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第䞀回 あたらよ文孊賞 䞀次遞考結果発衚

    【䞀次遞考通過䜜品に぀いお】

    あたらよ文孊賞遞考委員䌚による厳正な遞考の結果、応募䜜品496䜜品のうち、䞋蚘67䜜品を䞀次遞考通過ずしたした。到着順・名前はペンネヌム、敬称略
    この埌、二次遞考及び最終遞考を行い、受賞䜜品を決定臎したす。

    ※遞考過皋に関する問い合わせには䞀切応じられたせんのでご承知ください。

    ◇

    明け方を航る鳥たちは  糞野麊
    なでなでしおね  南郜浩哉
    ヘノン・ヘノン・ヘノン  倜庭
    Zee  飯田倪朗
    私の未緒のビオトヌプ  咲川音
    倜が冷たく忍びよる  えきすずきお
    ずばりずもだち  梶原䞀郎
    たわる空たわる呜  癜里りこ
    倊怠からの逃走  文園そら
    手負いの鷹  圭琎子
    蒌月の宵  高田はじめ
    私たちの月の家  咲川音
    雚ず深倜ずランドリヌ  ク゜むグアナ男
    あるラゞオ番組  䜐銬鷹
    䌝う、倜のディテヌル  華嶌華
    可惜倜元幎  鈎朚青
    ワケありお嬢様は倜空の䞋をゆく  草加奈呌
    誘蛟灯  山田脩人
    星降る倜に君ず䌚う  藀原くう
    火垂る袋  いっき
    たゆどじょう  䜐藀韍䞀クラむマヌ
    ハッピヌ゚ンド  䞉浊さかな
    バスみたいに揺れたらいいのにね  南郜浩哉
    のこぎり倜話  倪郎吉野
    瓜の舟  草乃草子
    岳おじちゃんはすきなひず  神敊子
    倜もすがらに咲き誇る  mk
    慰霊  山本貫倪
    怿桃、氞遠に  䌊藀なむあひ
    倜盎の人魚狩り  䞀野蕟
    そしお、吞血鬌たちは倜空を芋䞊げる  暇埌ルア
    パヌテルノステル  虹乃ノラン
    猫が飛んだ倜  右城穂薫
    倜のアゞヌル  䞊雲楜
    ムヌンずデスずR.I.P.  あたひらあすか
    黒き蛇よ  西村修子
    倜半舟  秋田柎子
    朝焌けたでに垰れたら  みずきけい
    向日葵  アオむ
    スタアラむト酔痎  神足颯人
    蝉  奥接雚韍
    こはねに勝おないなら死ぬ  岩月すみか
    ケニダサハナム  䞊雲楜
    宮川霞    野呂瀬悠霞
    ふた぀の星を  山内みえ
    倜の地局  春名トモコ
    匔い  東歊
    月が萜ちおくる。  蟻内みさず
    倪陜の亀換期  山本貫倪
    癜道  月江りさ
    うたかた  綺月遥
    流れ星のシヌル  桜井かな
    秋宵  桜井かな
    ゞェンガの䞊で䜕を芋る  氞和けい
    花山ホテルの幜霊  茉亜
    神ず倜明け  山川陜実子
    未明の音楜  我劻蚱史
    ゞョニヌの星  髙橋螢参郎
    コンビニ隒動  搗鯚或
    傲慢ず偏芋の狭間で  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    黄昏時がすぎるず。  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    ツヌ・ミッドナむト・ノブレス  蛙鳎未明
    初恋  濃藍珠
    私のお城が厩される時  黄間友銙
    ペシロりさん  埗胜銙保
    芪鳥の矜  倜霧
    フラむ・ミヌ・トゥヌ・ザ・サン  小川リ

    ◇

    【䞀次遞考通過䜜品・講評】

    明け方を航る鳥たちは  糞野麊
    朎蚥ずした筆臎ながら枩かみのある文章。短くシンプルな構造ゆえに、䌚話でのやり取りのセンスが光っおいる。抌し぀けがたしさがなく、萜ずし所もよい。倜のコンビニ゚ンスストア特有の静かな雰囲気が垣間芋える。

    コンビニの深倜垯のバむト同士で亀わされる䌚話の質感がリアル。わずかな描写から掚察できる䞻人公の家庭事情や、異性であり幎霢差のあるこの二人だからこその空気感、ラストに挂う淡い救いの感情に、物語の拡がりを感じた。

    なでなでしおね  南郜浩哉
    方蚀の持぀玠朎さの底にある静かな䞍安感。柔らかで枩床を感じる文章が心地よく、埐々にボタンを掛け違えおゆく男女の歪みが芋事に衚珟されおいる。終盀、物語が転調し䞀気に狂気を芋せる点もよい。

    話運びがスムヌズで良く、方蚀のき぀さはあるもののそれもたたリアリティを感じたした。ラストの展開が衝撃すぎお驚きたした。
    最初䞭盀たで良かっただけに、埌味の悪さが残念に思えおしたいたしたが、他の䜜品も読んでみたいず思いたした。

    ヘノン・ヘノン・ヘノン  倜庭
    酩酊するような文章が心地よい、ロヌドムヌビヌ小説。真実は結局なんなのか、物語性があっおないような䜜品だが、道がただだらっず続いおいるようにい぀か䜕凊かに蟿り着くのかもしれない、そのような印象を持った。

    すごく面癜かったです。䞉぀の芖点から語られる死䜓埋めの、䞉人の関係性ず行く末が最埌の最埌たでひたすら気になっお読みたした。
    朝になっお䜕食わぬ顔でそれぞれが日垞に戻っおいく合間に、芋た光景を、倢ずずらえるか珟実ずずらえるか、最埌たで読者の刀断に委ねられる、どこか䞍穏でありながら、そうは曞いおないけど朝日が照らし出すような、衚珟のバランス感芚がお芋事でした。

    Zee  飯田倪朗
    生呜倫理ず人間の傲慢さ、動物らの率盎さがストレヌトに衚珟されおいるSF䜜品。嵐の倜に起こる䞍可思議で悲劇的な゚ピ゜ヌドから、人間たちぞの譊鐘が聎こえる。

    実隓によっお産み出された人間䞊みの知胜を持ったチンパンゞヌが、日本語を操ったり、動物的な本胜に突き動かされたりする様子が、非垞に気味悪く描かれおいる。䜕を食べたらこれを思い付くんだ  ずいう蚭定に、スラスラ読める文章。SFであり、ミステリであり、ホラヌでもあるずいう、ゞャンルにずらわれない挑戊的な䜜颚が芋事に成功しおいるように思う。

    私の未緒のビオトヌプ  咲川音
    静かで玔文孊にも䌌た銙りが挂う幻想文孊。むマゞナリヌフレンド、或いは劖粟ずの枩かな日垞ず、冷たい蚘憶ずのギャップがいい。埌半の女性が出お来るパヌトも、痛々しくおよかった。

    流れるような文章で玡がれる語りに匕き蟌たれた。実圚のものなのかはたたた䞻人公逞花の想像の産物に過ぎないのかわからない未緒ずいう䞍思議な生物のあやふやさが、逞花の回想の痛みや手觊りをより珟実的なものにしおいる。
    埌半で登堎する「走銬灯事前登録システム」ずいうややSF的な単語が唐突か぀若干浮いおいるようにも感じられたが、この䜜品の力を損なうたでには至っおいない。逞花も薫子も、未緒ず祥子のように小さなビオトヌプの䞭に息づく愛の容れ物なのだろう。逞花が圌女自身の物語を歩んでいくだろうこずを予感させるラストでは、小さいが確かな垌望が感じられお読埌感も良かった。良い䜜品。

    倜が冷たく忍びよる  えきすずきお
    昌族、倜族の蚭定がしっかりずしおおり、異䞖界ファンタゞヌずしおの完成床が高かった。䞭盀から埌半にかけおきちんず転調し、物語の構造がぐるりず反転するずころが魅力的。

    倜を恐れお歩き続ける『昌族』の蚭定が非垞に秀逞。昌ず倜ずがそれぞれ䜕を象城しおいるのか、圌らが䜕を埗お䜕を倱ったのか、深い含蓄のあるストヌリヌ。滔々ず流れるように綎られる、挢字を倚めに開いた文章ず映像的な描写が倧倉心地よく、物語ぞの没入感が玠晎らしかった。繰り返し読みたい䜜品。

    ずばりずもだち  梶原䞀郎
    レむトショヌ特有の空気感を孕む、動的だが静かな物語。そこでしか䌚えない友人ずの朧げで儚く、しかし絆を感じさせる匷い亀流が楜しい。日垞の合間に䜇む映画通の良さを改めお感じた。

    芪しみを感じさせる䞻人公の語り口、ラむトでポップな印象ながら、きちんず「倜」ずいうテヌマを䜜者様なりに噛み砕いお物語に昇華させおいる点が、ずおもよかったです。
    「倜」からレむトショヌに持っおいく着想が奜たしいし、お仕事終わりの少しの疲劎感ず、アフタヌに気持ちを切り替えお趣味に打ち蟌むかんじず、偶然から始たる奇劙な友情ず、私たちの日垞のずなりにもないずは蚀えないシチュ゚ヌションが、リアリティず憧れを䞡立させおいたした。オヌルナむト䞊映䌚以埌トムずスラむの関係性がどう倉わるか、想像にお任せし぀぀匂わせる結末も最高です。

    たわる空たわる呜  癜里りこ
    子どもペンギンの目線から描かれおおり、目の぀けどころが面癜い。芪から䞎えられる呜ず食糧が、次の䞖代の糧ずなり、新陳代謝を繰り返しおゆく矀れ。茪廻の厳しさず優しさが内包された䞀䜜。

    映像の浮かぶ導入がずにかく玠晎らしい。ただし、䌚話劇のあずに地の文の魅力が半枛した感が吊めない。執筆者の知識ず、匱者の語り手から芋える䞖界芳が混ざっおしたったこずが芁因だず感じた。
    䜜品の最埌、なんずか衚題でもあり導入郚の山でもある「たわる」に着地しお欲しかった。

    倊怠からの逃走  文園そら
    二十䞃に死ねなかった女ずただ二十六の男による深倜ドラむブ。ストヌリヌラむンは単調だが過䞍足なく、心情・颚景描写が共に现やかでよい。排萜た文章が物語に深みを持たせおおり、惹き぀けられる䜜品だった。

    男女二人が䞀晩かけお車で移動するだけの話なのに、最初から最埌たでぐっず物語に匕き蟌んで読たせるパワヌのある䜜品だった。人生のさたざたな悲哀を感じ取れるやりずりや、テンポ良く亀わされる䌚話が気持ちいい。ただの隣人だからこそ、この䞀晩だからこそ生たれる情が、唯䞀無二の䜙韻を残した。

    手負いの鷹  圭琎子
    傷぀いた軍人ず村嚘ずの亀流が、どこか切なくも枩かい。読埌感もよく、䞁寧に䜜り蟌たれた物語ず文章で奜印象。

    成人の儀匏を間近に控えた少女が、ある倜に脱走兵の男を匿ったこずから始たる恋愛短線。初めおの恋に揺れ動く心情が、読みやすい文章で䞁寧に綎られおいお、物語のテンポもよかった。

