タイトルは無い
数年働いた会社を辞める
辞表を出しに行くのだ
入社した時と同じ格好で、同じ電車に乗って
細かく言えば、靴はヒールじゃないし
髪も整髪料で固めてない
化粧も頑張って隠そうとしたくまが隠れてないくらいのものだし
マスクが全てを隠してくれると信じてリップも塗ってない
電車のドアに反射する自分はいまだにフレッシュに見えるのに
酒もタバコも不摂生の限りを尽くした内側は
きっとボロボロなんだろうなとか考えたり
明日から無職になる自分は何をしてるかなとか
自由になれるのかな
そんな言葉がポツリとこぼれ落ちた
我ながら意味がわからない
社会人と呼ばれるものになってから
自分のことでわからないことが増えた気がする
でも、学生の頃だって全てがわかっていた訳じゃないし
結局今も昔も何も分からないままなのかもしれない
同僚が死んだ、過労死らしい
上司からのパワハラ、セクハラに耐えて働き続けていたのに
新卒が飛んだ、退職代行から連絡があったらしい入社して4日だったとか、よく知らないけど
そんな話を耳にする度にどこかで
いいなぁと思ってる自分がいて
実際に周りでそんなことがあった訳じゃない
むしろ、不足してる人員をさらに不足させない為に、どう扱うべきか悩んでるような扱いばかりしている気がする
何がハラスメントと言われるかわからないから
神経を張り巡らせているし
可もなく不可もないみたいな態度を心がけてるみたいな人ばっか
ほんと意味わかんない
電車から降りて本社に向かう
内心はバクバクしてるのかと思ったら意外と無で
全てがどうでもいいみたいな感じ
そして
この数年は5分で終わった
もっと何かあるのかなとか
期待とかドキドキとかそういう何かを
待っていた自分が矛盾だらけで謎
もう自分はなにものでもない
5分前の自分は会社員だったのに
今はただの何か
笑えてきた
ぐちゃぐちゃとした感情で埋めつくしていた身体は無になって
何も無くなってしまった
なんか可笑しくて笑った
そしたら泣けてきた
最近いつ泣いたっけ?
忘れるくらい泣いてない
自分は人間だったんだって思い出したみたいに
涙が止まらない
なんの感情で何を思ってなんの涙なのか
わからないのに
泣きながら歩いた
電車に乗れば10分で帰れるのに
何も考えずに1時間歩いて帰ってきた
足は痛いし重い
酒でも飲んで寝ようかと思ったのに
このまま眠れる気がする
歩いたこともあって疲れていて
この程よい疲労感に心地よい眠気が合わさって
眠りについた
いつ目が覚めるかわからないけど
起きた自分はきっと
厚切り食パンにバターを乗せて食べてる
そんな気がした。