
眠れないマルタの夜 🇲🇹マルタ10
一人暮らしにも少しずつ慣れてきた。
授業が終わると、
カフェへ行ったり、
きれいな景色を眺めたり、
学校のアクティビティに日本人の友と参加したり。



マルタでの生活を楽しめるようになっていた。
宿題も毎日あった。
Kさんと一緒に暮らしていた頃は、
翻訳アプリを使いながら教えてもらったり、
笑いながら勉強したり。
宿題の時間も楽しかった。
でも今は、
ただ「終わらせるため」に机に向かっている。
少しだけ寂しかった。
洗濯機も最初は、
適当にボタンを押して何度も失敗。
気がつけば、
なんとなく使い方も覚えていた。
ベランダに洗濯物を干しながら、
「私、一人で生活できてる。」
そんな小さな達成感が嬉しかった。

でも、
その喜びは長くは続かなかった。
金曜日の夜。
下の階から、
大きな笑い声や叫び声が聞こえてくる。
最初は、
「週末だから賑やかだった」
くらいに思っていた。
でも夜が更けても、
騒ぎは終わらない。
眠れない。
しかも翌日の土曜日は、
さらににぎやかだった。
笑い声、
叫び声、
音楽。
異国の夜が、
こんなに長く感じるなんて思わなかった。
怖くて眠れない。
あと一週間ここで暮らす予定だったけれど、
「もう無理。」
そう思い、
私はホテルへ避難することを決めた。

夢だった一人暮らし。
現実は、
思っていたよりずっとハードだった。
なんで、こうなるの!
次回へ続く。