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ポケットに名蚀を ★ 髙島野十郎 『䞖の画壇ず党く無瞁になるこずが、私を本圓に自由にし、私の願う勉匷を完党にさせおくれた』


    髙島野十郎
    タカシマダゞュりロり


    日本の近代掋画史においお、孀高の画家、たたは求道の画家ずしお知られる野十郎は生涯、画壇矎術界の掟閥や組織から距離を眮き、富や名声を䞀切求めず、ただひたすら真実の絵を描く事に、生涯を捧げた寡黙な人物であった。


    私が野十郎の事を知ったのは随分ず前のこず。い぀ものテレビ番組の『なんでも鑑定団』の䞭で知ったもので、その時圧倒的な写実䞻矩を独孊で極めたその絵力に圧倒されその蚘憶が心に残っおいたのである。同番組が単に真莋刀定をするだけの番組ならここたで長寿銬組ずしお成り立たなかったず思う。この番組の芋どころは刀定前のその画家の生き様を䜜品に準えお説明するのが魅力の番組で、この郚分だけをダむゞェストにしお販売されるなら私は買いたいず思うほど内容が良い。


    倧阪䞭之島矎術通にお、この野十郎の展瀺䌚を実斜するずチラシで知っお、私は喜んで展瀺䌚堎ぞ出向いたものである。


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    名蚀ずは蚀っおも圌はず倚くの蚀葉を遺した蚳でなく、それは圌の絵に衚珟される生き様や数少ない手蚘、手玙の䞭に、圌の芞術芳や魂の叫びずも蚀える深い蚀葉が残されおいたものである。展瀺䌚堎の䞭にはそんな圌の印象的な蚀葉が䜜品ず䜜品ずの間に配眮をされおいお心に沁みるものである。


    野十郎は東京垝囜倧孊珟圚の東京倧孊の氎産孊科を銖垭で卒業するずいう茝かしい゚リヌト街道を歩みながらも、それを総お捚お画家の道ぞ進む道を遞ぶ。


    しかしながら、圓時の画家たちがこぞっお所属した『文展』や『二科展』などずいった倧きな矎術団䜓には䞀切所属をせず、個展だけで䜜品を発衚し続けた。そんな圌が遺した蚀葉が次の蚀葉名蚀である。


    『䞖の画壇ず党く無瞁になるこずが、
      私を本圓に自由にし、
        私の願う勉匷を完党にさせおくれた』


    この蚀葉は、組織に属するこずによっお生たれる
     『売れるための絵を描かなければならない』
     『流行に合わせた絵を描かなければならない』
    ずいった瞛りに囚われず、自分自身を解攟させた環境においお、独孊で絵に取り組める喜びを衚した蚀葉。


    野十郎にずっお『自由』ずは、単に奜き勝手に生きる事ではなく、『察象の真実ず察で向き合い、玔粋に絵の修行に没頭できる環境』を指したものである。䜕ものにも属さずに矎を極める。たた、生涯独身を貫き通した事で孀独ずいう道を遞ぶ事こそが、圌の芞術を玔化させる絶察条件だったずも蚀われおいる。


    野十郎は、䞖界の偉倧さや矎しさは、壮倧な景色にだけあるのではなく、目の前にあるたったひず぀の果物や、䞀本の蝋燭の炎の䞭にすべお内包されおるずも考えた。『䞀箇の物』の䞭の奥に朜圚する宇宙的な真実を、人間の勝手な解釈を亀えずに『只管に深く、正しく、矎しく』描き出すこず。圌の絵の䞭にある写真を超えた圧倒的な実圚感ず神秘性は、この匷烈な凝芖の姿勢から生たれおいるものである。


    圌の描いた䜜品は、画壇には属さず自力にお個展を開き絵をお披露目する皋床だったもので、その生前には広く知られる事は䞀切なかった。圌が䞖間から関心を集めるきっかけずなったのは、テレビにお野十郎の絵の特集が組たれた事が発端ずなり、展瀺䌚も開催をされるこずに至ったからである。


    『他人の目などはどうでもいい。自分が信じるひず぀のものを、死ぬたで深く芋぀め続ける』ずいう野十郎の生き様は、その絵の䞭に匷烈な茝きを攟っおおり、目を向けられるのは必然だったず思われる。


    実際に私もこの展瀺䌚にお、野十郎の絵を芋ながらその
    代衚䜜の『ろうそく』や『からすうり』『月』などの䜜品を芋るず、その画面からは蚀葉以䞊の執念みたいなものが䌝わっおくるのを感じ、ひず぀ひず぀に匕き蟌たれる様にしお足が䜕床も止たった。


    私は色んな画家の静物画を芋おきたが、い぀もはそれらの構図や配眮などに退屈なものが倚い事から軜く飛ばし気味にしお芋るのだが、野十郎の描いた静物画はどれも構図や眮かれおいる配眮などずおも興味深く芋るこずができたのである。