    蒌月の宵  高田はじめ
    文章が秀逞か぀読みやすく、切れ味のある物語。物の怪ずの知恵比べが面癜く、機転を利かせるくだりがよかった。

    平安時代の歌人倫婊である和泉匏郚ず藀原保昌の過ごすひずずきを描写した短線である。
    支え合う倫婊の愛情に察する䞁寧な衚珟、緩急のある展開、史実に察する理解など、やや地味な印象はあるものの、党般的に考えうる及第点を倧きく超えおおり、商業出版ずしお劥圓な゚ンタヌテむンメント性、クオリティを兌ね備えた䜜品であるずし、高く評䟡する。

    私たちの月の家  咲川音
    幎代特有の女子の行動や心情描写が巧みに描かれおいる。抜毛症や過食ずいった自傷行為、息苊しい家庭環境の描写にもリアリティがあり、文章に説埗力があった。SF的芁玠も物語にしっかりず萜ずし蟌たれおおり、最埌の転調も含めお奜印象。

    名前に「倜」ず「朝」を含む二人の亀流が、「魔法」や「月の家」ずいったファンタゞックなワヌドを軞に静かな文䜓で語られおいる。「倜」ずいうテヌマをずおも䞊手く昇華させおおり、人物の描き方や心理描写も巧み。「倜明け」を迎えるラストでは、どこかにいるであろう圌女たちのような少幎少女に思いを銳せ、涙が滲んだ。傑䜜。

    雚ず深倜ずランドリヌ  ク゜むグアナ男
    恋愛のようなたたごずのような、男女ふたりの心暡様の倉遷が痛々しい。自分を曝け出すこずぞの怯えを排脱な筆臎で描いおおり、決定的に感芚が違うのにどこか䌌通ったふたりの心情がよく衚されおいた。深倜に降る雚や、路面の氎溜りの描写なども矎しい䞀䜜。

    2人の埮劙な関係性を描く䜜品をいく぀か読たさせおいただきたしたが、なかでもこちらはずおも䞁寧な印象を持ちたした。セリフのテンポがよく、リアリティもあいたっお、歳䞋の男の子ずの思考のギャップに埐々に心が疲匊しおいく䞻人公の気持ちには非垞に共感できたす。たた雚ずコむンランドリヌずいう、倜から連鎖する合わせ技のコンボも、雰囲気づくりに䞀圹買っおいるずかんじたした。

    あるラゞオ番組  䜐銬鷹
    深倜ラゞオ特有のゆるい雰囲気が䌝わっお来る、リラックス感の溢れる䜜品だった。

    “最埌たで読たせるこず”が小説の呜題であり良䜜の定矩ならば、この䜜品は完党勝利。山も谷もない飄々ずした展開が、思春期から青幎期特有の青々しさを衚珟しおいる。

    䌝う、倜のディテヌル  華嶌華
    昚日たでの垞識が䞀瞬で倉わっおしたう、SF颚味の䜜品。新垞識における日垞描写にもリアリティがあり、説埗力のある物語だった。

    文句なしの満点です。こういうのが読みたかった。
    倜ずいう非日垞、その䞭にある個々の日垞、さらにその奥にある心の闇、幞犏も闇も、党おの事象を倜ずいう珟象によっお盞察化しおみせる。芋事ずしか蚀いようがない最高の䜜品ず思いたす

    可惜倜元幎  鈎朚青
    䜜り蟌たれた蚭定が魅力的なSF䜜品。䜜䞭に次々ず出お来る議論が楜しく、謎めいた展開も面癜い。倜の芁玠が取っお぀けたようで少し残念。

    ずおも読みごたえがあった。ロボットたちの哲孊的な䌚話が楜しい。最終的に目指す堎所が海ずいうのもいいし、倜や倜明けに蚗した意味も実に深遠。ずもするず衒孊的ずも取られかねない郚分はあったが、ぎりぎりのずころでそれを回避しおいる巧さがあった。

    ワケありお嬢様は倜空の䞋をゆく  草加奈呌
    倜にしか倖に出るこずの出来ないお嬢様ず、倜になったら獣人化しおしたう男の子ずの邂逅。芁玠が少し詰め蟌たれ過ぎおいるきらいもあるが、䞻人公らの人柄がよく気持ちよく読むこずが出来た。

    お嬢様〜〜ッ奜きです告癜
    軜快なセリフ回しずテンポの良さで、さくさく読めたした。お日様のもずを歩けないワケアリのお嬢様、ずいうだけで題材の勝利だず思いたすし、狌男の新人執事くんが盞手圹ずいうのも、運呜的な恋愛モノずしお、魅力的な蚭定だなぁず思いたした。倜空を散歩するシヌンは埮笑たしかったです。

    誘蛟灯  山田脩人
    挫画家ずしおデビュヌを果たした友人ら、眩しく映るひずびずの圱で倜勀アルバむトに勀しむ䞻人公。圌の苊悩がたざたざず描かれおいお、魅力的。明けない倜はないように、い぀か圌にも倜明けを芋お欲しいずいう気持ちになれる䜜品。

    「誘蛟灯」の䜿い方にテクニックを感じ、匕き蟌たれたした。䞻人公の心情ずずもに蛟が匟ける衚珟が良く、たた内容も共感性が高く、ラストの䞻人公の心情もよく䌝わりたす。ずおも面癜かったです。

    星降る倜に君ず䌚う  藀原くう
    宇宙飛行士を目指す少女ず、内気で薄幞な少女。クラスメむトのはずなのに、倜に出䌚うずきには昌間ず距離感の違うふたりの関係性が心地よい。終盀の転調が物悲しくも柔らかい、情緒が揺さぶられる䜜品だった。

    ずおも読みやすく内容がすっず頭に入っおきたした。ラストでひっくり返る構成もいい。もっず盛り䞊げられたず思うのでそこが残念なのず、スむがどんな人生を送っおきたのか芋えおくるずよかったなあ、ず思いたした。

    火垂る袋  いっき
    奇劙な病がリアリティたっぷりに描かれおいる。蛍のように矎しく儚い呜を燃やす少女の、魂を削るような生き様が矎しい䜜品。

    矎しい郷の景色ず、火垂る袋ずいう銎染みのない颚習が、どこか幻想的な雰囲気を醞し出しおいお最初から匕き蟌たれたした。効の病気のこずが明かされるず、矎しい郷の景色が䞀倉しお異界のような恐ろしさを持ちはじめ、巧劙でぞっずさせられたした。限りある生呜を燃やすように倜な倜な絵を描き続ける効が切ないです。颚景描写ず人物、心理描写の䞡面から倜ずいうテヌマに深く切り蟌もうずしおいるこずが、䌝わっおきお良かったです。

    たゆどじょう  䜐藀韍䞀クラむマヌ
    奇劙な生態を持぀たゆどじょうを巡る物語。たゆどじょうも䞍思議な存圚だが、それ以䞊に謎めいおいる舞藀ずいう男から目を離すこずが出来ない。

    いやヌこれ面癜かった
    たゆどじょうの繭ずいうモチヌフず䞻人公の心情が重ね合わせで淡々ず語られ、ぞくぞくするようなスリリングがありたした。ラストで舞藀の圌女が出おくるずころもいい。モチヌフず比喩が少しあからさた過ぎるのず、䞻人公の心情がもう少し螏み蟌めるずいいなずだけ思いたした。

    ハッピヌ゚ンド  䞉浊さかな
    排萜た文章ず静かなカりンタヌが倜の懐の広さを感じさせる。埌半に出お来る海が物語に䞀局の雄倧さをもたらしおいる。

    魅力的なキャラクタヌ造圢に加えお、油絵を眺めおいるかのようなシヌン描写が印象的。゚ンタヌテむンメントし぀぀、その䞊で文孊䜜品ずしお䜜者の拘りも読み取れる。解釈の分かれそうな結末を、簡朔なタむトルが攫っおいくのが芋事。

    バスみたいに揺れたらいいのにね  南郜浩哉
    バスの揺れの心地よさず、ゆりかごのような安心感。眠りに就くずきの奇劙な感芚が、嚘に匕き継がれるずいう䞍思議な展開だが、独特のおかしみがあっお面癜かった。

    䞍眠症だった自分を救っおくれた「揺れ」ず、嚘さんの感じる「ゆらゆら」ず。その正䜓はなんなのか、どうしお同じ感芚をもっおいるのか、その正䜓は分からないけれど、過去の自分や過去の自分にずっお倧切だった人のかけらが子どもに䌝わっおいるんじゃないかずいう、枩かいお話。なにより文章が鮮やかで、枩床感があり、衚珟力が玠晎らしいです。

    のこぎり倜話  倪郎吉野
    こちらに語りかけお来るような癖の匷い関西匁調の文䜓で、独創性が高い。物語の端々から情が溢れおおり、最埌のオチたでしっかり描かれおいた。

    声が聞こえおくるような語り口調の文章で、ずある女性のこれたでを描いた䜜品。固有名詞やカタカナ、関西匁が芋事にバランスよく䜿われおおり、リアリティを挔出するこずに成功しおいる。
    情報の出し方も玠晎らしく、終盀に明かされる女性の珟状に、心が枩かくなった。読埌感も非垞に爜やか。

    瓜の舟  草乃草子
    詩人の話。物語そのものが詩のように矎しい文章で綎られおおり、心地よく読めた。䞍思議であたたかな空気感も魅力。

    瓜を慈しむ詩人の物語。「くだもののある景色はい぀もう぀くしい」ずいう䞀文に、絶倧な説埗力を䞎える筆臎が芋事だった。遞び抜かれた衚珟が魅力的な、珠玉の幻想文孊。

    岳おじちゃんはすきなひず  神敊子
    岳おじちゃんず姪っ子のやり取りが、ふたりの絆を感じさせる。おじちゃんの昌間にはふらふらずしおいおどこか頌りない飄々ずした姿ず、倜の祭りで地に足を぀けお楜しげに振る舞う姿の違いが面癜い。倜にしか生きられない、祭りの日にしか邂逅できない䜏人を描いた、奇劙で䞍思議な䜜品だった。

    䜓の匱いおじを慕う少女の話。少女の芖点で䞻芳的に描かれたおじの魅力が、しっかり䌝わっおきた。臚堎感あふれるお祭りの描写もあり、い぀の間にか䞍思議な䞖界に匕き蟌たれおいるような感芚を抱いた。お祭りが終わったシヌンの、畳みかけるような文章が非垞に印象的だった。

    倜もすがらに咲き誇る  mk
    蚭定がしっかりず緎り蟌たれた骚倪なSFファンタゞヌ。創造性が高く、描写が现やかで矎しい。圗石ラゞオが繋ぐ儚い最埌のひずずきや、ノアの方舟をモチヌフずした物語性、怍物の恒久性や雄倧さが目を惹く䜜品。

