
【Day18】炭素の見方が変わる一冊
【Day18】炭素の見方が変わる一冊
今、『カーボン』という本を読んでいます。
この本は、私が書いている『ほどけて、つながる。』にも、大きな影響を与えてくれている一冊です。
これまで私は、バイオ炭や土壌再生に取り組む中で、「炭素を土に貯めること」の大切さを伝えてきました。
でも、この本を読み進める中で、私自身の炭素に対する見方が大きく変わりました。
私たちは「炭素」と聞くと、二酸化炭素や地球温暖化を思い浮かべます。
そのため、炭素は「減らさなければならないもの」という印象が強くあります。
でも、本当にそうなのでしょうか。
この本には、とても印象に残った言葉がありました。
「炭素は、あらゆる生命の痕跡に命を吹き込む、分子レベルの設計者であり創造者である。」
この一文を読んだとき、私はハッとしました。
炭素は、生命を脅かすものではなく、生命そのものをつくる存在だったのです。
植物も、動物も、人間も。
土の中の微生物も。
私たちの体も、炭素によってできています。
さらに驚いたのは、人間の体には約30兆個の細胞がありますが、それ以上の約40兆個もの微生物が共生しているということでした。
私たちは一人で生きているのではありません。
目に見えない無数の生命とともに生きています。
それは土の中も同じです。
植物の根は微生物や菌類とつながり、互いに支え合いながら生きています。
炭素は、その生命と生命を結びつける循環の中心にあります。
だから、本当に問題なのは炭素ではありません。
問題なのは、本来循環していた炭素が、その循環から切り離されてしまったことなのだと思います。
私はこれまで、「炭素を貯める」という言葉を使ってきました。
でも今は、それだけではないと感じています。
バイオ炭は、炭素を土へ返し、生命の循環を取り戻すための存在なのかもしれません。
炭素を減らすのではなく、本来あるべき場所へ戻すこと。
これからは、そんな視点で炭素を伝えていきたいと思っています。
一冊の本との出会いが、自分の世界の見え方を変えてくれることがあります。
『カーボン』は、私にとって、まさにそんな一冊でした。
今書いている本、
『ほどけて、つながる。』というタイトルには、「失われたつながりを結び直したい」という願いを込めています。
炭素もまた、生命と生命をつなぐ存在でした。
そう考えると、私たちが結び直そうとしているのは、人と人だけではありません。
人と自然。
土と生命。
そして、未来とのつながりなのかもしれません。