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第5話『停りのパレット 』至高のシャンパンゎヌルド 自由ずいう名のキャンバス 最終話

    䞖界最倧手の倖資系ラグゞュアリヌ・オヌクションハりスから届いた、私のサロン「サロン・ド・゚ニシ」ぞの砎栌のM&A事業売华オファヌ。提瀺された金額は、私が銀座のしがらみを捚お、れロから積み䞊げおきた10幎間の䟡倀、それ以䞊に私ずいう人間の「信頌」そのものに察する、最高の評䟡だった。
    その頃、颚の噂で、銀座の元実家「倧正矎創」の、あたりにも哀れな末路が聞こえおきおいた。
    芪を隙し、身内を特捜郚に売っおたで手に入れた瀟長の座だったが、実務胜力れロで朝瀌の粗探ししかできなかった䞉男に、老舗矎術商を維持する力などあるはずがなかった。優良顧客たちは䞀人、たた䞀人ず離れ、倧正矎創の本業は芋る圱もなく、泥舟のように沈んでいったのだ。
    結局、䞉男が瀟長ずしお矎術の䞖界で茝くこずは二床ずなかった。 圌は矎術商ずしおのプラむドの城を自ら厩壊させたのち、䞀族が所有しおいた地方の土地にマンションを建蚭し、その䞍動産収入だけでなんずか现々ず生きながらえおいるのだずいう。か぀お銀座の䞀等地に君臚し、政財界の黒幕を盞手に数十億を動かした老舗のトップが、今や先祖の遺産を切り厩した家賃収入だけで食い぀なぐ倧家さんに成り䞋がっおいる――。血の通わない数字ず虚栄の看板に瞛られ続けた男の、それが限界の悪あがきだった。
    だが、今の私にずっお、それはもう別䞖界の、遥か圌方のノむズに過ぎなかった。
    「埩讐なんお、時間の無駄。䞀番の仕返しは、盞手を忘れお、自分が圧倒的に幞せになるこず」
    10幎間、䞀秒も立ち止たらずに走り続けお、鎌倉の地に愛される最高の城を築き䞊げた。 お矩父さんずの玄束通り、自分の名前そのものを物の蚀う「最高の看板」にしお、自分の力だけで䞊り詰めたのだ。私ぱレガントに埮笑み、誰よりも朔く、その買収協定曞にサむンをした。
    それは、銀座の䞀族が死に物狂いでもがいおも手に入らなかった、巚䞇の富、それ以䞊に䜕物にも代えがたい「本圓の自由」が、完党に私の手の䞭に萜ちた瞬間だった。
    正匏に私は、ビゞネスだけでなく、自分の「人生のカタチラむフアヌト」をも、䞖間の叀い枠組みにずらわれない、最も掗緎された圢ぞず塗り替えおいた。
    あの激動の䞀族の嵐のなかで、私たちは倚くの痛みを匕き受け、本圓にたくさんの苊劎を重ねおきた。特に私の最愛の息子は、䞀族の歪な゚ゎの枊に巻き蟌たれ、誰よりも苊しい思いをしおきたのだ。 だからこそ、私は決断した。か぀おのお矩母様が我が子に斜したあの「過干枉ず掗脳」の呪瞛を、私たちの代で完党に断ち切るために。
    私は倫ず、あえお倫婊ずいう籍のカタチを解消した。けれど、それは決しお決別ではない。私たちが芋぀けたのは、「隣同士の別々の郚屋に䜏む」ずいう、お互いを心から尊重し合える最高のディスタンス距離感だった。
    䞊田家の冷酷な支配から解攟された元倫は、今、仲のいい女友達ず自由に旅行ぞ出かけ、自分の人生を楜しそうに生きおいる。 私も、誰に気兌ねするこずもなく、倧奜きな盞暡湟の海ぞず船を出し、釣りに没頭する自由を謳歌しおいる。
    䜕より嬉しかったのは、この「誰もあれこれうるさく蚀っおこない、100%自由で穏やかな環境」のなかで、最愛の息子がようやく心からの安心を手に入れられたこずだ。 䞀族のドロドロした醜さを間近で芋お育ち、たくさん傷぀き、苊劎しおきた息子。けれど、䜙蚈な雑音から守られた今の圌は、自分のペヌスで、しっかりず前を向いお歩みを進めおいる。自分の未来をその手で掎み取るために、今、凛ずした衚情で就職掻動に励んでいるのだ。
    か぀おお矩父様が遺しおくれた『お前なら倧䞈倫だ、自分の力だけで食べお行けるように準備しおおきなさい』ずいう蚀葉。 私はそれを、ただお金を皌ぐずいう意味ではなく、「誰にも自分の人生をコントロヌルさせない、本圓の自立」ずいう意味で、完璧に蚌明しおみせたのだ。子䟛を道具にせず、過干枉にならず、ただ信じお芋守る。これこそが、あの歪んだ䞊田家に察する、私たちの矎しくも力匷い、最高の答えアンサヌだった。
    初倏の光がキラキラず跳ねる、逗子の青い海。 持船のデッキの䞊で、私は心地よい朮颚を党身に济びおいた。 「よし、来たッ」 倧きくしなったロッドを握りしめ、私は䞀気にリヌルを巻き䞊げる。海面から勢いよく躍り出たのは、芋事な銀色に茝く倧物のタチりオだった。 「やったわね」ず船長ず顔を芋合わせ、心からの眩しい笑みを浮かべる。
    誰の蚀葉でもない、私の蚀葉で生きる人生。 遮るもののない倧海原で、冷えたシャンパンを䞀口喉に流し蟌んだ瞬間、私の心には䞀切の濁りのない、透き通った幞せが満ち溢れおいった。
    か぀お私を泥舟から远い出し、トカゲの尻尟切りにしようずしたあの䞉男ぞ。 自分の子䟛をスむスに送り出し、歪んだ愛で䞀族の仲を裂いたあのお矩母様ぞ。 結局、守れなかったけれど、最埌に私に生きる芚悟をくれたあのお矩父様ぞ。 私は茝く海に向かっお、そっずグラスを掲げながら呟いた。
    「あの時、私を远い出しおくれお、本圓にありがずう。おかげで私たち、今が䞀番自由で、最高に幞せよ」
    停りのパレットを捚お、自分の色だけで描き盎した人生のキャンバスには、誰にも邪魔されない、どこたでも青く優しい、自由な未来が広がっおいた。䞊田理沙の匟けるような笑顔を乗せお、船は眩しい光の䞭を、たっすぐに進んでいく。
    本線・完結
    第話 https://note.com/enishi_erika/n/n56f28f5f2f9f
    第2話 
    https://note.com/enishi_erika/n/ne307938cf808
    第3話 
    https://note.com/enishi_erika/n/nc3690a7fdce8
    第4話 
    https://note.com/enishi_erika/n/nf75358918243


     
     

    erika

     
     
    人生は䜕歳からでももっず面癜くなる。楜しいこずばかりではないけれど、どんな出来事も楜しみや孊びに倉えられる。人盞科孊を孊び、釣りや麻雀を楜しみながら、人生を楜しむヒントを発信しおいたす。