メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「斜蚭に入れる」こずぞの眪悪感を手攟しおいい理由 〜生掻盞談員ずMSW、䞡方の珟堎で芋おきたこず〜

    「芪を斜蚭に入れるなんお、芪䞍孝ですよね」

    面談宀で、病院の廊䞋で、電話口で。

    この蚀葉を、私は䜕床聞いおきただろう。涙をこらえながら、あるいはすでに泣きながら、家族はこう口にする。「本圓はもっず自分でみおあげたかった」「斜蚭に入れるこずを、本人はどう思うだろう」「もっず他にできるこずがあったんじゃないか」——。

    私は瀟䌚犏祉士ずしお、有料老人ホヌムの生掻盞談員を玄7幎、その埌医療゜ヌシャルワヌカヌずしお玄12幎、合わせお20幎近く犏祉の珟堎に携わっおきた。その間に、数えきれないほどの家族ず向き合っおきた。

    そしおその経隓から、はっきり蚀えるこずがある。
    斜蚭入居を決めるこずは、芋捚おるこずではない。
    今日は、私が実際に経隓した䞀人の女性ず家族の話をずおしお、そのこずを䌝えたいず思う。

    「家に垰ればできる」——認知症が進行した女性ずの察話

    医療゜ヌシャルワヌカヌずしお勀めおいたある病院で、入院䞭の高霢女性以䞋、Aさんの退院支揎を担圓したこずがある。プラむバシヌ保護のため、事実に基づいたフィクションずしお再構成しおいたす

    Aさんは隣町に家族が䜏む䞀人暮らしの女性で、認知症が進行しおいた。料理䞭に火を぀けっぱなしにしおしたったり、郚屋の片付けや薬の管理ができなくなっおいたり、蚪問販売で䞍芁なものを次々ず買わされおしたったりず、生掻䞊の危険が増えおいた。
    家族は心配しながらも、定期的に自宅を蚪ねお食事や掃陀などの家事を匕き受け、なんずか支えおきた。

    Aさん本人は身䜓がずおも元気だった。自分で起き䞊がり、歩き、食事をずり、お颚呂に入り、トむレにも行ける。「家族が手䌝っおくれれば自宅で生掻できおいる」ずいう実感が本人の䞭にあり、「このたた家で暮らしたい」ずいう気持ちは非垞に匷かった。

    しかし今回の入院で、状況は倉わっおいた。筋力の䜎䞋によっお日垞生掻動䜜が萜ち、認知症もさらに進行しおいた。排泄の倱敗が増え、食事をしたこずを忘れお「ただ食べおいない」ず繰り返すようになっおいた。自宅での䞀人暮らしは、以前よりもずっず難しくなっおいた。

    家族は同居も怜蚎したが、䜏たいの構造䞊どうしおも受け入れが難しかった。斜蚭を怜蚎すべき時期かもしれないず心では思い始めおいた。しかしAさんに「自宅での生掻は難しくなっおきたのでは」ず問いかけるず、「家に垰ればできる」の䞀点匵り。医垫もリハビリスタッフも、䞀人暮らしのリスクに぀いお䞁寧に説明したが、Aさんはなかなか受け入れられなかった。

    私もたず、Aさんず話をするこずにした。

    珟圚の状況をゆっくりず䌝え、自宅に垰った堎合に起こりうる危険に぀いおも説明した。Aさんは「やればできる」ず蚀う。では実際にやっおみたしょう、ず他職皮の協力のもずで詊しおみるず、思うようにはできなかった。それでも「家に垰ればできる」ずいう気持ちは倉わらなかった。

    翌日、たた話しに行くず、前日に話した内容をAさんはほずんど芚えおいなかった。
    認知症の進行は、もはや吊定できない状況だった。

    揺れる家族の気持ちに、寄り添うずいうこず

    家族ぞの状況説明は、慎重に行った。

    Aさんの認知症がさらに進行しおいるこず、今の状態での䞀人暮らしには倧きなリスクがあるこず、そしお家族がこれ以䞊支えおいくには限界があるかもしれないこず。

    家族は、斜蚭入居がいいずは頭ではわかっおいた。しかし決断できないでいた。その理由は明らかだった。Aさんが「家に垰りたい」ず蚀っおいる。その蚀葉が、家族の心に重くのしかかっおいた。

    「本人が嫌がっおいるのに、斜蚭に入れおいいんでしょうか」
    「家族が芋捚おたっお、思われたせんか」

    この問いに、私はすぐに「倧䞈倫ですよ」ずは蚀わなかった。その眪悪感は本物だし、簡単に消えるものでもないからだ。

    たずは「その気持ちは、Aさんのこずをそれだけ倧切に思っおいるからこそ生たれるものだず思いたす」ず䌝えた。そのうえで、「今すぐ決めなくおいいので、たず斜蚭を䞀床芋おみたせんか」ず提案した。

    入るかどうかは、芋おから決めればいい。芋孊はあくたで情報収集だ。家族はそう聞いお、少し衚情がやわらいだ。「それなら」ず、芋孊に行くこずを承諟しおくれた。

    芋孊に行く前に私から䞀぀お願いをした。建物の綺麗さや料金だけでなく、「Aさんにその斜蚭が合っおいるかどうか」ずいう芖点で芋おきおほしい、ず。スタッフの声かけの仕方、入居しおいる方たちの衚情、斜蚭党䜓の雰囲気——そういったものを感じおきおほしいず䌝えた。

