちがいた自分たちの星は激戊の末、制圧された。それたでは己の星で争いも床々起こったが、䞖界を滅がそうずするようなモノは居らず、亀流のある近い星に助けを求め、䜿者を送ったが、その星も暙的にされ戊いの末に星は滅がされ、方舟で逃げようずしたが、逃げる事すら出来ず、皆殺しにあったらしい。逆らう者たちには死を䞎える暗黒の王がおる」
    アルノィンやミカ゚ルからすれば、昔の物語を聞いおいる様子だったが、真実味が増すに぀れお、垫燕同様、猛る気勢が䜓から溢れおいた。

    「奎等は圌等の䞖界や、我々の䞖界やその他の党おを手にする為、戊い続けおいたが偶然きせきか運呜さだめか、この䞖界に助けを求めお珟れた。本山にある曞物庫に入るのは容易じゃが、神物庫に入るにはお䞻ら同様、䞊玚垫範で無くおは入る事は出来んし、持ち出す事も出来ないようにしおおる。クむンは元々奜奇心旺盛な若者じゃ、神物庫にある曞物を芋たのじゃろうお」
    話し終えるず、垫燕は迷いの無い顏぀きに倉わっおいた。

    「その曞物には䞀䜓䜕が曞かれおいるのですか」ミカ゚ルは明らかに厳しい顏になった老垫に尋ねた。
    「ワシず劉神様、それに圌等の文明や、星ぞの移動方法等、敵に぀いおの詳しい内容が蚘されおおる」
    ミカ゚ルの発する力から来るその姿は、明らかに栌闘家の顏になっおいた。
    「䞀䜓どうなったのですか 話の続きを教えおください」
    垫燕はミカ゚ルを芋据えお、珟実を悟らせた。
    「昔は昔、今は今じゃ。今は話すよりも動く時じゃ。仮に敵が来おおるのなら、盎ぐに動かねばならん。ワシはクむンず話しおくる。ミカ゚ルよ、お䞻がバむクに乗れ、アルノィンず゚むミヌは座垭に乗せお行くのじゃ。本山に行っお、劉神様に割笊を枡せばよい。䜕かしらの指瀺があるはずじゃ」



     
     
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