
「私は森の狸よ」と笑うおばあさんを取材した話
今、森でイチョウの木と語り合ってます。

先日森で出会った人が、「森部」と名付け、いろんな森を訪ね、森の地べたに座って考えたことを文章にしていると聞きました。
仲間に入れてもらって、私の好きな森に招待しました。以前といっても20年も前になりますが、取材した森です。
不思議なおばあさんがひとりで住んでいて、森の木々に教わったことを日記に書いていました。森で学んだ哲学をまとめた本が出版されていました。絶版の本を国会図書館に読みにいき、取材したいと思いました。
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自然の中には、無数の角度からの大小様々な完成美の絵画が包蔵されている。森そのものが最高の美術館。
自然の創作品はどれも文句も言いようもなく完成品というかんじ。ただどういうわけか人間だけがひどく未完成というかんじ。
ダメ相手はさっさと無視すればいいのに、これが中々難しい。ケチ根性のせいね
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おばあさんは、小さなあずまやに住んでいました。



「私は森の狸よ」とおばあさん。
森を一緒に歩きながら、私に、ひょいと葉をかがせてきました。顔をしかめた私を見て「山椒の葉だよ」とニヤリ。インタビューしてると、「あんたもやるかい」と、クッキーの缶に入れたショートホープをすすめられました。
ひとりで怖くないですか?さみしくないですか?
とたずねたら、
夜はまっくらよ。でもそのほうがいいの。人は恐れて立ち入らないでしょう。闇がうちを守ってくれるの。私はここにいて、お月さんとお星様が友達。だから最高よ。
十年ぶりにたずねたら、おばあちゃんが住んでいたあずまやに、わたしの取材した記事が貼られていました。



当時私が大好きになり、度々会いに来た大イチョウも健在でした。
嬉しくなってイチョウの前に椅子を据えて、佇みながら、この文章を書いています。


