
猫背や反り腰の姿勢は変えられる?
習慣化した行動パターンを変えるのは、なかなか難しいものです。
私自身も、もう少し早く寝たいと思いながら、つい寝る時間が遅くなってしまうことがあります。変える必要性や緊急性、モチベーションの問題もありますが、たとえ「変えたい」と思って一度始めても、それを続けるのは簡単ではありません。少し油断すると、いつの間にか慣れ親しんだパターンに戻ってしまいます。
中でも、姿勢を変えることは本当に難しいと感じます。
「猫背を直したい」「反り腰が気になる」といった悩みは、SNSなどでもよく見かけます。整体や姿勢矯正に通うと、その時は良い姿勢になったように感じても、しばらくするとまた元の姿勢に戻ってしまう。そうした経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
私自身も、以前は反り腰でO脚、腰痛持ちでした。それが変えられるものだとは思っておらず、「自分の身体はそういうもの」と思いながら、鍼治療に通っていました。
でも、動作法を知ってから、その考え方が変わりました。
動作法を通して、まず上半身や背中の緊張、いわゆる「ハリ」を自分で弛められるようになりました。同時に、それまで自分が「良い姿勢」だと思っていた姿勢が、実は胸を無理に張り、背中を反らせている姿勢だったことにも気づきました。腰痛の原因の一つは、まさにその“がんばって作っていた姿勢”にあったのだと思います。
そして、自分で骨盤を立てて座ることができるようになると、上半身に力を入れて姿勢を保とうとしなくても、どっしりと安定して座れる感覚が生まれました。肩や背中に余分な力を入れなくても、楽に座っていられる。そこで初めて、「良い姿勢は、本来つらいものではなく、楽なものなのだ」と実感しました。
大事だったのは、頭で「良い姿勢をしなければ」と考えることではありませんでした。
実際に、楽で安定した姿勢を身体で体験できたこと。そして、その姿勢をとるために必要な上半身の緊張の弛緩や、骨盤を立てる動作を、自分で少しずつできるようになったこと。それが、姿勢の変化につながったのだと思います。
もちろん、すぐにずっと良い姿勢で座れるようになったわけではありません。最初は、気づけばまた反り腰や猫背の姿勢に戻っていました。でも、そのたびに背中のハリや腰の負担に気づき、姿勢を修正する。その繰り返しの中で、いつの間にか良い姿勢で座っている時間が増えていきました。
今では、だいたい意識しなくても楽に座れる姿勢を保てるようになっています。それでも、締め切りに追われてパソコン作業に集中している時などは、前かがみになって背中が丸くなっていることに気づくことがあります。姿勢は一度で完成するものではなく、日々の身体の使い方の中で、少しずつ育っていくものなのだと思います。
動作法の研修会では、あぐら坐位で座ることが多くあります。初めは身体が硬く、膝が浮いて座りにくかった人が、しばらくすると膝が床に近づき、楽に座れるようになっていることがあります。そうした変化を見るたびに、身体や姿勢は変えられるのだと感じます。
ただ、動作法のこうした体験は、文章だけではなかなか伝わりにくいものです。
「力を入れて良い姿勢を作る」のではなく、「余分な緊張に気づき、弛めながら、楽に安定して座る」。その感覚は、実際に体験してみることで初めてわかる部分があります。
そのため、Athlete Self-Careでは、動作法を実際に体験していただけるワークショップを開催しています。関心を持たれた方は、ぜひホームページをご覧ください。