    䞋に画像掲茉しおいるものが、野十郎の展瀺䌚の䞭で、私が奜きだった䜜品たちである。


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    からすうり 幎

    野十郎を代衚ずする䜜品のひず぀。壁を背景ずし沢山の蔓ず実ずを描いおいる。カラスりリには幟重にも油絵具を塗り重ねその存圚感を芋せる䞭、果実の衚面の光沢ず
    壁に投圱されたシル゚ットずで立䜓感が際立぀もの。


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    けし 幎

    芥子の花のこの劖しい雰囲気が芳る者を虜にさせる皋の䜜品ぞの念を感じさせられるものずなっおいる。うねる茎ず深い赀の花匁、陰圱に圢どられた葉ず、それら党お魅せる絵ずなっおいる。

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    こぶしずリンゎ 幎

    屋倖からの逆光を狙った構図で描かれた静物画である。この光の陰圱の面癜さもさるこずながら、擊り硝子越しの庭の怍物を描いおいる繊现さもよいが、黒壺ず赀林檎
    が描かれた力匷さ、蟛倷の花匁の柔らかな質感の察比が芋事な䜜品ずなっおいる。


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    さくらんが 幎

    光り茝く矎しい果実は埌方にたずたっお眮かれおおり、手前にある黒いひず぀の果実は黒く腐敗が始たっおいるものである。敢えおその構図をずったのが印象的な絵である。矀れに属せず我が道をいくの意思を蟌めた絵だず私は解釈しおいる。


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    睡蓮 幎

    千葉県柏垂に居を構えた野十郎は、近くの田圃を借りおそこに睡蓮を怍えたのだった。うっすらず赀で染たっおいるのは倕焌け空を映しおの時間垯のものず思われる。


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    空 幎

    雲ひず぀ない青空の䞋に咲く倧茪の向日葵である。絵の裏には『色䞍異空 空䞍異色 色即是空 空即是色』ず般若心経の䞀節がタむトルの『空』の埌に野十郎により蚘されおいる。矎しい向日葵もいずれ滅びるものだずの蚀葉である。



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    牡䞹 幎

    重厚な質感の壺を抌さえ蟌むほどの牡䞹の花匁の質量、葉のバランスず、転がしおるさくらんが、これら党おが盞たっおの䞀枚の絵なのだず、匕き算しお玍埗する。


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    満月 幎

    『私は月ではなく闇を描きたかった。闇を描くために月を描いた。月は闇を芗くために開けた穎です。』この蚀葉もたた野十郎の名蚀である。タむトルをどちらにしようかず迷ったものだが、野十郎の生き様を衚す蚀葉の方をタむトルにした。月もたた野十郎が倚くの点数を描いた䜜品である。晩幎は月のみ描かれる䜜品になった。


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    友犅菊 幎

    明治時代にアメリカより枡来した園芞怍物である。この絵を展瀺䌚で芋た時に気付いたのは、等しく党おの花がこちらを向いおいる様子である。単なる写実䞻矩ず違う野十郎の䞀面をこの絵に感じたのだった。

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    蓮華 幎

    犏岡県立䞭孊明善校圚孊時に手掛けたずされる䜜品で、背景には仏塔がシル゚ットずしお浮かび䞊がる。蓮華は仏教においおは重芁な怍物であり、この圓時の野十郎は仏教に匷い関心を寄せおいたのが分かる䜜品。


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    蝋燭 幎

    この『蝋燭』ずいう䜜品は野十郎を最も象城する䜜品で生涯、飜く事もなく沢山描いた䜜品である。これは個展などでは決しお発衚もされず、売られもせず、お䞖話になった人に莈られた䜜品である。この䜜品は展瀺䌚堎で薄暗い照明の䞭に眮かれおいるず、実際に蝋燭の揺れる焔を眺めおいる様な印象を受ける。


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    割れた皿 幎

    䜜品のために割ったのか、割れたから䜜品にしたのか、たた䜕のために描いたのかなど、謎のルヌプを回せどもそれら蚘録のないこの絵を我々は眺めるだけである。


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    氏名 髙島 野十郎
       タカシマダゞュりロり
    本名 髙島圌壜
       タカシマダゞュ
    属性 掋画画家
    生誕 幎月日
       犏岡県埡井郡合川村足穂
    死去 幎月日
    享幎 歳
    囜籍 日本
    孊歎 東京垝囜倧孊蟲孊郚氎産孊科䞻垭卒業
    䜜品 からすうり
       さくらんが
       睡蓮
       牡䞹
       満月
       友犅菊
       蓮華
       蝋燭
       割れた皿

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    展瀺䌚堎で販売しおいた画集

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    没埌幎 髙島野十郎展


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    髙島野十郎画集 䜜品ず遺皿

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    髙島野十郎

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    EGGSEED

     
     
    怍物を䞭心に、動物、虫類などの蚘事を掲茉。 芞術、建築、寺瀟仏閣、映画、店舗、ツヌルなど 気になったものも蚘事に掲茉。 心に響く名蚀も気が向いた時には掲茉あり。

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