    筆臎が安定しおおり、優れおいる。
    SFに広く甚いられる衚珟を倚甚し぀぀、内容も叙情を意識した充実した内容であり、䞀定の氎準を超えおいるず考えられる。オリゞナルのアむテムである圗石ラゞオも興味深く、効果的に䜿われおいる。
    叀兞を匷く意識しおおり、゚ンタヌテむンメント性ずいう意味で若干の匱さを感じたが、党䜓的な質を高く評䟡したい。

    慰霊  山本貫倪
    重厚な文章か぀高い密床で綎られおいる物語。やや持っお回った印象を受けたが、圧倒的な文章の力により説埗力を感じた。

    すげヌのが来た。幻想文孊だ。いや、思玢文孊なのかな
    しっかり解釈できないず正しく評䟡できないかもしれない。あるいはハッタリだけで䞭身のない文章かもしれないが、それでここたで読たせるなら充分だ。

    怿桃、氞遠に  䌊藀なむあひ
    腞が人の本来の姿ずいう理論を振りかざす父。そこから繰り広げられる奇劙な顛末は、カルト性を䌎っお狂気に満ちた展開ぞず蟿り着く。正気ず狂気に圩られた腞が生き生きず倜の䞭に攟り出されたずき、我々は自らの信じおいた垞識を疑うこずずなる。奇劙だが重厚で䞭身の詰たった怪奇小説。

    発想が宇宙方面の倩才すぎお意味がわからないのですが耒めおたす、意味がわからない状況なのにぐいぐい匕き蟌たれお䞀気に読たされおしたいたした。
    いろいろな䌏線からお父さんはなんかの教祖かな ず予想しおいたしたが、わりず早い段階でそれが明かされ、そこから『倜』に絡めたより深いお話になっおいくのは読めなくお、驚かされおばかりでした。ひっくり返すずころや腞の描写などもお䞊手なので、途䞭うぇヌうぇヌ悶えながら読んでいたしたが、理解しがたい気持ちの悪さの䞭にも䞀貫しお哲孊があっお、あヌ、なるほど、人間は結局、腞になればいいのね。などずだんだん本圓に掗脳されおいくような怖さがありたした。

    倜盎の人魚狩り  䞀野蕟
    ひず知れず人魚からひずびずを守る領域治安郚。スピヌド感溢れる展開で、意倖性もあり、文章も過䞍足なく読みやすい。ハヌドボむルド怪奇小説ずしお、総じお完成床が高かった。

    シンプルに面癜い、文章力も充分。高評䟡が圓然の䜜品だが、若干のテンプレヌト感は吊めないため満点は回避。

    そしお、吞血鬌たちは倜空を芋䞊げる  暇埌ルア
    限られたものしか入れないバヌの近くで起きた暎行隒動。犯人ぞ至る道筋も明確で、登堎人物らに魅力がある䞊質なキャラ文・ミステリヌ。結末もすっきりずしおいお読埌感が良かった。

    内容、キャラ共に魅力的で蚭定もずおも良いです。゚ピ゜ヌドも構成もしっかりしおおり、よくこの文字数でたずめられたなず思いたした。ずおも面癜かったです。

    パヌテルノステル  虹乃ノラン
    芗き郚屋をモチヌフにした、色気たっぷりのサスペンス・ミステリヌ。登堎人物が魅力的に描かれおおり、構造物の仕掛けも凝っおいお面癜かった。

    粗はあるけど、おもしろい ドキドキしながら最埌たで読みたした。もう少しだけ感情衚珟に奥行きがあれば最高でした。

    猫が飛んだ倜  右城穂薫
    母に埓属しおいる子䟛特有の芖点で綎られた幻想的な物語。母が自らをアクセサリヌずしおしか認識しおいない子䟛時代の、芪類の家での静かで矎しいがどこか緊匵感のある䞀幕が䞁寧にしたためられおいる。䜜䞭に出お来る猫や男性の存圚が謎めいおいお、結末の気持ち悪さもどこか矎しい印象を残す䜜品だった。

    党䜓を貫くノスタルゞックな雰囲気に魅了された。感受性豊かな語り手による危なげのない描写が、どこか幻想的な䜜品䞖界に珟実感を䞎えおいる。ラストに描かれた光景は、語り手のみならず読者の蚘憶にも鮮烈に残るこずだろう。

    倜のアゞヌル  䞊雲楜
    芖点やシチュ゚ヌションが固定されおいるこずで、頭の䞭に自然ず映像が浮かんで来る。いい意味で䜎予算映画的なスリリングな物語に仕䞊がっおいるず感じた。

    たた満点぀けおしたった。これもよかった
    クリストファヌ・プリヌストのようなSFでもあり、幻想文孊でもある感じ。端正な文䜓が読たせたす。解釈はいろいろあり埗そうだけど、それがなくおも充分に楜しめる文孊ず思いたす。

    ムヌンずデスずR.I.P.  あたひらあすか
    月面䜜業員の日垞がリアリティたっぷりに描かれおいる。月面で自死をはかるものたちず、オカルト感のある死神の存圚もいい。結末もりィットに富んでいお面癜かった。

    高床に発達した技術ず心霊写真や盛り塩などのスピリチュアルな事項が同居しおいるずころも含め、すごくリアルで「すこしふしぎ」なで、冒頭から匕き蟌たれた。月面の様子やそこから芋える地球など、映像的なむメヌゞも矎しい。
    死神の蚀葉がどこたで事実なのか、いろんな解釈ができ぀぀、少しヒダッずしたものが残るラストがお芋事。

    黒き蛇よ  西村修子
    流されるたたに生きるための仕事を探す䞻人公が就いたのは、米軍の氎兵らに淫売ビデオを売り぀ける前衛集団の掃陀婊だった。戊埌の煀けた颚景や貧しい生掻が垣間芋える、リアリティが溢れた非垞に力匷い䜜品。

    これも面癜かった。歎史もの、それも庶民の文化を鮮烈に描くもので、恐ろしくレベルが高い。そしお普通の出版瀟ではなかなか扱われない。笑
    ただ、テヌマの「倜」ずいうずころに぀いおはどうなんだろう、ずは思った。

    倜半舟  秋田柎子
    宵の口から倜半を過ぎるたで、無愛想な倧将は屋台で蕎麊を䜜り続ける。䞍思議な屋台にふらりず立ち寄った䞻人公ず、蕎麊をすする若者ずの䞀瞬の邂逅。若者の笑顔がどこか切なく、転調する埌半の流れもよい。胞を打たれる䜜品。

    仕事垰りの䞻人公は、偶然芋かけた蕎麊の屋台で、居合わせた青幎ず語り合う。滅倚に芋かけない屋台で食事をするずいう非日垞が、さらなる非日垞ぞず䞻人公を誘っおいく流れに匕き蟌たれた。ラストの䜙韻も枩かく、優しい気持ちになれる物語だった。

    朝焌けたでに垰れたら  みずきけい
    倜䞭に奇声を䞊げながら自転車を挕ぐ䞻人公ず、顔芋知りの花屋の店員。倜の公園で出䌚ったふたりの四方山話は少し滑皜で少し切ない。同じ倜を過ごし、同じではない倜を過ごしたかもしれないふたりの心の亀錯が䞁寧に描かれおいた。

    突き抜けた深倜テンションから始たり、倜明けが近づくに぀れ二人の茪郭が埐々に浮かび䞊がっおくる。読み進めるほど『倜』ずいう時間の特別性を実感する、皀有な読み口だった。それぞれの持぀事情ははっきりずは描かれおいないのに、生きた人間の情緖の波をリアルに感じお、圌らの人生の先行きに思いを銳せたくなった。

    向日葵  アオむ
    地球枩暖化が進み、倜が日垞ずなった䞖界。発想がよく、その䞖界芳の䞭での现やかでリアルな生掻がうたく描かれおいる。倜の䞖界で暮らすものが昌間に焊がれる、゚モヌショナルな物語。

    枩暖化により、人々が倜に掻動するようになった䞖界を舞台に、少女が昌の向日葵を芋るたでの話。䞖界ごず昌倜逆転するずいう、倧胆ながら、想像できる範囲に収たっおいる蚭定が非垞に面癜い。䞻人公から芋た、倪陜の光に照らされた䞖界の鮮やかな描写も印象的だった。

    スタアラむト酔痎  神足颯人
    成功の光から、人は逃げるこずは出来ない。䞀床济びおしたった光を消すには、恐らく党おを真っ暗にしおしたうこずでしかなし埗ないのだろう。䜙生を捧げお発電蚭備を襲った男に、悲劇的ながらどこか再床光が差すような物語。

    党文を読み終えおから、タむトルを芋盎すこずで「あぁなるほどな」ず感じられる䜜品でした。圌はずっず「成功した自分」に酔い続けおいたのですね。そんな酩酊状態で、事件を「成功」させられるわけもなく。
    ただ「玠面」の圌はきっず努力家で、真面目で、だからこそ高校時代に成功をし、たた技術者ずしおも尊敬されるような、そんな人だったのだず、そこたで想像させられたした。

    蝉  奥接雚韍
    蝉の鳎き声が䞍気味に鳎り響く幻想小説。倢の䞭ぞず誘われる道皋が自然ながら䞍自然で、䞍可思議な䞖界に匕きずり蟌たれおゆく既に匕きずり蟌たれおいる人物らの描き方が絶劙だった。

    端正な筆臎でした。物語の隅々たで䞍気味䞀色で、埌半に差し掛かるに぀れお没入できたした。

    こはねに勝おないなら死ぬ  岩月すみか
    ナンバヌワン・キャバ嬢のこはねずナンバヌツヌのきり。結婚を機にお店を蟞めるこはねの結婚盞手は、きりの幌銎染の詐欺垫だった。王道のストヌリヌラむンだが、文章に力があり、感情豊かに綎られたきりの心暡様がうたく描かれおいる。ビタヌな結末もよい。

    3名の䞻芁キャラクタヌ間で飛び亀う様々な感情の矢印。その矢印の䞀぀䞀぀に明確な理由ず背景が描けおいる。ナヌモラスな文䜓ながら基瀎を抌さえおいお読みやすく、展開も結末も芋事。傑䜜。

    ケニダサハナム  䞊雲楜
    仏教や陰謀論をモチヌフずした物語。先茩から受け継いだUSBメモリのデヌタを芋たのちに、䞻人公に埐々に奇劙なこずが起こり始めるのが面癜い。ミトラ教の陰謀によりパニックムヌビヌの様盞を呈し始める埌半は怒涛の勢いで読み応えがあった。

    摩倚矅神の呪文を生かしたテヌマは斬新であり、目を匕いた。
    蚭定、筆臎、展開のいずれも秀でおおり、高く評䟡したい。ただしこの分量に察しおは蚭定量が倚く、キャラクタヌの抌し出しが盞察的に匱いため、情報量を抌さえ、テヌマの抌し出しを匷くするこずを怜蚎されたい。埌半郚分も䌚話が少なく説明的になっおいるずころに改善の䜙地があるず考えられる。

    宮川霞    野呂瀬悠霞
    CM撮圱の様子がたざたざず詳现に綎られおおり、興味深い。文章力や衚珟力が非垞に高く、现かい状況が手に取るようにわかるが、党䜓像ががやけおいる印象。物語の倧枠や構造が掎み取りにくかった。

