
いつも買えないマカロン
好きなパン屋があるのだが、いかんせん遠い場所にある。
本当に好きなら通えばいいのだが
一年のうち半分は灼熱で、残りは極寒と花粉症で支配されたゴッサムシティ令和では、よっぽど気合いのある人でなければ、パンだけのために、車で1時間の距離を頻繁に通うことはできないだろう
しかし最近朗報があった
系列店が近所にオープンしたというのだ
早速足を運んだが、夕方だったため、時すでに遅しだったのか、チョコマカロンは売り切れており、POPのみが、さみしく立っていた
まあ急ぐことはない
またいつでも買える、そう思っていた
この時までは
あくる日、またあくる日に店を訪れても
チョコマカロンはない
もうこのPOPがチョコマカロンという商品なのではないかと思うくらい、出会えない
三度目の空振りで、悔しまぎれに買ったチョココロネをレジに持っていったとき、思いきって店主に聞いてみた
「チョコマカロンっていつきたら買えますか」
「あー、在庫があればなんですが…」
「何曜日に作っているとか?」
「手があいたら作っているので、いつ作るとは決まってないんです」
そんな思春期の乙女のような定まらない心で
マカロンを取り扱っていたのか
私のまっすぐな思いを弄ばれた気がして
もう近所の店には行っていない
二番煎じが成功したことなど
昔からないのだ
誰もシンデレラ2のストーリーを雄弁に語れないのと同じように
マカロンもまたあってなきものだったのだ
その日は大人しくファミマのマカロンで自分を慰めたのだった