
「オオカミ少年」(詩集『愛しすぎにご注意ください』より)
昔書いたこの詩(のようなもの)は、書いた時からことあるごとに思い出してきたのですが、noteをはじめてそれが頻々となりました。
** 四十七、オオカミ少年 **
パパもママも キミとはぜったいに遊ぶなってさ
そりゃー おっかない顔で言うんだ
オオカミが来た! って キミはなんども村人をだましたんだってね
それも ただの退屈からだって?
村人たちのあわてふためくようすがおもしろくって
オオカミが来た! って 村にかけおりてなんども叫んだんだってね
それである日 オオカミの群れが ついにホントにやってきて
キミはけんめいに助けをもとめたけれど
もう 村人はだれ一人として キミの叫びを信じようとはしなかった
ヒツジたちは みんなオオカミたちにやられちゃったんだってね
パパもママも キミとはぜったいに遊ぶなってさ
そりゃー おっかない顔で言うんだ
でも ボクはキミが好きさ キミといると安心できるんだ
だって キミはほんとうに嘘つき? ただの嘘つき?
もしかして オオカミはいつも ほんとうはホントに来ていたんじゃなかったの?
ほんとうは オオカミたちのずるがしこい作戦に はまっただけじゃなかったの?
キミは いいわけのしようがなかったから真実をだまっていて
それで嘘つきって 呼ばれるようになっただけなんじゃないの?
もしかして 村人がじぶんたちの責任を小さなキミひとりにおしつけて
キミをひとり ワルモノにしたって話じゃなかったの?
パパもママも キミとはぜったいに遊ぶなってさ
そりゃー おっかない顔で言うんだ
でも 嘘つきって呼ばれるキミに 同情したことはないんだ
同情するべき真実が はたしてあったかのかどうか 分からないしね
それにボクはキミが 嘘つきって呼ばれているからキミのこと 好きなのかも知れない
嘘つきって呼ばれているのに 平気な顔をしているふうなキミが好きなのかも知れない
キミには いつもいつもホントのことを言う必要はないんだって思えるし
キミには いつもいつもウソをつく必要もないんだって思える
そこでボクは はじめてゆっくりと 息をすることができるんだ
だからボクはキミのことを かけがえのない親友だと思っているんだ
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