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Photo byhananosu

隠れ家の不良美少女 76 思い出の所沢

    希和と所沢の部屋へ帰ってくる。希和は部屋の前で立ち止まった。
    「私入ってもいいの?」不安そうに聞いた。
    「勿論いいさ」
    「桜子さんとの思い出を壊さないの?」
    「大丈夫だよ、桜に誰かと幸せになるって約束したから、だから希和を連れてきたのさ」
    「友希さん……私でいいの?」
    「ああ……もう希和と希美子さんは家族だ」
    「有難う友希さん」希和は目に涙を一杯貯めたまま俺を見上げた。

    俺の部屋に初めて桜以外の女性が入る。部屋の空気が少し変わったような気がした。
    希和はキョロキョロと見回して「オシャレな部屋なんだね……」そう言った。

    「着替えは持ってきたか?」
    「うん、」
    「じゃあ、寝室で着替えな」
    「わかった」
    「希和はデニムのサロペットにキャップを被って出て来た。
    「どう?こんな感じで……」
    「いいよ、可愛いぞ」
    「不良の格好って難しいね」
    「キナコとバレないようにするには、不良少女が良いと思ってな」俺は笑った。
    「これならバレないと思うよ」
    「じゃあ出かけるぞ」
    「どこに行くの?」
    「中古車センター」
    「えっ?」
    「キナコ号を買うのさ」
    「えっ?」
    「これから移動は電車じゃ難しくなる、だから車を買うのさ」
    「そうなの?でも私そんなお金はないよ?」
    「大丈夫さ、俺に貯金が多少あるから、多少だけどな」笑った。
    「ゴメンね、迷惑かけて」
    「何言ってんだ、仕事に必要だから買うのさ、心配するな」
    「うん……」

    バイクで近くの中古車センターまでやって来ると、高級そうな8人乗りの黒いミニバンがあった。
    「これは良いかもな……」
    「なんか偉い人が乗りそうな車だね」
    「年式は少し古いけど、これなら買えそうだ」
    「そうなの?」
    営業の人に相談して、購入することに決めた。
    手続きがあるので納車まで2週間程かかるそうだ。
    「希和、車が来たら希美子さんも一緒に軽井沢までドライブしよう」
    「本当?」
    「ああ、約束だ」
    「お母さんに言っとく」希和は嬉しそうに俺の腕に抱きついた。

     
     
     
    東京で音楽を作る仕事をやってました。今は秩父の廃校にプライベートスタジオを作り好きな音楽を作って暮らしています 。 イベントやお店のプロデュースもやってます。小説の勉強中でカクヨムにも連載中です。

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