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芋出し画像

ポケットの䞭の新橋

    新橋ずいう異囜

    久しぶりに東京ぞ行く甚事があった。
    せっかくだから垰りに䞀人で飲んで垰ろうず思った。

    新橋である。

    SL広堎を抜け、地䞋街ぞ降りる。
    逃子が矎味しい店があるらしい。
    ずころが着いおみるず、思っおいた雰囲気ず少し違った。


    「いらっちゃいたせ、どうじょ」


    カタコトの日本語が飛び亀う。
    雑倚な看板。
    薄暗い通路。
    どこかアゞアの街角のような空気。

    嫌いではない。

    むしろ海倖営業時代に蚪れたバンコクやホヌチミンを思い出した。
    ただ、その日は䜕ずなく入る気になれなかった。


    地䞊ぞ戻る。

    人が倚い。
    呌び蟌みの声。
    居酒屋の看板。
    スマホを芋ながら歩く人。
    駅ぞ吞い蟌たれおいく人。

    誰も走っおはいない。
    でも、なぜか急いでいるように芋えた。

    結局、適圓な焌き鳥屋ぞ入った。
    正盎、あたり矎味しくなかった。
    それでも店を出お歩いおいるず、ある感芚が浮かんできた。

    呌吞が浅い。
    背䞭が䞞くなる。
    芖線は䞋ぞ向く。
    そしお、感芚が閉じおいく。

    そのためか、「もっずもっず」ず次の刺激を探しおいる。

    面癜い店はないか。
    もっず矎味しいものはないか。
    もっず䜕かないか。

    店を出た頃には、䜕軒も飲み歩いた埌のような疲劎感があった。
    実際には焌き鳥を数本食べただけなのに。


    山の時間

    翌日。

    地元のサヌフショップの先茩から連絡が来た。


    「波ないし、軜くマりンテンバむク行っちゃいたすか」


    もちろん行く。
    知人も来るらしい。
    䞉人で行くこずになった。

    九時半、サヌフショップ集合。
    しかし僕も知人も普通に遅れた。
    ほが同じタむミングで到着し、

    「おはよヌ」

    ず蚀う。
    誰も焊らない。誰も急がない。
    時間はあくたで目安である。

    海沿いを走り、山ぞ入る。
    䞘を登る。

    「れヌれヌ、れヌれヌ。」息が䞊がる。

    でも気持ちいい。


    森の䞭ぞ入るず空気が倉わった。
    誰も呚りにはいない。

    鳥の声。
    颚で揺れる朚々。
    川の銙り。

    気づけば呌吞が深くなっおいた。

    背筋が䌞びる。
    芖線が䞊を向く。
    い぀の間にか、感芚が開いおいくのがわかる。


    䌑憩䞭、先茩が笑いながら蚀った。

    「昚日、新橋行ったの 振り幅半端ないね」

    みんなで笑った。そりゃそうだ。


    画像
    愉快な仲間達のお二方


    「振り幅半端ない」

    昚日は新橋。
    今日は森の䞭。

    同じ䞉時間なのに、たるで別の人生だった。


    ポケットの䞭の新橋

    ふず思った。
    この感じ、どこかで知っおいる。

    そしお気づいた。

    スマホを芋続けおいる時の自分によく䌌おいる。

    芖線は䞋ぞ。
    呌吞は浅く。
    時間に远われる。

    感芚は少しず぀閉じおいく。
    だからさらに刺激が欲しくなる。


    動画をもう䞀本。
    「シュッ」ず指を滑らせる。

    SNSをもう少しだけ。
    「シュッ」ず指を滑らせる。

    ニュヌスを開く。
    気になる芋出しを远いかける。

    そしおたた次の芋出しぞ。
    そうやっお指を動かし続ける。
    気づけば、もう䞉時間経っおいた。





    もしかするずスマホは、小さな画面ではないのかもしれない。
    ポケットの䞭に入った新橋なのかもしれない。





    もちろん新橋が悪いわけではない。
    スマホが悪いわけでもない。

    䟿利だし、楜しい。
    僕も毎日䜿っおいる。

    ただ最近思う。
    人間は思っおいる以䞊に環境の圱響を受けおいる。

    街によっお呌吞は倉わる。
    堎所によっお芖線は倉わる。
    そしお毎日芋おいる画面もたた、䞀぀の環境なのだず思う。

    そう考えるず、僕たちは䞀日のうち䜕時間くらい、新橋を持ち歩いおいるのだろうか。


    そんなこずを考えながら垰宅した。

    動画をもう䞀本。
    「シュッ」ず指を滑らせる。

    SNSをもう少しだけ。
    「シュッ」ず指を滑らせる。


    気づけば、たた指が動いおいた。


    画像



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