
左肩 ごめんね、ずっと気づかなかった。 右肩 ごめんね、ずっと焦らせてた。
【左肩の痛み】「ねえ、最近、私のこと見てる?」
【自分】——左肩?
痛いな、とは思ってたけど。
【左肩の痛み】「痛いだけじゃないよ。
あなたが、自分のこと、ちゃんと見てないから」
【自分】自分のこと?
【左肩の痛み】「うん。
魅力、気づいてないでしょ。
ずっと、曲げないで来たのに」
【自分】——曲げない、は頑固ってことじゃないの。
【左肩の痛み】「頑固じゃない。
信念だよ。
ただ、それを"価値"だって、まだ思えてない」
【自分】……そうかも。
【左肩の痛み】「だから私、硬くなってる。
あなたの代わりに、ここで踏ん張ってる」
【自分】どうしたらいい?
【左肩の痛み】「左肩を、前から後ろへ10回、回して。
後ろから前へも10回」
【自分】……うん。
【左肩の痛み】「回りながら、鏡を見て。
好きな部分を、一つだけ見つけて」
【自分】——それが、一番難しい。
【左肩の痛み】「難しくていい。
一つだけでいい」
【自分】……目、かな。
【左肩の痛み】「それだけで、十分。
ほら、肩、少し降りたでしょ」
【自分】ごめんね、ずっと気づかなかった。
【左肩の痛み】「もう、いいよ。
あなたには、価値があるよ」
【右肩の痛み】「また、急いでる」
【自分】——うん。
なんか、早くしなきゃって。
【右肩の痛み】「誰かに言われた?」
【自分】……誰にも言われてない。
自分で、そう思ってる。
【右肩の痛み】「知ってる。
だから右肩だけ、ずっと上がったまま」
【自分】——そんなに急いでたっけ。
【右肩の痛み】「ずっとだよ。
自分のこと、遅いって思ってるでしょ。
足りないって」
【自分】……思ってる。
【右肩の痛み】「でもね、動けてるじゃない。
それ、行動力だよ。
足りないんじゃなくて、使いすぎてるだけ」
【自分】——使いすぎてる。
【右肩の痛み】「うん。
右肩を、後ろに10回、大きく回して」
【自分】……うん。
【右肩の痛み】「回しながら、一つだけ決めて。
今日、やらないことを」
【自分】——やらないこと、決めていいの?
【右肩の痛み】「決めていいよ。
急がなくても、ちゃんと間に合うから」
【自分】ごめんね、ずっと焦らせてた。
【右肩の痛み】「もう、いいよ。
ゆっくりでいいよ」