
【エッセイ】暇なら家来いよ
26歳の誕生日。
例年のようにあらゆるゲームを起動し、色々なキャラクター達から言われるお誕生日おめでとうの言葉に耳を傾け朝からずっと繰り返していた。
自分でコンビニケーキも買って写真を撮ってブログを書いて、大好きなアニメを見て過ごしていた。
飽きるほどの誕生日おめでとうを聞き今年も誕生日を迎えたぞー、と思いながら。
そんな時10歳離れた弟からLINEが入った
「おい」
「どうせお前、暇してんだろ?」
なんだ失礼なやつだと思いながら、何?と返事を返すと
「暇なら家こいよ。仕方ないから祝ってやるよ」
と返事が返ってきた。
そんな事は初めてだった。
私は14歳の時からお祝いをしてもらえない存在だったから、まさか自分の誕生日に身内からそんな連絡がくるなんて。と凄く驚いた。
そしてそのまま続いてケーキの写真が送られてきた。ホールケーキだった。
ちゃんとロウソクが、26のロウソクが刺さっていた。
名前は私の名前じゃなくて、弟から呼ばれていたあだ名だったけど気にならなかった。むしろそれが嬉しかった。
私は部屋着のまま財布とスマホを持ってタクシーに乗り込んだ。
実家に着くと弟が待っていてくれて、ケーキを出してくれた。
「いつも1人寂しいだろ、可哀想だと思ってね!」
そういって私の食べられるケーキを、用意してくれていた。
そのケーキは、弟がバイトして稼いだお金で買った最初のプレゼントだった。
母は何か色々と言っていたけどあまり聞こえなかった。
そんなに泣くなよ、引くわと言われながら私は幸せだった。
世界で1番美味しいケーキだった。