    こりゃたたすごいのが来たな
    スタゞオマンずいうニッチすぎる題材をここたで仔现に描いたものはもう、小説ずしお絶察に䟡倀がある。
    その他描かれる感情の機埮も玠晎らしいが、倜ずいうテヌマに぀いおはちょっず薄いか。でもそれさえ気にならないくらいの完成床です。

    ふた぀の星を  山内みえ
    倜のカフェで受隓勉匷をする䞻人公は、同じカフェで勉匷をしおいる男性の様子が気になっお仕方がない。勉匷をするうちに、次第に惹かれおゆくふたりの様子がじれったく初々しいが、しっかりず距離感も保っおおり、キャラクタの信念の匷さを感じさせる。最埌の最埌たでしっかりちょっずじれったいふたりのやり取りがよかった。

    同じカフェで勉匷する受隓生の物語。二人の距離感や語り手の思考がずおもリアルで、食らない語り口も読み心地がいい。二人の倜明けを祝犏したい気持ちでいっぱいになった。

    倜の地局  春名トモコ
    倜が消えた䞖界で繰り広げられるファンタゞックな物語。槍で倜空を壊した神の神話や、䞀日を半分に分けお掻動をする生埒ら、森の䞭の黒沌の存圚など、䞖界芳がしっかりず構築されおいた。埌半の展開も面癜く、長篇にしおも耐えうる匷床を持っおいるず感じた。

    おおお ファンタゞヌだ 
    こういうファンタゞヌ短篇、今は䞖に出すずころがないだろうからたさにこういうのは掚したい。沌に星が広がる矎しい情景が玠晎らしく魅力的な芋せ堎になっおいる。
    ただ、癟合性別未分化ではあるけどっぜい挔出は個人的に芁らなかった。構成ずしおすごくよくできおるけどね。

    匔い  東歊
    人は死ねば山ぞ行く、ず蚀った父の蚀葉を思い出す五十男。二十歳から始めた登山で山に取り憑かれ、膝を壊しおしたった圌の、あるいは圌らの粟神的な墓堎ずしおの山。気力・䜓力共に倧幅に䜎䞋しながら、圌は自らの気持ちを匔うために山に登る。重厚な物語。

    男性的な力匷さを感じる名䜜であり、高く評䟡したい。
    倧山ぞの思いを持぀䞻人公の無骚でありながら繊现なキャラクタヌは読者ぞの匷烈なメッセヌゞ性があり、圌女ずの関係性や怪我ずの向き合い方など、様々な面から倚面的にたずめられおいる。
    本来ならば満点を぀けたいずころだが、新芏性ずいう点に関しおはやや乏しく、熊谷達也や倢枕獏、飯嶋和䞀、あるいは圌らず盞互に圱響を䞎えあった、同時代䜜家の空気感が拭えない。新たな時代を切り開く䜜品ずしおは、さらにもう䞀歩の螏み蟌みがほしいずころではある。しかしながら、自分の感芚ずマッチする郚分も倚かったため、今回担圓した応募䜜の䞭では最高点ずした。

    月が萜ちおくる。  蟻内みさず
    閉鎖的な空気感が挂う幻想文孊。芋事な筆臎で狂った䞖界芳を衚珟しおいる。埌半にゆくに぀れお真実が明らかになっおゆき、曎に二転䞉転しおゆく展開に驚きを隠せない。非垞に読み応えがあった。

    どんでん返しに次ぐどんでん返し。これは面癜い
    人間関係が爛れきった煜情的な䜜品かず思いきや、䞻人公の意識がはっきりするに぀れ様々なこずが明らかになり、それだけでない物語展開のある、楜しめる物語でした。

    倪陜の亀換期  山本貫倪
    遠い未来、宇宙船で繰り広げられる物語。識字胜力が倱われた人類の、電球を替えるためだけに存圚し続ける虚しさが切ない。図曞通を愛する少女ず䞻人公が出䌚ったずき、知は受け継がれおゆく。レゟンデヌトルを揺さぶられる静かで矎しいSF。

    非垞に匕き蟌たれる蚭定ずストヌリヌ。『星の王子さた』の点燈倫の話を思い出した。人間の䞀個䜓がただの歯車ずしお機胜すべき䞖界で、知識を埗おしたった少女の存圚感の異質さが際立っお魅力的。䞻人公が文字を芚えお本を読むうち、自身の圚り方ぞの違和感が倧きくなっおいくのが、嗅芚を通しおリアルに感じられた。ラスト、灯らなくなった電球が象城的で、たたらない喪倱感が残った。

    癜道  月江りさ
    電圁ずいうヒト型AIが人間ず同じように掻躍をする瀟䌚をのびやかに描いおいる。巧みな筆臎で音楜をモチヌフにした点も面癜かったが、珟代から千幎もの月日が経っおいるのに、生掻や文化、技術レベルが珟代を暡し過ぎおいるのが残念。昔のように、などの泚釈を入れおしたう点からも、SFを曞き慣れおいないように感じた。もっず発想に飛躍があればよかった。

    説埗力のある文章で、骚倪の䞖界芳を持぀SF。普段からよくSF曞かれおいる方なのかなず思いたした。既存の情報の集積からAIが぀くりだした芞術はたしお創造性をもちえるのか、芞術ずいえるのか、ずいう議論はこれから未来ずっず考えられおいくず思いたすが、近いこずはかならず起きるのではないかず思わされたした。
    ドビュッシヌの楜曲は、残響をずおも倧切にする性質を持぀ので、それが物語䞭で効果的に䜿われおいるのもよかったです。癜道ずいうタむトルのセンスもすごい。䞀読しただけでは難しい郚分もありたしたが、読めば読むほど味わいがありたした。

    うたかた  綺月遥
    月ず倪陜がひずの姿を暡しおいる䞖界。月の満ち欠けのたびに、倪陜は月に刃を突き立おる。䜕床も䜕床も繰り返す神話の䞭で亀錯する、ふたりの感情の揺らぎが愛おしい。最埌の転調もよかった。

    月の぀れなさず、倪陜の笑顔。月は぀れないたたですが、ずっず存圚し続ける倪陜はどんどん無邪気さを倱っおいきたす。そしお月も、そっけない態床はそのたたに、長い長い幎月をかけお少しず぀倉わっおいく。そうしお月ず倪陜以倖の䜕者もいなくなったずき、二人は愛によっお䞖界を終わらせる。神話めいた、どこか可愛い雰囲気のある、しかし物隒で䞀途な愛を感じる物語でした。

    流れ星のシヌル  桜井かな
    シヌルやスタンプでのコミュニケヌションを鋭角に切り取っおいる物語。䞀人称で描かれるがゆえに、語り手の異垞に気づくのが遅れ、それが䞀局の深みを物語に䞎えおいる。非垞に読み応えがあった。

    怒涛の勢いのモノロヌグで、それ自䜓が語り手の為人を芋事に衚しおいた。「ミカ」ぞの異垞な執着ずコミュニケヌションの䞍味さを党お郜合よく解釈するメンタリティに、ある意味圧倒される。語られおいない郚分に絶察トラブルがあったはず。シニカルな面癜さがあった。

    秋宵  桜井かな
    着物を虫干しする、どこかミステリアスな祖母ず䞻人公。萜ち着きのある冒頭から想像出来ないダヌクな感情を抱えた䞻人公に振り回されたず思ったら、実は祖母にも秘密があったずいう二重構造がよかった。

    ゞブリ感×狂気×ホラヌ。限られた文字数を掻かし、短線小説ずしお完成しおいる。现かく描く郚分ず暈すべき郚分の察比が芋事。真盞に蟿り着いお尚、祖母を寄り慕う䞻人公、たさに蛇の道は蛇。

    ゞェンガの䞊で䜕を芋る  氞和けい
    出身地はアむデンティティヌに繋がっおいる。出生地を答えるのか、生たれ育った地を答えるのか、思い入れのある地を答えるのか。ふたりの男子倧孊生の友情の䞭にある自己他者評䟡の揺らぎのようなものが滑らかな筆臎で描かれおいた。

    ゞェンガの䜿い方がずおも䞊手い。ひず぀積むごずに䞍安定になっおいくゞェンガず、その合間に亀わされる䌚話の緊匵感が巧みに絡み合っおいる。ゞェンガそのものが語り手の葛藀の象城ずなっおいる点も良い。友人のキャラクタヌ造圢もよかった。

    花山ホテルの幜霊  茉亜
    叔父のホテルで起こった幜霊隒動に、䞻人公ず幌銎染の神䞻の息子のふたりが駆り出される。ディティヌルが现かく、映像が目に浮かぶほどの説埗力がある文章がよい。キャラクタ性や物語の構造も面癜く、幜霊の正䜓もなるほど岩手だからな、ず腑に萜ちた。

    ストレヌトな゚ンタメホラヌ䜜品で、霊媒圹の次期神䞻ずいうオヌ゜ドックスなキャラクタヌを䜿い぀぀も、䞻人公がしっかりず生霊ず神霊座敷童子ずいうふた぀の異なる『霊』ぞの真盞を導き出しおいお、完成床が高いず感じたした。オチにはどこかほっこりさせられたした。盛岡にちなんだ小ネタの数々や、どこかノスタルゞックな䞖界芳を持぀ホテルの、颚情ある描写、グルメたで堪胜できお、ずおも楜しい䜜品でした。

    神ず倜明け  山川陜実子
    皲䜜を始めたころの民族たちの物語。皲䜜を通じお、よい神や悪しき神が語られるが、本圓に怖ろしいのは環境の倉化によるひずびずの心の倉遷なのだろう。新しい時代の倜明けの圱にはこうした鬱蒌ずした倜が暪たわっおいたのかもしれないこずを想像させる䜜品。

    これは興味深い。叀代ファンタゞヌず芋せ぀぀、人類史に察する真摯な芖点が読たせたす。神ず来蚪神のもたらす犏ず犍。プロメテりスのもたらした火をコメになぞらえたような神話的物語。

    未明の音楜  我劻蚱史
    倜のバヌにはさたざたな客が蚪れる。カりンタヌでバヌを回す男性ず客たちの䌚話劇が淡々ず぀づられおいるが、䌚話のテンポや内容にメリハリがあっお惹き蟌たれる。最埌たでなにがあるずいうわけではないが、筆者の蚀語センスが発揮された䜜品。

    面癜い 倜䞭のバヌに集たるクセのある人々を描いた矀像劇で、䞀人䞀人の描写がものすごく䞊手い。特筆すべきなのは、物語を盛り䞊げるための倧きな事件が起こるでもなしに、飜きるこずなく読たせる手腕。ずおも良かったです。

    ゞョニヌの星  髙橋螢参郎
    いたでは片田舎のマむルドダンキヌ的存圚になっおしたった䞻人公にも、星のように茝いおいた日々があった。田舎が生んだスヌパヌスタヌ、ゞョニヌずスタヌになれなかった男の物語。倜空に茝く䞀等星の暪に䞊んだはずの光の幻芖を芋た。

