第67話 エピローグ
拓耕は周りを見渡して手元の資料を机に置いた。
そしてゆっくり口を開いた。
拓耕「居場所と役割が途切れない社会の仕組み、、、
それが今回提案した、人×動物×農業×自立融合施設のみんなの縁園です」
会場に盛大な拍手が拡がった。
その先には全国展開の後押しをした
門田社長と菊池議員が笑みを浮かべながら見守っていた。
このプレゼンを機に融合プロジェクトに興味を持つ企業が増え、全国に展開されていった。
現代 ―二十年後―2020年2月
どこまでも続く米畑。その先にはみんなの縁縁が建っている。風が吹くたび、波のように稲が揺れる。
六つの後ろ姿が並んでいた。
強と鋼一、寛子と瑠美、そして、亮子、少し背の曲がった鋼一の父が一人。
拓耕は全国展開にむけて秀樹と県外へ、
響太は保険会社へ勤め、光は丸菱商事の社長に就任
とめこは教育者になっていたが
そこに信蔵の姿は見えなかった。。
それぞれ成長して見た目や体型などは変わったが
変わらないことがある。
それがこの融合施設、みんなの縁園を
訪れることだ。
先頭に立つ男が、一歩前に出た。
短く刈った髪、日に焼けた首筋。
強はゆっくりと振り返り、仲間たちに笑いかける。
「さあ、はじめますかっ」
その声に、誰もがうなずいた。
この畑が、すべての始まりだったことを、彼らは知っている。
第一章 完
縁は一度きりではなく、子どもから大人へ、大人から高齢者へ、そして次の世代へと受け継がれていく。
次回からは第ニ章はじまります。
強、響太、とめこたちの成長編です。
第一章、ご愛読いただきありがとうございます