
「夏帆第一章」(村上春樹)読感文
「これまでいろんな女性とデートのようなことをしてきたが、正直言って、君みたいな醜い相手は初めてだよ」
「いちばん醜いというのは、ちょっと言いすぎかもしれない…しかしいちばん不美人だというのは、まず間違いないところだね」
「好奇心がおさえられなかったのだと思う。君のような不器量な女性がどんなことを考えているか、不器量だという事実が君の人生にいかなる影響を与えているのか、たぶんそういうことを知りたかったのだろう。」
主人公の夏帆にサハラ(砂漠)さん(BMWの1800ccのモーターサイクルに載っている緑色のレイバンのサングラスを胸のポケットに指している小粋な男)が冒頭に投げかけた言葉。
文字にして打つと改めて酷い言葉かけだと思うけど、これが文字通りの容姿ではなく心や精神のことを言っているとしたら腑に落ちるところもある。
そして主人公の夏帆は、以前より多くの時間を鏡の前で過ごすようになるし、自分の顔(表現、心の表出、地金)が何なのか自分自身を見直していく。
第一章を読み終わって、これは夢や表現物、創造物だと考えて合理的に辻褄を考えたり、腹を立てたり目くじらを立てたりするものではないと感じて第二章以降を読んでいく。