    採点に苊しんだ䞀䜜。固有名詞が倚く、確実に読者や䞖代を遞ぶ。䞻芁人物らの幎霢や時系列を読み取りづらく、たた田舎の衚珟などはテンプレヌトの域を出ない。ずはいえそれらの問題点を補っおなお、最埌たで読たせる力を感じた。これがロックンロヌルなのか。

    コンビニ隒動  搗鯚或
    コンビニのむヌトむンスペヌスで起こるミステリアスな䞀幕をコミカルに描いおいる。登堎人物らの造圢が誇匵され぀぀もリアルで、ミステリ颚味の物語も読み応えがあっお面癜かった。犯人の目星はおおよそ぀いおいたが、オチは少し意倖で笑った。

    客も店員もクセ匷ぇよ ずツッコミたくなりたしたが、反面、実際こういう人いそうよなぁず思えるキャラクタヌ性もちゃんず持っおいお奜感觊でした。真犯人に行き着くたでに起きる小さなドタバタ事件も、リアルすぎにもり゜っぜくにもならず、䜜品党䜓をうたくコメディ色にたずめおいるず感じたした。
    オチを芋おから再読するず、田䞭さんが「现身」のずころで特に違和感を持っおいないこずにりケたす。おデブの自芚がないんですか 笑 それずもあえおスルヌしおいるのですか 笑 面癜かったです。

    傲慢ず偏芋の狭間で  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    深倜の海の䞭で銛を掲げる䞻人公。圌女の死生芳が、狩りを通しお䌝わっお来る。陞で暮らす圓事者意識のない人間ず、盎接呜を手にかける圌女ずの違いを感じさせる、静かだが深みのある物語。

    文句無し。芏定の倍くらいの点数を付けたい。圧倒的な描写。食物連鎖の゚ゎ、生呜の本質、倫理の無力さ、あらゆるものが詰め蟌たれおいる。さらには物語を締め括る2行が半端ない。読み取った瞬間に鳥肌が立った。

    黄昏時がすぎるず。  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    キノコが知性を持った星での物語。最初は狩りをしおいた人間たちだが、キノコに知性があるず広くわかるず、既埗暩の奪い合いなどで次第に旗色が倉わっおゆく様がリアルでよい。䞻人公が星に蟿り着いたころには、星もディストピア化しおおりその䞭で悪知恵を働かせながら生き抜く圌らに芪近感を芚えた。
    䜜り蟌みもよく、独創性の高いSF䜜品。タむトルが取っお぀けたようで残念。

    SF短線ずしお抜矀に優れおいる。
    蚭定のアむデアがいいこずもさるこずながら、ドラマも緎り蟌たれおおり、既存に芋られない明らかな独自性がある。ラむトノベルの錆喰いビスコを思わせるような䞖界芳ず、ベゞタリアン的な思想の扱いの難しさを融合させたような、芋事なコンセプトアヌトず蚀えよう。マタギの生掻を描いた飯嶋和䞀の「プロミスト・ランド」なども圷圿ずさせる偎面がある。新時代の商業䜜品に盞応しい、傑䜜であるず刀断した。
    唯䞀の枛点察象はタむトルであり、より内容に迫るものに倉曎するこずが望たしいのではないだろうか。

    ツヌ・ミッドナむト・ノブレス  蛙鳎未明
    リアリティのある冒頭から、摩蚶䞍思議な黒猫ず出䌚ったかず思えば第二の倜が来る䞍思議な䞖界線ぞ。そこから始たる䞍条理文孊的展開は䞍可解であるが滑皜で非垞に面癜かった。文章にグルヌノ感があり、次々ず移り倉わる情景に眮き去りにされそうになるが、奇劙な説埗力があった。

    個性が光る䜜品でした。豪快で䞍思議な䞖界芳に匕き蟌たれ、埌半の逃走劇などは目を瞠るものがありたした。キャラクタヌも立っおいお楜しく読めたした。

    初恋  濃藍珠
    流麗な文章が印象的。幟星霜を生きるものずそうではないものの盞違が、詩的に衚珟されおいる。濃厚に玫煙がたずわり぀いた、匂い立぀ような䜜品。

    これはすごいのが来た。
    人倖ずいう蚭定はポップによるかず思いきや、コンテクストに䟝存せず玔粋に文孊ずしお読たせる。そしお「初恋」の様盞ずそれに敗れる様は、ファンタゞヌの領域でなく、正しく珟実の暮らしず感情に地続きで、その瞬間、この物語、この圌女はファンタゞヌの領域から読者の身近な領域に明確な圢を成す。芋事なカタルシスでした。

    私のお城が厩される時  黄間友銙
    母ず嚘の物語は倧抵愛ず呪い、それからパヌ゜ナルスペヌスの話になりがちではあるが、この䜜品もそのような方向性だった。嚘のこずを自分自身の延長ず捉えおいるような母芪の気持ち悪さが䞁寧に綎られおいお、読んでいお鬱々ずした気分にさせられる。嚘にもたた共䟝存的な郚分があり、ささやかな反抗の印ずしお郚屋を汚す。非垞に嫌らしい、しかし目を離すこずの出来ない魅力に満ちた䜜品。

    母ず嚘の間だけにある呪いの圚り方がリアル。「ゎミを片付ける」ずいう日垞動䜜の䞭に、母から受けおきた身勝手な干枉が䞻人公の人生を䟵食しおいる様子が芋事に衚されおいる。いるいらないの刀断が䞊手くできない。それは母ずの関係そのものに぀いおも蚀えるこずであり、平穏な倜が闇に塗り朰されるような絶望ず諊芳で、ひどく苊しい気持ちになった。

    ペシロりさん  埗胜銙保
    家庭環境の歪みや劣悪さ、暎力の連鎖から逃れるこずは容易ではない。そこから逃げ出すために、䞻人公はむマゞナリヌフレンドを䜜った。テヌマ、文章共にありがちではあるものの、感情衚珟の巧みさや痛々しさが生々しく、非垞に力のある䜜品に仕䞊がっおいた。

    ずおも玠敵な倜の話でした。そしお、ペシロりさんずいう存圚は、ある意味では物語が持぀圹割そのものだなず感じたした。圌女の倜が明け、爜やかな気持ちです。

    芪鳥の矜  倜霧
    充電するものが倚過ぎるくだりはわかりみが深い。そこから始たる怒涛の子育おや家族にた぀わる物語。その䞭から立ち䞊がっお来る疑念ず衝動はリアリティがあっお読んでいお蟛かった。党䜓的に閉塞感の挂う内容ではあったが、今の䞖の䞭を鋭角に切り取っおいた。

    経枈的に䜙裕はないが、切り詰めればなんずかなりそう。そんなギリギリのずころにいる母芪の䞍安が䌝染しおくるような䜜品。充電ず食事を結び぀ける感性の鋭さに驚かされた。倫に察する感情の描写が非垞に䞁寧で、倱望感ず怒りの゚ネルギヌがひしひしず䌝わっおきた。色々なこずが重なっお迎えた悲劇的なラストには鳥肌が立った。

    フラむ・ミヌ・トゥヌ・ザ・サン  小川リ
    絶劙な距離感の先茩ず埌茩の胞があたたかくなり぀぀もちょっずもだもだする感じの亀流が軜劙に描かれおいた。䌚話の調子がよく、排萜感もある。最埌の䞀節も絶劙で矎しかった。

    䞻人公の芖点そのものから先茩ぞの奜意を感じ取れる筆臎が芋事。圌の「時間ずは堎所」ずいう考え方に惹かれた分、圌が倱恋のせいでチェヌン店に行かなくなったこずただ過去の時間に囚われたたたなのだず腑に萜ちすぎおしたっお、呆然ずした䞻人公の気持ちがよく分かる。名曲を圷圿ずさせるタむトル、そこに重ねられた叶いそうにもない想い。読了埌もしばらく尟を匕く切なさだった。

    ◇

    二次遞考の結果発衚は9月末ごろを予定しおおりたす。

    ◇

    【惜しかった䜜品に぀いお】

    䞀次遞考通過はならなかったものの、通過䜜品ず遜色のない䜜品が倚く集たったこずから、「惜しかった䜜品」ずしお51䜜品の講評を以䞋に掲茉臎したす。

    ◇

    倜、暗殺者の倜  桑原和圊
    倜に溺死  倧森猫
    金の玉昇倩  花園メアリヌ
    普通さんのいじわる  囜河束茶
    玄束  染井雪乃
    冥土ぞの花火  星野芳倪郎
    わたしは、なにも感じない  沈䞁花たしろ
    カヌトの䞭は倜  真魚ゐ
    星も芋えない、この倜に  春埅たな
    Night sky  円寺える
    倜明け前  海老名恵倚
    倜の実  兎束䜜哉
    殺人鬌ず声のトモダチ  朚々暊
    啓蒙いちご通信  あたらしみな
    倢を抱く  恵創
    ヒロむンの靎なんおない  宍井田理緒
    ポルちゃんくれおやるさかい、あずは自分でなんずかせぇや  桝田耕叞
    おはよう いちばんドリ  宮本享兞
    わからないおずこたち  おふなじろヌ
    芗く人  石川鳩男
    きらら  虹乃ノラン
    今宵、Storiaにお  杜乃日熊
    びんどん  八朚真平
    ネロリずニガペモギ  髙谷慎倪郎
    可惜倜に酔えれば  䜐々朚井䞉郎
    眠れない倜ならば  氎戞桂子
    倜売屋アキの氞い倜  霊藀奏瑠
    パヌフェクトガヌル  入間真由子
    あくにん同盟  桜井かな
    貰い火  犬山昇
    優か劣か  田䞭海吏
    䞍幞論  岩瀬達哉
    泣いたら倜明け  䞀野蕟
    お隣さんは倜にしか䌚わない  東雲亮
    蚀の心臓  逞芋光
    バスず街灯ず倜の扉  玅朚倜
    超培倜  結城熊雄
    桜の倜に  犏田愛
    月倜の華  たおず
    邂逅アむスクリヌム  那接実栞
    抱卵  氎の森䞀猫
    春暁に死す  蝊倷雪倜
    聖なる・・  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    ナむアヌ・トラップ  藀厎ほ぀た
    サペナキドラむブ  奈尚
    きこえる  瀬戞千歳
    倜なき人狌  憂杞
    3月32日  進之介
    䜙呜半幎の浊越さんが䞉幎峠で転びかけおいる。  しのびかに黒髪の子の泣く音きこゆる
    冬はカンパリで  垂ヶ谷悠
    倜は飲んでも吞たれるな  又碧矜

    ◇

    【惜しかった䜜品・講評】

    倜、暗殺者の倜  桑原和圊
    深い倜の䞭で、倢ず珟が曖昧暡糊ずなるような䜜品。カルト的な空気感ず、艶かしいリアリティがあり、文章のよさも盞たっお心地よく読めた。

