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受け取った問い ~17年目の朝~

    今年もまた、この朝が来ました。
    あなたがいなくなったことを受け止められなかったあの朝から、17年が経ちました。

    あの日の朝のことはとてもよく覚えています。
    あの朝、1階から母が、2階で寝ていた私を呼ぶ声がしました。
    「マイケルが亡くなったってテレビでいっているわよ」

    飛び起きる、というのはこのことをいうのだ、といわんばかりに私は飛び起き、
    テレビの前に行きました。
    すでにがたがた震える足で、階段を必死に降りた景色とその感覚をまだ覚えています。
    たどりついたテレビの画面には、病院を空から映している映像と、その周りでメッセージを掲げるファンの姿がありました。

    ただ、茫然と立ち尽くす。
    外界の音が耳に入ってこない。
    その文字通りに、私はテレビ画面を見つめていました。

    何を言っているんだろう?
    何が起きているんだろう?
    え?だって、ロンドンでコンサートあるんだよ。私、チケット買ったんだよ。
    間違いだ。
    そう。間違いだ、と思った時に涙があふれてきました。

    これで終わっていいはずがない。
    THIS IS ITは彼にとっても、私たちにとっても、
    新しい一歩になるはずだった。
    だから、まだ。


    マイケル・ジャクソンという名前を初めて聞いたのは、中学2年生の時でした。
    同じクラスの友人が貸してくれた Thrillerのミュージックビデオです。
    幼いころのボランティアがきっかけで、地球環境やアフリカの干ばつ・飢餓、そういうものに関心を持っていた私は調べているなかで、We are the Worldに出会いました。
    それが、私がマイケルを好きになったきっかけだったと思います。

    でももしかしたら、ディズニーランドでみたキャプテンEOだったかもしれません。
    そのあたりは、もうあいまいです。

    高校生になって、お小遣いをもらい始めて
    マイケルのCDをいくつか買いました。
    Heal the World、Will you be there、Man in the Mirror、They don’t care about us.

    彼のメッセージが、とても好きでした。
    優しくて透明な声でありながら 時々叫ぶような声。
    心の叫びをそのまま 発しているような。

    世界を善くする方法はたくさんある。
    だから私たちは、私たちができる方法で、やればいいんだよ。
    僕は、歌で。じゃあ、あなたは?
    そんな風に問いかけられている気がしました。

    その時、私はこの人が好きだと思いました。
    恋愛の好きではありません。
    人間として、生き方として、メッセージの届け方として。
    強制ではない。
    でも芯がある。
    しなやかで、温かい。
    そして、自分自身を律するようなメッセージでした。

    そのころから、あの言葉たちが心に住みはじめました。
    あの朝から17年たった今も、
    私の心のなかに、深く根を張るように住み続けています。

    時々私は、自分自身に、何かに、問うことがあります。
    私は 善く生きられていますか?
    あなたが理想とした世界に近づけられるような行動を、私は起こせているでしょうか?
    家族を笑顔にできているでしょうか。
    世界に対して 優しいまなざしを持てているでしょうか。

    17年目の朝も、私はまた自分自身に問いかけます。
    私は、善く生きられていますか。
    あなたから受け取ったものを、
    私はちゃんと次の誰かへ渡せていますか。

    まだ自信はありません。
    でも、また一年。
    私なりに、歩いていこうと思います。


     
     
    「春風の通り道」です。 人生の大きな節目から10年がたち、気持ちに一区切りがつきました。 今だから冷静に振り返れることや、毎日を大事に思う中で心に残った出来事、大切に集めているものを綴っています。 ふっと立ち寄って、通り抜けられる場所になれたらうれしいです。

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