この記事は、堀田量子の第11章3節と同じ内容を「私ならこういう感じに書く」という試みです。これを読めば理論の見通しが良くなって堀田量子の教科書を読みやすくなるかもしれません。文体は「EMANらしく」常体にしてあります。
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それでは、どうぞお楽しみください!
確率の流れ
粒子の運動のハミルトニアンは次のように書ける。
H^ = −2mℏ2∂x2∂2+V(x)(1)
よってシュレーディンガー方程式は次のようになる。
iℏ∂t∂ψ(x,t) = [−2mℏ2∂x2∂2+V(x)]ψ(x,t)(2)
この両辺の複素共役を取った次の式もまた成り立っている。
−iℏ∂t∂ψ∗(x,t) = [−2mℏ2∂x2∂2+V(x)]ψ∗(x,t)(3)
(2) 式の両辺にψ∗(x,t)を掛けたものと、(3) 式の両辺にψ(x,t)を掛けたものを作って差を取ってみると次のようになる。
iℏψ∗amp;∂t∂ψ+iℏψ∂t∂ψ∗amp;= −2mℏ2ψ∗∂x2∂2ψ+2mℏ2ψ∂x2∂2ψ∗(4)
式からV(x)が消せてしまった。これはポテンシャルV(x)に関係なく成り立つ何らかの条件を表しているようである。もう少し整理してみよう。
iℏ∂t∂(ψ∗ψ) ∴ ∂t∂∣ψ∣2 ∴ ∂t∂∣ψ∣2 ∴ ∂t∂∣ψ∣2 ∴ ∂t∂∣ψ∣2 amp;= −2mℏ2(ψ∗∂x2∂2ψ−ψ∂x2∂2ψ∗)amp;= i2mℏ(ψ∗∂x2∂2ψ−ψ∂x2∂2ψ∗)amp;= i2mℏ{∂x∂(ψ∗∂x∂ψ)−(∂x∂ψ∗)(∂x∂ψ)amp;−[∂x∂(ψ∂x∂ψ∗)−(∂x∂ψ)(∂x∂ψ∗)]}amp;= i2mℏ{∂x∂(ψ∗∂x∂ψ)−∂x∂(ψ∂x∂ψ∗)}amp;= i2mℏ∂x∂{(ψ∗∂x∂ψ)−(ψ∂x∂ψ∗)}(5)
ここで、この右辺の構造を分かりやすくするために次のような量を定義してやる。
J(x,t) ≡ −i2mℏ{(ψ∗∂x∂ψ)−(ψ∂x∂ψ∗)}(6)
すると (5) 式は次のように書けるだろう。
∂t∂∣ψ(x,t)∣2+∂x∂J(x,t) = 0(7)
この方程式は電荷の保存則などでおなじみの形である。電荷が時間的に増加するところには電流の流れ込みがあって、減少するところでは電流による流出があることを表す式であった。(7) 式はそれと同じような構造になっていて、∣ψ(x,t)∣2が確率の密度を表しているのだからJ(x,t)はその増減に影響を与える量であり、確率の流入、流出を表しているのである。このことは、(7) 式を[x1,x2]の範囲で定積分してやると分かりやすい。