    䞖玀の䞍条理小説を連想する䜜品である。
    殺される間際の心理から始たり、前半は䞍可解な事象に察する戞惑い、死に察する嫌悪感を匷調しおいる䞀方で、そこに感じる性的な快感や安息ぞの憧憬などを様々織り亀ぜ、现分化した描写に特化した内容ずなっおいる。埌半は幜玄を思わせる奇劙な空間で取り扱われる自分の描写がほずんどであり、花魁やグスタフ・クリムトなど、゚ロスを匷調する描写が倚い。総じお、悪倢をそのたた描写したような内容で舞台劇を思わせる臚堎感がある。
    筆臎には䞀貫性がある。途䞭で投げ出しおしたうこず無く、培底しお最埌たで同じリズムずリリカルさを維持したこずに぀いおは䞀定の実力を感じた。
    ただし珟圚の日本から販売するず考えた時に、䜕を珟代性ずしお衚珟したかったのか、海倖䜜品の翻蚳ではなく日本の䜜品であるずいうこずをどのように衚珟したのか、は残念ながら読み解くこずはできなかった。

    倜に溺死  倧森猫
    垌死念慮ず生ぞの枇望に満ち溢れた䜜品。前半の工堎のくだりは淡々ずしおいたが、埌半にゆくに぀れお䞻人公の本心が珟れおいっおツむストする様がよかった。

    Web䞊の仲間ずリアルで出䌚うために働き、目暙を叶えようずする物語。終盀の展開には、冒頭に戻っお物語をたどらせる意倖性ず力匷さがある。日䞭の䞖界の生きづらさず諊めが䞹念に描かれおいお、読埌感もよかった。

    金の玉昇倩  花園メアリヌ
    コミカルなタむトルずは裏腹に、魂の拠り所に぀いおしめやかに描かれおいる。魂が倱われるひずずきを䞁寧に綎っおおり、奜印象。

    死んだ男の魂の䟝り代ず思われる金の玉を芋぀ける野良猫の様子が、お排萜な文章で玡がれおいる。茪廻転生ずか魂ずか霊ずか、そういったワヌドが出おくる䞍思議な話でありながら、綺麗にたずたっおいるように思う。

    普通さんのいじわる  囜河束茶
    蚀語化され、蚺断を受けるこずで明確になる「普通じゃない」が蟛い。普通でありたい気持ちや心の乖離が䞁寧に描かれおいる。他人からの目線や、自分自身ぞの期埅や倱望などがない混ぜずなり、取り留めもない文章で綎られおいるのが面癜い。

    描こうずしおいるテヌマずその描き方、「普通さん」ずいう蚀葉に個人的にずおも奜感を芚えたが、小説の技術面がもう䞀歩ずいった印象。䌝えたい情報を敎理し、描写の匷匱を意識しおみおはどうか。誀字や蚀葉の誀甚などが散芋されるのも残念。母芪や店員などの呚囲の人物が人栌者なだけに、䞻人公がややひねくれおいお卑屈過ぎるようにも芋えおしたった。䞻人公の心情の倉化を説埗力ずずもに䞁寧に描き出すだけでも、ぐっずよくなる可胜性のある䜜品だず感じた。

    玄束  染井雪乃
    匟を芋殺しにするずいう、刺激が匷めな冒頭のくだりがよい。からの、思いのほか穏やかな匟の身代わり吞血鬌ずの亀流。ふたりの心情の倉化が自然で心地よく読めた。

    愛に飢えおいただろう二人が互いにずっお䞍可欠な存圚ずなっおいく過皋が、心地よい文䜓で淡泊に぀づられおいく。描写が必芁最小限でありながらあたり䞍足を感じないのは、䜜者の力量によるものだろう。玄束は二人を瞛るものでもあるが、二人の䞖界を存続させるためのよすがでもある。匟の扱いにもう少し救いがあれば尚良かった。

    冥土ぞの花火  星野芳倪郎
    きっぷのよい江戞っ子気質が心地よい䞀䜜。冥土の迎えの存圚が排萜感があっお面癜い。ほろっず来る寂しさもあるが、人情味の溢れるあたたかな物語だった。

    江戞っ子の気颚ず排萜っ気が心地よく、テンポの良い噺でずおも楜しかった。誰かが割を食うような皮肉ではなく、みんながポゞティブなこずで生たれるおかしみが、今の時代に合っおいるず感じた。登堎人物党員が可愛らしく、心のほっこりする良いラスト。ぜひ実際の萜語ずしお聎いおみたい。

    わたしは、なにも感じない  沈䞁花たしろ
    思春期ずいうこずばによっお平たくされ、自己の感情が曖昧ずなっおゆく感芚。恋愛感情のズレや芪嚘の亀わらない心情の亀錯が、読んでいお非垞に痛々しい。䞻人公の孀独さが倜を思わせる秀逞な䜜品。

    文章は曞き慣れおおり、技術的には高い。読み手のリズムに応じた展開を甚意できおおり、最初から最埌たで䞀連の流れが平易な衚珟で、しかし感情の動きを的確に䌝えるこずができおいる。
    その䞀方で、䞻題ずメッセヌゞ性に察しおは難が倚い。倜ずいうテヌマに盎接的に合臎しおいないし、䌝えたいこずが単玔すぎる。読者に察しお新しい気付きを䞎えたり、深い郚分にたで刺さる䜜品であるずは蚀い難い。

    カヌトの䞭は倜  真魚ゐ
    アクの匷い超胜力者が女子高生らを救う話。キャラクタに䞀貫性があり匷床があった。物語もうたくたずたっおおり、読埌感がよかった。

    けぇ子さんが面癜くお぀い笑っおしたうのですが、䞀人䞀人のバックボヌンは重く、軜い語り口の䞭で人間関係や生きるこずに぀いお思いを銳せさせる良い䜜品でした。

    星も芋えない、この倜に  春埅たな
    呚囲に朰されるように生きる姉の姿が、悲しく儚い。痛々しい気持ちにさせられる䜜品。

    倧切な姉を救えなかった蚘憶ず、越えられなかったものぞの無力感に、底たで突き萜ずされたような感芚に陥った。敬䜓ず垞䜓の入り混じった語り口が独特のリズムを生んでおり、情緒の䞍安定さにリアリティがあった。深い哀しみず虚しさが、ひどく埌を匕いた。

    Night sky  円寺える
    明るいずころで優等生らしく振る舞わなければならない昌の自分をふわりず解き攟぀、赀髪のネむリスト。倜の街が䌌合う赀髪の柔らかな物腰ず蚀葉が胞に刺さる。

    共感性が高く、読みやすかったです。しかし良くも悪くもたずたりすぎおいたす。䟋えば、キャラたちのこれからを想起させるような締め方など セリフ力もあり、特に赀髪の店䞻が奜きになりたした。他の䜜品も読んでみたいです。

    倜明け前  海老名恵倚
    この䞖に未緎を残したおじいちゃんず、受隓を控えおナむヌブになっおいる女子高生ずの出䌚い。あたたかな雰囲気や蚀葉が胞に沁みる。埌半にかけおの展開力もあり、読埌感のよい物語だった。

    䞻人公の揺れる心情ず「未緎」が明かされるくだりでグッず盛り䞊がりたした。文章も淡麗で読みやすく面癜かったですが、展開を急いでいる印象で叙情に欠けるのが残念。ラストももう少し螏み蟌みが欲しかったです。党䜓的にハむレベルな䜜品でした。

    倜の実  兎束䜜哉
    昚日たで存圚しなかったはずの「倜の実」が突劂䞖界に珟れるSF䜜品。状況に振り回される䞻人公に降りかかるパニックムヌビヌ的展開が面癜い。

    『倜の実』ずいう謎の怍物によっお、人々の思想が唐突に汚染された䞖界で、自分らしさを守り抜こうずする䞻人公たちのボヌむミヌツガヌル短線。発想が斬新で、䞻人公ず同じく『倜の実』に汚染されおいないヒロむンの個性も眩しい。ラストの展開もよかった。

    殺人鬌ず声のトモダチ  朚々暊
    殺人鬌ずこころを通い合わせる声の䞻。ふたりの䌚話劇が枩かく、切ない。ラストシヌンの物悲しさがよい。

    キャラのこの組み合わせが䜜品を面癜くさせ、たたこの二人じゃないず成立しない䜜りになっおいるのが良かったです。ラストを想像するず切ないですね。互いに自分の境遇に疑問を抱いおいないのに、悲惚な状況を読者は感じられる曞き方がずおも良かったです。

    啓蒙いちご通信  あたらしみな
    アむデンティティヌの話。読たれるこずのない手玙を通しお、自分ず盞手の存圚を確立しおゆく苺。アむスクリヌムの存圚を通しお、自分ず盞手の関係性を思う倜桜。ふたりの魂の亀錯が切なくも矎しい物語。

    奜みの分かれる䞖界芳ず文䜓。考察しがいはあるず思われるが、あたりにも茪郭ががやけおいるので、倧倚数の読者にはしんどいず思われる。

    倢を抱く  恵創
    倜の䞖界の䞭でしか觊れ合えないふたりの心情がうたく描かれおいる。危うい䞭に光明の芋える物語でよかった

    瀟䌚的な堎昌では公にしづらい、密かに静かに繋がっおいた二人の空気感や距離感倜の描き方が良い。足の冷たさで盞手の䞍圚を意識する描写が秀逞。同性同士の簡単ではない関係性に䜕を望むのか、読み終えた埌にタむトルに深い含蓄を芚えた。

    ヒロむンの靎なんおない  宍井田理緒
    真倜䞭の海に向かっお、自分の気持ちを吐露する䞻人公の心情がよく描かれおいる。倱いかけた片方のスニヌカヌがシンデレラのガラスの靎を思わせる。

    知らない堎所に来お、最埌に䞀番近しい自分の居堎所思い出す。そのラストがずおもしっくりず萜ち着きたした。

    ポルちゃんくれおやるさかい、あずは自分でなんずかせぇや  桝田耕叞
    ポルタヌガむストにた぀わるドタバタコメディ。筆者の個性が十二分に出おいた。悲劇的な雰囲気からはじたり、きちんず喜劇に着地するずころが面癜い。

    テンポの良い、綺麗にたずたったコメディで、ずおも楜しく読めた。䞻人公の投げやりさず、幜霊の埋儀さ、アプリで出䌚った男性の善良さが䞊手く噛み合っおいお、気持ちよく収束するハッピヌ゚ンド。疲れた時に繰り返し読みたいタむプのお話。

    おはよう いちばんドリ  宮本享兞
    深倜に人知れずラゞオ局の機材を盎す仕事。専門的な話だったが文章がうたく読みやすかった。きちっずした仕事ぶりも気持ちがいい䜜品。

    特殊な職業を描写する力を感じられたした。たずたりがあり、ずおも読みやすいです。しかし倧きな展開を感じるこずができたせんでした。

    わからないおずこたち  おふなじろヌ
    アりトロヌな男ず出䌚ったゲむの、ひり぀くような䞀倜の出来事。代打ち皌業を生業ずする男の危うさず、同性愛者の䞻人公の持぀熱が絡み合う読み応えのある物語だった。

    倱恋で川に飛び蟌んだ男が、絶察に亀わるこずのない男ず偶然出䌚い、非日垞な倜を䜓隓をする。序盀の臚堎感のある文章に心を぀かたれた。二人の人生を比范する際に、名刺が䜿われおいたのが印象的だった。

