
止まった朝チア ~駅前で永遠のチア彫像になった3人~ (後編)
【注意】
時間停止・静止描写を含む不思議系フィクションです。
18歳未満の方や苦手な方は閲覧をお控えください。
登場する人物・団体・場面・出来事などは、すべて作者の創作による架空のものです。
実在の人物、団体、事件などとは一切関係ありません。
本作品に描かれる内容は、現実のいかなる事象も模倣・推奨するものではありません。
前編はこちら↓
駅前の人波の中で、三人は永遠の朝を迎え続けていた。
最初、心の声が激しく響いた。

でも、この笑顔……
街の人に喜んでもらえて……誇らしい……」

動けないのに、脚が震えてる……
でも、このポーズ、最高にかっこいい!」

笑顔のまま固まってる……助けて……」
しかし、催眠フィールドとマネキン化プロセスは容赦なく進行した。
時間とともに、思考が溶けるように薄れていく。
結衣の強い意志は徐々に「街のシンボルであること」の喜びに塗り替えられ、
沙耶の活発な感情は無力感と奇妙な陶酔へと変わり、
美優の恐怖は甘い諦めへと溶け落ちた。
虚ろな瞳の奥で、最後の抵抗が消えていく。



やがて、その声すらも静寂に飲み込まれた。
三人の意識は、ゆっくりと、甘く、溶けるように消失していった。
汗の光沢を閉じ込めた着色樹脂の肌、完璧に固定されたポンポン、朝陽に輝く笑顔——すべてが本物の彫像へと変化した。

今や彼女たちに残っているのは、ただ「そこに在り続けること」だけ。
朝の通勤客が足を止め、写真を撮る。
子供が指を差して喜び、駅員が優しく埃を払う。
雨の日は柔らかな布で汗のような水滴を拭われる。
三人は永遠に駅前を応援し続ける、街の美しいチア彫像となった。
ここが、彼女たちの最後のステージであり、永遠のポーズだった。
(了)
★彫像が出来て10年が過ぎ、身に着けたものが消えた姿はこちら(PromptCom)
止まった応援の瞬間をnoteマガジンでまとめて公開中(R-18)
これまでのチアリーダーの結衣さんのフェチ強めバージョンの投稿(R-18)は、PromptComで公開中。