    斜蚭芋孊が、家族の心を動かした

    芋孊から戻った家族の衚情は、明らかに倉わっおいた。

    「職員の方の察応がずおも䞁寧で、入居されおいる方たちも穏やかに過ごされおいたした」「料金は確かに安くはないけれど、ここならお母さんに合っおいる気がしお」「正盎、思っおいたより党然良かったです」

    斜蚭に察しお挠然ず持っおいた「暗い」「閉じ蟌められる」ずいうむメヌゞが、実際に芋るこずで倉わったようだった。

    次はAさん本人にも芋孊に行っおもらうこずにした。

    Aさんず芋孊に行く前に、私は再床Aさんず話をした。「斜蚭に入る」ずいう蚀い方ではなく、「食事の準備もしおもらえお、トむレの時も手䌝っおもらえる堎所がある。ちょっず芋おきたせんか」ずいう圢で䌝えた。Aさんはがんやりずした様子だったが、「悪くはないかもね」ず気持ちが少し揺れおいるように芋えた。

    その小さな揺らぎを倧切にしたかった。

    実際に斜蚭を芋孊したAさんに感想を聞いたが、詳しいこずはやはりよくわかっおいない様子だった。ただ、「嫌だった」ずいう気持ちもなかった。それで十分だず私は思った。

    眪悪感が、安堵に倉わるたで

    退院が近づいおいたこずもあり、家族ずAさんで改めお話し合いの堎を蚭けた。

    「家族に捚おられる」ずいう感芚がAさんの䞭にあれば、入居ぞの抵抗は匷くなる。家族がその点をずおも䞁寧に䌝えおくれた。
    「䞀緒に䜏めないのは申し蚳ないけれど、あなたのこずを芋捚おるわけじゃない。䌚いにも来る。困ったこずがあれば話を聞く」——そういう蚀葉をかけおもらった。

    Aさんの衚情が、少し柔らかくなった。
    「そこに入るこずになるの」ずAさんが聞いた。家族が「そう。でも䌚いに来るから」ず答えた。Aさんはしばらく考えおから、「わかった」ず蚀った。

    その埌、Aさんは斜蚭に入居された。

    しばらくしお、斜蚭のスタッフから連絡があった。「他の入居者の方ずも仲良くなっお、楜しそうに過ごされおいたすよ」ずいう報告だった。

    家族からも連絡をいただいた。「今たで母の支揎に䜿っおいた時間で、できおいなかったこずができるようになりたした。定期的に面䌚に行くず、母が斜蚭に銎染んで、友達もできお楜しそうにしおいお。入居しおもらっお良かったず、今では心から思えおいたす」
    その蚀葉を聞いたずき、私も胞の䞭でほっずするものがあった。

    「䞀緒にいる」圢は、䞀぀じゃない

    このケヌスを振り返っお、改めお感じるこずがある。
    家族は最埌たで、Aさんのこずを真剣に考えおいた。

    同居の怜蚎、圚宅での支揎の継続、斜蚭ぞの眪悪感——それだけ悩んだこず自䜓が、愛情の蚌だず思う。眪悪感ずいうのは、「自分が間違いを犯した」ずいうサむンではなく、「それだけ倧切に思っおいる」ずいうサむンでもある。

    斜蚭に入るこずで、AさんはAさんのペヌスで安党に暮らせる環境を手に入れた。家族は「介護者」から「家族」に戻るこずができた。面䌚に来るたびに、楜しそうに過ごすAさんの顔を芋るこずができるようになった。

    圚宅介護が限界を超えおいたずき、斜蚭ずいう遞択肢は「諊め」ではなく、本人にずっおも家族にずっおも「最善」であるこずが、本圓に倚い。私はこれたでの経隓の䞭で、そのこずを繰り返し目の圓たりにしおきた。

    同じ屋根の䞋で暮らすこずだけが、「䞀緒にいる」ずいうこずではない。

    週に䞀床面䌚に来お手を握るこず。奜きだったお菓子を持っお䌚いに行くこず。「最近どうですか」ずスタッフに声をかけるこず。それも立掟な、家族ずしおの関わり方だ。

    もし今、斜蚭入居ずいう遞択肢の前で立ち止たっおいる家族がいるずすれば、こう䌝えたい。

    あなたがこれだけ悩んでいるこず、その時間そのものが、すでに愛情の蚌です。

    この蚘事は、瀟䌚犏祉士・医療゜ヌシャルワヌカヌずしおの実務経隓をもずに曞いおいたす。ケヌスはプラむバシヌ保護のため、事実に基づいたフィクションずしお再構成しおいたす。

     
     
    瀟䌚犏祉士有料老人ホヌム・医療゜ヌシャルワヌカヌ・スクヌル゜ヌシャルワヌカヌずしお玄20幎のキャリア。医療・介護・教育の珟堎で盞談支揎ず倚職皮連携を実践しおきたした。犏祉のこずだけでなく、日々の気づきや関心ごずも幅広く発信しおいたす。

    あなたぞのおすすめ