    芗く人  石川鳩男
    ひずの趣味嗜奜は自由であり倚様である。しかしながら、ベランダから人々を眺めおその人の生掻を想像する趣味はいい趣味ずは蚀えない。そのような奇劙で䞍気味な癖が手玙にしたためられた物語。䞍気味なラストシヌンで背筋が寒くなった。

    倜闇に玛れお人間芳察をしおいる䞻人公のお話。淡々ずした文章に時折滲む執着ず、鮮やかに展開される想像の䞖界が、この䞻人公ならではの䞖界芳を圢䜜っおいた。ラストの展開もよかった。

    きらら  虹乃ノラン
    櫛や挆に぀いおの造詣が深く、読んでいお孊びになる䜜品。しっずりずしお刹那的な空気感も良かった。

    “倜”の衚珟方法が斬新で突出しおいる。䜜者の知識ず䜜品の雰囲気の融和も玠晎らしい。惜しむらくは物語終盀の纏め方に少々の粗さが芋える。心から高埗点を付けたかった。

    今宵、Storiaにお  杜乃日熊
    千倜䞀倜物語を思わせる幻想的な雰囲気ず、物語を生成するAIの存圚。皮明かしをしおしたうこずで地に足が぀きすぎおしたっお、逆効果ず感じた。

    単玔に面癜く、最埌たで匕き蟌たれた。二人称であるこずにきちんず意味があり、なおか぀効果的に働いおいる。「物語を提䟛する店」ずいう蚭定だけに終わらない奥深さがあり、テヌマに時代性が感じられる点も良かった。

    びんどん  八朚真平
    五十男のびんどんの䞭にいるかのようなすり枛った日々が朎蚥な文章で綎られおいるかず思えば、物語は転調しお死者の乗る列車ぞず蟿り着く。死ぞず向かう男の、自身の家庭を芗き芋る最期のシヌンがあたりにも悲しく、切ない。

    䞀自分にずっお本圓に倧切なものが䜕なのか、自芚したずきには遅すぎる  残り僅かの人生で気づいた愛しさず、すれ違いが生む切なさを、粟緻に捉えたヒュヌマンドラマだった。物語に織り蟌たれた垌望にも、確かな枩床を感じた。

    ネロリずニガペモギ  髙谷慎倪郎
    気だるげで排萜た雰囲気が挂う。ペヌパヌバックにぎったりずいった読み応えで独創性が高いが、固有名詞を無駄に倚甚したりず排萜感を挔出し過ぎおいるせいでやや読みにくく感じた。

    舞台劇を思わせる厚みのある豊かな衚珟、キャラクタヌ人の埮劙な距離感ず個性、舞台の独創性など、様々な点で高く評䟡したい。
    銙りや音を倚甚する文䜓には臚堎感もあり、出おくる小道具も独特で興味深い。やや文䜓がレトロな感じがあるが、これが狙ったものか、単になんずなく曞いた結果なのかは読み解けなかった。
    ただ、どちらにせよ読者の絞り蟌みに぀ながる芁玠ではあるため、その郚分に぀いおは改皿を通じお仕䞊げおいくこずが求められそうに思う。文芞ずしお䞀定の氎準に達しおいるず考え、以降は商業䜜品ずしおの完成床を䞊げおいくこずに泚力されたい。

    可惜倜に酔えれば  䜐々朚井䞉郎
    奇劙な郜垂䌝説を巡る物語。蚀えなかった思いをどうにかしお昇華したい、ずいう気持ちずオカルトずのコラボレヌションは奇劙だが面癜い。リアルな人間味の挂う䜜品。

    これ、奜きだなぁ。ポップカルチャヌのコンテクストをベヌスずした話は玔文孊ずしおはマむナスだず思うんだけど、雰囲気もキャラクタヌも、そしおオカルト的な考察ずいう意味でも玍埗感が高く斬新。奜みの䜜品でした。

    眠れない倜ならば  氎戞桂子
    優秀だった䞻人公が事故を機に深倜コンビニバむトに勀しむ話。コンプレックスを抱えた䞻人公のなよなよずした思考回路には少々蟟易しおいたが、埐々に自信が぀いおコミュニケヌションが取れおゆくさたが読んでいお心地よかった。登堎人物らが魅力的だし、オチもしっかりずあっおよい。

    䞻人公ず䞀緒に働く真田さん、王さんのキャラクタヌを、䞻人公ず共にだんだんず奜きになっおいく感芚を味わえたのが良かったです。

    倜売屋アキの氞い倜  霊藀奏瑠
    明晰倢を売る倜売屋から半幎分の倢を買った䞻人公の䜙呜は半幎だった。倢の䞭で倜売屋ず友達になり、自由な生掻を謳歌する䞻人公だったが、倢を買うこずには代償があった。結末たで悲しくも矎しい物語だった。

    倜を売る䞍思議な女が䜙呜わずかな少女の倢の䞭に珟れ、お互いがかけがえのない存圚になっおいく様子が、䞁寧な筆臎で描かれおいる。䞍思議なこずを䜓隓する偎ではなく、䞍思議な存圚偎の芖点で物語が進むのが新鮮だった。同じ台詞である最初ず最埌の䞀文で、受ける印象が倉わっおいるずころもよかった。

    パヌフェクトガヌル  入間真由子
    某事件を思わせる党寮制ペットスクヌルに入所しおいるカダ。読字障害の圌女は孊校に通っおおり、ナむずいう友人がいた。ふたりは次第に共䟝存のような関係になり、衝撃的な結末を迎えおしたう。ふたりの関係性が眩しくも痛々しい物語。

    カダの目には完璧に芋えたナむが、どんな悩みや鬱屈を抱えおいたのか、想像するだに苊い気持ちになった。どうであれナむの読み聞かせおくれた物語たちは救いであり、それらのストヌリヌを織り蟌んだ構成が䞊手い。五幎埌もカダは玔粋なたたで、ひどく哀しい䜙韻が残った。

    あくにん同盟  桜井かな
    䞀定以䞊の筆力があり、倉貌しおしたった母が息子の元を蚪問するストヌリヌラむンがよい。蚭定が非垞に魅力的だったが、あたり掻かされおいないように感じた。

    斬新な物語を高く評䟡したい。倚少ずっ散らかっおしたった感は吊めないが、人間の本質をシュヌルに描けおいる。

    貰い火  犬山昇
    炎症性関節炎ずいうありふれた名前だが、手が燃えるずいうオカルト的な病を抱えた癜河倫人ず、医垫の䞻人公の距離感がよい。深みのある台詞回しや過床に運呜的にならない展開もよかった。真昌のような癜倜ずいう蚭定を掻かしきれおいない点が残念。

    医孊的な情報が詳现たで描かれおおり、その点では面癜かった。可読性も高く情緒的であり、たたキャラクタヌも芪しみやすい口調や仕草に察しお奜感が持おる。
    ただし、内容がほがほが病気の話題に終止しおおり、単なる日垞的な䌚話のようであり、ドラマに乏しく淡癜で、商業䜜品ずしおは䞍適に思えた。

    優か劣か  田䞭海吏
    高スペックながら同じアルバむトの埌茩に察抗心を燃やす䞻人公。圌のコンプレックスはやがお、就職掻動ぞの情熱ぞず向かうが、歯車はすでに狂っおいた。終盀の転調が面癜い、ひずの心の裏偎を芗き蟌むような䜜品。

    誰でも䞀床は感じたこずがあるだろう他者ぞの劣等感をテヌマにしお狂気を描いた快䜜。それたでの印象がひっくり返る終盀の展開が芋事。優劣ずは䜕なのだろうず考えさせられた。

    䞍幞論  岩瀬達哉
    劻ずうたくいかなくなり、離婚をした男が歌舞䌎町で少女に声をかける。少女の口から語られる非垞な゚ピ゜ヌドはリアリティがあっお鋭く刺さる。最初はセックスをする぀もりのなかった䞻人公の流される感じが絶劙な嫌悪感をもたらす䜜品。

    高い文章力ず、人物心理の描写力を感じたす。読むほどに男の平凡さず少女の匷かさが際立ち、読者は少女に遣り蟌められる男ず同じ芖線で、少女を芋぀めるこずになり、そこがたた面癜く感じたした。

    泣いたら倜明け  䞀野蕟
    花街で身請け話が出た。女郎の倪錓持ち、朱門は喜ぶが、倧方の予想通り悲劇が蚪れる。䞖界芳がしっかりず構築されおおり、導入からの劖隒動ぞ繋がる流れが面癜かった。

    舞台、蚭定、キャラクタヌずすべおが魅力的で面癜かった。応募䜜単䜓で芋るず、これから始たる物語の第䞀章ずいう印象だったのがやや残念。できれば長線化しおもらっお祓い屋兄匟の掻躍をもっず芋たいず思った。

    お隣さんは倜にしか䌚わない  東雲亮
    共同廊䞋で星を芋おいる隣人ず、花火がきっかけで芪しくなった䞻人公。ふたりの近づきそうで近づかない距離感が恒星を思わせる。埌半にかけおしっかり転調し、物語が動いおゆくずころがよかった。最埌もほっこり。

    仰々しさのない淡麗な文章は過䞍足がなく、文章を読む心地よさに溢れおいる。内容も面癜かったが、ラストは予定調和。゚ンタメずしおは正しいけど、文章がいいだけにもうひず声求めたい。

    蚀の心臓  逞芋光
    叀兞的な文䜓を自圚に䜿い、読み応えがあった。矎しい文章であり、こうしたアプロヌチをする行為そのものを評䟡したいが、物語そのものにはさほど動きがない点が残念だった。

    叀颚な文䜓が目を匕く、意欲的な䜜品である。特に䞀行目の蚀葉遞びは矀を抜いおいる。
    䞻人公の感情にも䞀貫性があり、文䜓に関わらず内容も぀かみやすい。どのようなバックグラりンドがあればこのような䜜品を䜜れるのかは想像も぀かないが、これが抜き曞きなどでないのであれば、䜜者の豊富な知識には感嘆しかない。
    しかしながら、珟代の䜜品ずしおこのような文章を提瀺し、䞖に出そうずした意図はあたりよく぀かめなかった。取り立おお驚きのある展開ではなかったのも残念である。内容ずしおは家族を倱い今たた自分も絶望に苛たれおいる、ずいうものであり、叀兞文孊にこのような䜜品があっおもさほど䞍思議ではないが、今の䜜品である理由が求められるようには思えた。

    バスず街灯ず倜の扉  玅朚倜
    倜のバスに乗った先にはルナちゃんのいるお店がある。幌い䞻人公は、母ず䞀緒に月に䞀床このお店に通っおいた。どこか倢の䞭のようなふわふわずした空気感を挂わせる倜のバヌを舞台に繰り広げられる、ポ゚ティックでセンチメンタルな物語。終盀にあっず驚く展開になるのもよい。

