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アプター(Apter M. J.)の反転理論

     上淵(2004)は、Higginsの制御理論の他に感情と関連する動機づけ理論として、Apter(1989)のリバーサル理論と、Csikszentmihalyi (1990)のフロー理論を上げています。どちらの理論でも、動機づけに基づく行動そのものが目的となるような種類の動機づけについて述べられており、このような動機づけをApterはparatelic(超目的)と呼び、Csikszentmihalyiはautotelic(自己目的)と呼びました。  
     ジェット・コースターやお化け屋敷で楽しみを感じたり、ロック・クライミングに没入したりする人々がいることは、このような種類の動機づけにより説明されます。雨宮・生田(2008)は、19世紀の人間であるフロイトは低覚醒度が快である点を強調し、20世紀半ばの最適覚醒理論は、適度の覚醒が快であることを主張し、20世紀後半のフロー理論とリバーサル理論は、高覚醒の快を重視しているとした上で、その理由として、社会が豊かになるに連れて、生存を確保するための生真面目な目標志向の状態から、より活動そのものの享受と遊びを重視する状態に、強調点が変更されたためだろうとしています。
     Apterのリバーサル理論は動機づけのスタイルとして、8つのスタイルを持ちますが、その中で順応志向(conformist)における目的志向(telic)と超目的志向(paratelic)についてお話します。(fig.1)
     目的志向とは、達成(achievement) に中核的価値をおき、強い意義を望む、真面目なやり方の動機づけです。超目的志向とは、面白さ(fun)に中核的価値をおき、強い意義を望まない、遊び心の動機づけです(Apter, 2001)。目的志向状態では、高覚醒が不快の不安(anxiety)になり、低覚醒が快のリラックスになります。逆に超目的志向状態では、低覚醒が退屈(boredom)の不快、高覚醒が興奮(excitement)の快となります。
     さきほどのHigginsの制御焦点は達成に中核的価値をおいていたので、促進焦点(高達成)、予防焦点(望ましくない状態の低達成)ともに目的志向とも言えます。

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    感情熱力学の研究をしております。フリーで、アブダクションを使ったアイディエーション、ワークショップのファシリテーション、定性調査のディレクション、インタビュアー、分析推論なども行っております。

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