ストックホルムとアムステルダムの旅
宿とエアだけ押さえ,ストックホルムとアムステルダムを中心に旅してきた。看板屋業を営む夫が,アムステルダムで開催されるサインペインターのイベント,Letterheadsに参加するというので,それに通訳兼サポートで着いていった。
アムステルダムの前にストックホルムに立ち寄ったのは,夫のサインペイントの師匠でもあるスウェーデン人の友人が開くワークショップがあるため。夫がその手伝いをしたり,Sthlm Signsの工房を訪れたり,友人の故郷・マルメのご実家のザリガニパーティにお呼ばれしたりしたので,私はオマケで着いていった。合間に,第二言語習得分野の動機づけ研究で著名なHenry Alastair教授が所属しているルンド大学にも足をのばした。マルメとルンドは電車で数駅,20分程度。どんな学生がいるのか実際に見て肌で感じたかった。




誰でも・いつでも・どこでも入れて,学問が人類全体にひらかれている感じ

見事なまでのバイリンガル
アムステルダムでのサインペイントのイベントは4日間で,私は土曜日の「スパウズナイト」だけに参加し,残りは一人で,街歩きや美術館巡りを楽しんた。帰国は悪天候のためデンマークのコペンハーゲンで足止めされ延泊となった。ストックホルムでもコペンハーゲンでも散々待たされ,他の乗客とも情報交換をしたり文句を言い合ったりしてイライラマックスだったが,結果的に四つ星ホテルでの滞在,食事もすべてタダとなり,十分回収できた気がする。旅の最後に自分たちの力で筋書きになかったトラブルを攻略できたのが,私的には旅のハイライトだった。


英語がわかればレクチャー付き入場券の予約が絶対オススメ

ハガキを買った本屋さんで国際切手を購入

そこで買ったサンドイッチは唸るほど美味

羽田行きに乗り換えるのは私たちだけで,後から調べたらめちゃくちゃな案内
コペンハーゲンの空港のトランスファーセンターでかなり待たされたが延泊交渉して正解

彩度が調和していて美しい

アルコールも無料で,食事もとても美味しいので色々許す気になる
今回の旅は,日本の英語教育界隈で言われて久しい「コミュニカティブ」「グローバル」「多様な他者との協働」がてんこ盛りの2週間だった。20代までの私はアメリカ同時多発テロ事件をニューヨークで経験するまでは,自分が思い描いたように世界で挑戦を繰り返しながら人生を生きていきたい,そんな情熱と行動力に溢れていた。今回の旅(特に世界22カ国から集まった200人以上のサインペインターのイベント)で,自分がかつて「こう生きていきたい」と思っていたような生き方を,ごくごく当たり前に送っている人たちを目の当たりにして,袋小路に思えた今の生活の中に,細い抜け道が見つかったような気がした。

特に印象的だったのは,Sthlm Signsのヘンリックとポンタスのアトリエ・仕事との向き合い方・生き方・初対面の人間とのコミュニケーションの取り方(いずれ詳述しようと思う)。日本の学校で腰を据えて英語を教える仕事が,いかに説明力を不要とし,自分の言語力を下げているか。「多様な他者との協働」とはまるで正反対の「一様な身内間の同調」に無意識のうちに染まっていた気がする。

ポンタス(上)とヘンリック(下)
安く買い取ったという倉庫にサウナを作ったりライブができるようなステージを作ったり
クリエイティブな活動のスケールが違い過ぎた
いつの間にか飛び方を忘れ,自由を奪われた鳥のようになる前に,生き方を変え,行動範囲を広げないといけない,そんな気にさせられた今回の旅。

アムステルダム国立美術館 栄光の間にて
帰国後,そんな危機感を秘かに忍ばせ時差ボケとともに職場に戻ったら,妙に気楽で自分らしく振る舞える自分がいた。これはひとときの錯覚に過ぎないのか。

アムステルダムのスキポール空港に向かう飛行機の上空から