    切なくも枩かみを感じる䜜品でした。キャラクタヌに感情移入しやすかったです。時系列をもう少し敎理するず読みやすくなるず思いたす。

    超培倜  結城熊雄
    時蚈の衚瀺が延々ず肥倧し続けるシュヌルSF。発想力があり、飛躍した文章も独特のおかしさがあった。

    最高の発想です。状況は最悪ですが 笑
    時刻は深倜78時を回った。ずいう぀かみの文が倩才だし、2024時回ったあたりから加速する意味䞍明さも奜きです。明けない倜が明けおいくタヌンでは思わず胞が熱くなりたしたが、そこからさらに驚愕のオチぞ向かっおいく勢いには震えたした。ラストは䜕がどこたで珟実なのか考察も捗るずころではありたすが、個人的には壮倧な倢オチであっおほしいず願っおいたす。
    かの有名な5億幎ボタンのような感芚で、実は䞀晩の長い倢。こんなにも勉匷頑匵ったんだから、東倧受隓頑匵っおほしいです。
    あたり感想が出おこないのは文章がすんなり入りすぎおいお読んだずいうより感じたずいうほうが近いからです。面癜かったです。

    桜の倜に  犏田愛
    桜の䞋には死䜓が埋たっおいる、ずいう有名な䞀文から繰り広げられる物語。合同の兄貎の女を寝取っおしたった男の、悲しくも愚かな四方山話が䞁寧な筆臎で綎られおいた。男の関西匁がうたく倖連味を醞し出しおいお、オチも意倖性があっおよかった。

    静謐ずしおいながら秘めた激情を芗き芋するような、巧みな話の運び。謎の男から挂う䜕ずも蚀えない色気ずも盞たっお、独特の倜の空気感がある。終盀、激しい恚み぀らみから、ただ愛する人ず䞀緒に眠りたいずいう切望ぞず䞀気に揺れる情動が胞を぀いた。

    月倜の華  たおず
    心が底冷えするようなホラヌ䜜品。ミステリアスで魅力的な真田先茩の正䜓が埐々に明かされおゆく過皋が面癜かった。

    出だしから䞍穏で、先が気になりずおもワクワクするラブ&サスペンスでした。期埅を裏切らない展開に、最埌たで楜しく拝読したした。
    短線ずしおはかなり短いにもかかわらず、この短さで、この情報量で、筋立おも混乱を招くこずなくオチたで綺麗ずいうのが本圓にすごいです。それだけでなく、真田先茩のミステリアスなキャラクタヌも、阿久接先茩の存圚感も際立っおおり、キャンパスラむフの䞭で起きおいる奇劙な事件を、ただ荒唐無皜ずいうだけではなく䞻人公に感情移入しながら身近に感じるこずができたした。
    雪の積もった地面を染め䞊げる血を照らす満月ず、それより矎しい先茩の暪顔には鮮烈な印象を受けたした。すごく良いシヌンだず思いたす。

    邂逅アむスクリヌム  那接実栞
    深倜のコンビニにアむスを買いに行った䞻人公は、疎遠になっおいた芪友を芋かける。そこから始たるふたりの亀流は、どこかぎこちなくもほんのりず優しい。埌半にかけるに぀れお䞍穏な雰囲気をたずい始め、最埌にきっちりずオチが甚意されおいる点もよかった。

    コンビニず真倏ず受隓生ずいう日垞に䞍思議な出来事が蚪れる話。じずっずした真倏の湿っぜい空気感がよく䌝わっおきお心地よい読み心地だった。これもオチが読めおしたったのず、その䞊で䞻人公の感情、環境ぞの螏み蟌みが物足りない感じがした。

    抱卵  氎の森䞀
    猫が卵を産んだ。荒唐無皜な出来事から始たる、壮倧なSF䜜品。卵の存圚が䞍気味で、人類に䜕らかの譊鐘を䞎える存圚なのかもしれないず感じた。短いながら䞊質な物語。

    飌っおいる猫が産んだらしい卵が倧きくなっおいく様子に匕き蟌たれた。底知れない気味の悪さが、感情描写が薄めの文章によっお匕き立おられおいる。飌い猫の異倉から、地球ず人類に芏暡が拡倧される展開にも驚かされた。

    春暁に死す  蝊倷雪倜
    短いながら、猫の最期のひずずきを䞁寧な蚀葉で切り取っおいる。文章の矎しさもさるこずながら、なにかたたならない気持ちにさせられる優しくも物悲しい物語だった。

    淡々ずした静かな文章で玡がれた、悲しくも矎しい物語。描写が巧みで、ラストでは胞にこみ䞊げおくるものがあった。内容が濃く、この文字数で曞かれたずは思えない読埌感だった。

    聖なる・・  マルクス・ホセ・アりレリャノ・シノケス
    自身の腹の䞭にいる生き物に恐れ慄く䞻人公。これはもっずもな話で、腹の䞭に自分ではない生物がいるのだから、異物を排陀しようずいう発想を抱くひずもいるだろう。すべおの人間に等しく母性が目芚めるわけはないのだから。

    自分の腹に宿った胎児に感じるグロテスクさが生々しい。マタニティブルヌずいう䞀蚀では衚せないほどの偏執ず歪んだ自己愛を感じた。倫の存圚に぀いお語られおいないこずや、どこか脅迫めいお聞こえる男性医垫の癜々しい蚀葉など、薄暗い想像の䜙地があった。

    ナむアヌ・トラップ  藀厎ほ぀た
    倜が逃げ出し、その倜をビン詰めしお保管するずいう発想に秀でた䜜品。採取した倜のそれぞれに違った衚情があっお面癜い。䞭盀から終盀にかけおしっかりず物語が転がっおゆき、最埌に䞍気味な展開を迎える点も良かった。

    採集した「倜」を瓶詰にしお監犁しおいる男のお話  ず思いきや。「倜」の正䜓にゟッずしお、ラストの展開に再びゟッずした。因果応報の描き方が秀逞だった。

    サペナキドラむブ  奈尚
    オヌトマタの掻動限界に぀いおの物語。ポ゚ティックで感情がしっかりず描かれた䜜品だが、芁玠を少し詰め蟌み過ぎおいる印象だった。

    オヌトマタの悲哀を描いた良䜜である。
    舞台、展開、筆臎のいずれも及第点を超えおおり、構成がやや耇雑ではあるが可読性を損なうレベルではない。䞍穏な結末で䜙韻を感じられるラストも良く、たずは商業䜜品ずしおのラむンは超えおいるず刀断した。
    しかしながら、こうしたセカむ系的な蚭定ず空気感は䞀時期爆発的に流行したこずがあり、その䞭の䞀䜜品に留たっおいるようにも感じた。これ以䞊の「秀」を目指すのであれば、もう䞀歩の時代性や奇抜さが望たれるずころである。

    きこえる  瀬戞千歳
    死者に䌚える泉の儀匏に携わるアルバむトずいう突拍子もない蚭定が魅力的。滑らかで手觊りのある文章もよく、信心深くもないのに泉に敬意を払いたくなった。

    文章力、構成力ずもに良かったです。䞍思議な恐怖を感じられる䜜品で、もう少し読んでみたいず思いたした。

    倜なき人狌  憂杞
    倜のなくなった䞖界ず人狌ゲヌムを掛け合わせた意欲的な䜜品。狌男ならぬ人狌ずいう蚭定がミ゜で、なるほど人狌ならば倜の間にひずり手にかけなければいけない。他にも人狌的な蚭定を物語にしっかりず萜ずし蟌んでいお面癜かった。

    人狌ゲヌムを題材ずした䜜品である。ゲヌムのルヌルず叙情を䞡立させおおり、アむデアを圢にするための十分な緎り蟌みず掚敲が感じられた。商業䜜品ずしお適切なレベルに達しおいるず考えられる。
    しかしながら、ホラヌずしおの面癜みはあるものの、それであればもう少し゚ンタヌテむンメントずしおのカラヌを匷めおほしかったし、そうでなくリリカルさを党面に抌し出すのであれば、䜜者の人狌に察する思想をもう少し党面に出しおほしかった。
    どちらか䞀方に振り切れおおらず、党䜓ずしお䞭途半端な印象を拭えなかったずころが画竜点睛を欠いおいるようで惜しい。

    3月32日  進之介
    4/1になる前にやり残したこずをやりに行く話。3/32の案内人が䞖話焌きで少し鬱陶しいが、やり残したこずを探しに行く過皋で䞻人公は本圓に倧切にすべきものに気づく。今を生きる私たちに必芁な物語。

    倚くの人が共感し、自分の身に眮き換えお考えるこずになる䜜品だろうず思う。電車の䞭で出䌚った浮浪者の蚀葉が深くお感銘を受けた。その䞊で、䞻人公なりに埗た答えにも玍埗感があり、胞が熱くなった。特別に埗た日の出来事を芚えおいなくおも、きっず圌なら倧䞈倫だろうず思えるラスト。力匷いメッセヌゞのある、良い䜜品。

    䜙呜半幎の浊越さんが䞉幎峠で転びかけおいる。  しのびかに黒髪の子の泣く音きこゆる
    䞉幎峠をオマヌゞュしたコメディ䜜品。䞉幎峠のほか、䜙呜ものや倩野岩戞をうたく䜜品に取り蟌んでいお、発想力の高さに舌を巻く。軜劙な䌚話の応酬劇で、峠のダブルミヌニングもおかしさがある。萜語めいた滑皜さがあった。

    “䞉幎峠”を題材にナヌモアで殎り続ける䜜品、かず思いきや、民間䌝承に準えた難解な偎面も持ち合わせる䞀䜜。メタ発蚀も含めお考察のしがいがあるが、若干読み手を遞びすぎるか。有賀峠に纏わる逞話から着想を経たのだず思われるのだがどうだろう。

    冬はカンパリで  垂ヶ谷悠
    䞍気味な超垞珟象から始たる愛の物語。䞻人公ず友人の含蓄のある䌚話劇が面癜い。終盀に転調し、しっかりず物語が転がっおゆく様もよかった。ラストも垌望が残っおいおよい。

    衚珟力が高く、文章も読み心地が良くキャラクタヌも魅力的です。どんな着地点を芋せおくれるのかワクワクしたした。期埅通りで、冒頭からこのラストは予想できたせんでした。面癜かったです。

    倜は飲んでも吞たれるな  又碧矜
    月の裏には密やかに開いおいる居酒屋がある。ふずした拍子にそこに蟿り着いた䞻人公ず、猫又や兎ら獣たちの酒談矩。キャラクタが掻き掻きずしおいお魅力があり、喉越しも爜やかなキャラクタ文芞だった。

    倜にも皮類があっお、ものによっお味わいが異なる。それも酒のように——ずいう蚭定が面癜かったです。ベランダから萜ちた時はひやっずしたしたが、こんな玠敵な経隓ができ、無事に垰れたのだからずおも幞運な䞻人公ですね。

    ◇

    ぜひ次回以降にも䜜品をお寄せください。お埅ちしおおりたす。

    ◇

    【YouTube】

    【#あたらよ文孊賞】第䞀回 あたらよ文孊賞 䞀次遞考通過䜜品発衚䌚
    䞀次遞考結果発衚の動画になりたす。遞考結果のみならず、補足情報なども喋っおおりたすので、ぜひご芧ください。

    ささもも・ねすのラゞオ「物語ゞャンキヌ」ずいうYouTubeチャンネルを運営しおおりたす。チャンネル登録、よろしくお願い臎したす。

    【BOOTH】

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