
MacとWindowsの狭間で迷子になる。40代元薬剤師が「Premiere Pro」と格闘する日々
スマホアプリの「直感」は通用しない
以前、日本語を教えるYouTubeチャンネルを運営していた時、動画編集は「VLLO(ブロ)」というスマートフォンのアプリで行っていた。指先でタップして、切り取って、繋げる。直感的に操作できるそのアプリのおかげで、私はすっかり「動画編集なんて意外と簡単だ」と思い込んでいた。
しかし今、現在の職場で急遽、本格的な動画編集ソフトである「Adobe Premiere Pro」を覚えなければならない状況に直面している。
意気揚々とソフトを立ち上げた瞬間に広がっていたのは、VLLOとは似ても似つかない、無数の小さなボタンと複雑なパネルが並ぶコックピットのような画面だった。プロ仕様の圧倒的な機能性を前に、私は早々に洗礼を受けることになった。
Macで練習して、Windowsで混乱する
さらに私を苦しめているのが、自宅と職場での「OSの違い」という壁だ。自宅で愛用しているパソコンはMacだが、会社のパソコンはWindowsである。少しでも早く操作に慣れようと、自宅のMacで練習して出社するのだが、職場のWindowsの前に座った途端、なんだか別物のソフトに見えてしまうのだ。
結局「紙の本」が落ち着く40代
わからないことがあれば、YouTubeのチュートリアル動画を見たり、ネットで検索したりするのが一番早い。それは頭では理解しているつもりだ。
しかし、デュアルディスプレイで動画を見ながら作業画面をいじっていると、だんだん疲れてきてしまう。結局、私が一番最初にすがりついたのは「紙の参考書」だった。分厚い本を2冊も買ってしまった。
画面の向こう側へ行くための地道な一歩
思えば、私はもともと薬剤師だ。 長い間、私の仕事の相棒はパソコンではなく「紙の処方箋」と「薬の分包機」だった。「紙薬歴」から「電子薬歴」に変わり、ブラインドタッチだけは得意で入力は早かった。しかし、それだけだった。カウンター越しに患者さんと話すのが私の世界であり、ITスキルとは無縁の人生を送ってきた。
そんな私が、40代からWebスキルを身につけるのは正直大変骨の折れる作業だ。しかし、「毎日触り続ければ、絶対に少しずつできるようになるはず」
その小さな希望だけを信じて、私は今日も画面を開く。この格闘の先にある「ポータブルスキル」を手に入れるために。